シリコーンスプレーとは
シリコーンスプレーとは、シリコンオイルを主成分としたスプレーのことです。
吹き付けた対象物に合成樹脂であるシリコンをコーティングすることができます。さまざまなメーカーから用途別の製品が販売されていますが、大きく分けて無溶剤タイプと石油系溶剤タイプに分類されます。
無溶剤タイプは万能スプレーとも呼ばれ、有機溶剤を含まないことから木材、紙、プラスチックなどにも使用可能です。石油系溶剤タイプは有機溶剤を添加することで浸透性を高めており、狭い隙間などにも使用することができます。
しかし、素材によっては対象物を溶かしてしまったり、染み込んでしまったりすることもあるため、使用には注意が必要です。
シリコーンスプレーの使用用途
シリコーンスプレーの使用用途は、対象物をシリコンでコーティングすることにより、潤滑性や撥水性、防水性、光沢効果を与えることです。最も一般的に使用される用途として、潤滑性の付与が挙げられ、引き戸や引き出し、カーテンレールなどに使用されます。
そのほか、傘などの雨具に用いて撥水性を付与させたり、自動車やバイクなどに用いることで、ワックスほどの効果はないものの手軽に撥水性と光沢性を付与したりすることも可能です。無溶剤タイプのシリコーンスプレーはほぼ全ての素材に対して使用できますが、床や地面に使用すると光沢の付与と同時に、非常に滑りやすくなります。
また、一部のコーティングを剥離させる可能性もあることから、事前に適用素材の確認や目立たない箇所で試し塗りしておくと安心です。
シリコーンスプレーの特徴
長所
シリコーンスプレーは、主に潤滑油の効果や錆止めの効果を発揮してくれますが、それだけではありません。防水・撥水・艶出しなどの用途で使用することも可能です。
また、種類によってはゴム・プラスチック・木材・紙など素材を問わず使用できるものもあり、さまざまな場面で活用することができます。
短所
シリコーンスプレーは、汎用性が高い反面、使用してはいけない場所もあります。その一例として、以下の3箇所が挙げられます。
- 電装品
シリコーンスプレーのコーティングにより、電気信号が伝わりにくくなってしまう可能性があります。 - ブレーキ関連の部品
摩擦が少なくなり事故につながるおそれがあります。 - フローリングや畳
滑って転倒してしまう危険性があります。
シリコーンスプレーの種類
1. 石油系溶剤タイプ
シリコーンオイルの中に石油系溶剤を添加しているタイプです。浸透率が高く、潤滑性に優れているので、自動車やバイクなどの機械のメンテナンスなどに適しています。
しかし、ゴムやプラスチックの部分には使用できません。劣化や溶けてしまう恐れがあります。
2. 無溶剤タイプ
無溶剤タイプのシリコーンスプレーは、石油系溶剤を添加していないため染み込みにくく、素材を傷めにくいのが特徴です。木材・プラスチック・ゴム・紙など素材を選ばずに使用できます。
滑りを良くする以外にも艶出しや撥水・防水などにも使用でき、幅広く活用できます。
シリコーンスプレーの選び方
シリコーンスプレーは、使用する対象や用途によって選ぶことが大切です。自動車やバイクなどの機械や金属製品には、石油系溶剤タイプがおすすめです。浸透率が高いため、細かい部分まで浸透しやすく、細かい部品の多い機械のメンテナンス等に適しています。
パーツ同士の滑りをよくしたり、錆を落として見た目を綺麗にしたりできます。引き出しやサッシなどの滑りを改善したい時は、素材を傷めにくい無溶剤タイプがおすすめです。
また、傘や靴などに吹き付ければ撥水・防水加工を施すことができます。幅広い素材に使用できる無溶剤タイプのシリコーンスプレーですが、商品によって使える素材が違ってくる場合もあるので、購入する前に確認することが大切です。
シリコーンスプレーの使い方
シリコーンスプレーは、対象物に直接吹きかけて使用するのが基本です。しかし、近くに使用してはいけない素材があると、意図せず吹き付けてしまうことが考えられます。この場合は、布などに吹き付けてから塗り拡げたり、事前に養生したりする必要があります。
使用する際には、屋外や換気のできる場所が望ましいです。大量に吸引すると、人体に影響が起きる可能性が高くなります。また、シリコーンスプレーの成分は可燃性があるので、火の気がある場所では使用しないでください。