バキュームリフト

バキュームリフトとはバキュームリフト

バキュームリフトは、真空状態を活用することで電源等の動力を使わずにワークを吸着・搬送できる吊り具です。
バキュームリフト自体を上下させることで吸着パッドとワークの間に真空状態を作り出し、吸着しています。
動力を使わずに重量物を搬送できるので、巾の狭い鋼材から重量が数トンあるような大型の鋼板まで対応できます。
搬送素材の特徴やサイズ、重量、形状によって幅広い製品ラインナップがあるのはもちろん、導入業界も多岐にわたっています。

バキュームリフトの使用用途

導入業界や用途は以下の通りです。

  • S型
    たわみの無い素材の搬送に便利で、アルミ材料業界や機械加工工場、建築現場等で用いられています。
    レーザー切断機による切断後の部品の抜き取りなどにも使われています。
    石材対応しているものもあり、吊上容量は80kg~1250kg程度です。
  • M型
    2個以上のパッドを持つタイプで、横巾のたわみが少ない鋼板の搬送に向いています。
    吊上容量は大きいもので750kg程度です。
  • 定尺鋼板型
    プラズマ切断機やレーザー切断機、タレパンといった板金の搬送に適しており、レーザー業界や板金業界での導入事例が多いです。
    最大吊上容量は1000kg程度です。
  • 長尺鋼板型
    造船所、建設機器メーカー、化学プラント、鋼材業といった4m~6m長の鋼板を取り扱う業界で使用されています。
    最大吊上容量は2000kg程度です。
  • 大型バキュームリフト
    重量にして2トン~7トン、長さだと12m以下の大型鋼板を搬送できます。
    造船所や橋梁メーカー等でよく用いられています。
  • 巾狭用
    フラットバーや端材など巾の狭い素材の搬送に便利です。
    木材にも対応可能で、最大吊上容量は300kg程度です。

その他フォークリフトを利用したバキュームリフトなど、特殊な製品もあります。

バキュームリフトの原理

バキュームリフトは吸着パッドとワークの間を真空状態にすることでワークの吊り下げを行うリフトです。

バキュームリフト以外に一切動力を必要としない無動力式のほか、電動式、エア式といった製品ラインナップがあります。
無動力式はバキュームリフトを上下させることによってリフトの内部に真空が生まれる構造です。
そのためクレーン操作だけでワークの吸着と離脱を交互に繰り返せます。
電動式も吸着原理は同様ですが、真空ポンプユニットを搭載することで、万一空気漏れ等が生じて真空度が低下しても吸着を保てます。
停電が起こった際にも真空状態を保持できる、より安全性の高い方式です。
エア式はコンプレッサーのエアー源を使用する方式で、メンテナンス性や手軽さに優れています。

吸引前の吸着パッド内の圧力は大気圧と同じなのでそのままでは吸着パッドにワークが吸着しません。
クレーンの上下運動によって吸着パッド内の空気が吸引されると、吸着パッド内の圧力が大気圧より低くなります。
そうすると、大気圧との差圧が吸着パッドの外部からかかるため、ワークが吸着パッドに押し付けられます。

参考文献
https://www.vacuumlift.jp/products/jvd/
https://www.vacuumlift.jp/
https://taiyu-kabu.co.jp/railsysytemvacuumlift/
https://www.toyo-mm.co.jp/tk/technology/vacuum_reliability.html

レバーホイスト

レバーホイストとは

レバーホイスト

レバーホイストとは、重い物体を持ち上げて移動させるための手動の揚重機械です。

一般的に建設現場や倉庫、船舶などで使用され、物体を持ち上げつつ移動させる際に役立ちます。通常は1つのレバーを引っ張ることで操作されます。このレバーを操作することでチェーンが引かれ、物体を持ち上げることが可能です。さまざまな揚重能力を持つモデルがあります。

一般的に軽量でコンパクトなデザインを持っており、移動や設置が容易です。これにより、さまざまな作業場所で利用できます。また、比較的低コストで入手でき、保守コストも低い傾向があります。

ただし、レバーホイストの持ち上げ能力には限度があるため注意が必要です。設計された能力を超えて使用すると、事故や機械の損傷の危険性が高まります。必ず設計仕様に従って使用することが重要です。

レバーホイストの使用用途

レバーホイストはさまざまな用途で使用できる手動機械です。以下はレバーホイストの使用用途です。

1. 建設現場

建設現場での重い建材の持ち上げや位置調整に頻繁に使用されます。鉄骨やコンクリートブロック、鋼材などの移動や吊り下げに適しています。特に高所での作業や狭いスペースでの操作が必要な場合に便利です。

また、建設機械やトラックに機器や部品を搭載する際に、レバーホイストが使用されます。これにより、大型機械の保守や搭載作業を効率的に行うことが可能です。

2. 倉庫

倉庫や物流センターでは、製品の移動や棚からの荷物積み降ろしにレバーホイストが活用されます。効率的な荷物の処理と倉庫内スペースの最適活用に寄与します。

3. 工場

工場では機械や機器の据え付けやメンテナンスにレバーホイストが利用されることも多いです。重い機械を位置調整し、修理や保守作業を行う際に便利です。モーターやタービンなどの回転機器など、さまざまな機械装置に広く使用されます。

4. 船舶

船舶や航空機のメンテナンス作業では、エンジンや部品の位置調整・保守作業にレバーホイストが有利です。狭いスペースや高所での作業が頻繁に発生するため、精密な操作が求められます。

レバーホイストの原理

レバーホイストはレバーを操作することで、手動で重い物体を持ち上げることができるように設計されています。レバーやギア機構、チェーンなどで構成されます。

1. レバー

レバーホイストには、物体を持ち上げるためのレバーが備わっています。通常は長い操作レバーであり、これを操作することで力が伝達される仕組みです。

2. ギア機構

内部にはギア機構が組み込まれており、操作者がレバーを引くとギア機構が作動します。このギア機構によって操作者の少ない力を増幅して物体を持ち上げる力が発生させることが可能です。

3. チェーン

レバーホイストには、物体を持ち上げるためのワイヤーロープまたはチェーンが取り付けられています。このワイヤーロープまたはチェーンがギア機構と連動し、物体に対して持ち上げる力を伝達します。

レバーホイストの選び方

レバーホイストを選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下は主要な選定要素です。

1. 定格荷重

定格荷重はレバーホイストが持ち上げられる最大の重量を示す指標です。必要な荷重に合わせて適切な定格荷重のレバーホイストを選びます。定格荷重はホイストの仕様に明示されているため、過負荷を避けるべく使用することが必要です。

2. 標準揚程

標準揚程はレバーホイストが一度の操作で持ち上げられる最大の高さを示す指標です。標準的な揚程は一般的に3〜6m程度ですが、必要に応じて異なる長さを選択できます。作業現場の高さや物体の移動距離に合わせて揚程を選びます。

3. レバー長さ

レバーホイストのレバーの長さは、操作者が力をかけるレバーの長さを示す指標です。一般的に長いレバーは短いレバーよりも力をかけやすく、荷重を持ち上げるのが楽になります。ただし、操作スペースが制限されている場合は、短いレバーを選ぶことが必要です。

4. 安全機能

レバーホイストには安全機能が組み込まれていることが一般的です。例えば、過負荷保護やブレーキ機構などがあります。適切な安全機能が装備されているか確認します。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/793/

サドルバンド

サドルバンドとは

サドルバンド

サドルバンドとは、配管を固定するための固定器具です。

一般的に配管を壁面に取り付けたり、他の配管に接続されたりする場合に使用されます。サドル (鞍) のような形状をしている点が特徴です。サドルバンドは配管をしっかりと支え、安定させるのに役立ちます。

これにより、配管が正確な位置に保持され、振動や重力などの外部の力に対して耐性を向上させることが可能です。また、多くの場合、ボルトやナットを使用して簡単に調整できます。

ただし、過度な圧力でサドルバンドを締め付けると、配管への損傷や割れが発生する可能性があるため注意が必要です。適切なトルク設定を確保し、配管に過度な応力がかからないようにします。

サドルバンドの使用用途

サドルバンドはさまざまな産業で使用されており、配管の固定および保護に関連する多くの用途で利用されています。以下はサドルバンドの使用用途です。

1. 建設業

建設業では、建物内外の水道管および排水管を適切な位置に取り付けるためにサドルバンドが使用されます。これにより、水の供給と排水が確保され、建物の機能を維持することが可能です。

また、ガス供給のためのガスラインを設置する際、サドルバンドによってガス配管をサポートしすることが可能です。安全なガス供給に寄与します。電線管や通信ケーブルを建物内に設置するためにもサドルバンドが使用されることが多いです。

2. エネルギー産業

発電所などの施設では、高温および高圧の配管系統が存在します。これらの配管を固定するためにサドルバンドが使用されることが多いです。蒸気配管や排ガス配管がその一例です。

また、大口径のパイプラインにおけるサポートにもサドルバンドが使用されます。原油や天然ガスなどの流体を輸送するために不可欠です。これにより、燃料や熱媒の安定輸送に寄与します。

3. 農業

農業では灌漑用の配管によって水の供給を確保します。サドルバンドは灌漑用のは配管やホースをサポートし、効率的な水の分配を支援します。

サドルバンドの原理

サドルバンドは配管をサポートし、固定するためにデザインされた器具です。鞍のような形状によって配管を包み込むようにして作られており、パイプがサドルの中に収まるようにデザインされています。

配管を内包したサドルバンドは、そのまま荷重を支えて保持します。通常は固定するためのボルトやナットを使用して取り付けられ、配管を所定の位置に固定する仕組みです。配管の重みや外部からの力がサドルバンドに均等に分散され、部分的なストレスが軽減されます。

材質としては、鋼鉄やステンレスなどの金属やプラスチックで作られることが多いです。配管の材料に応じて選択します。金属製のものは強度が高く、プラスチック製のものは腐食に対して耐性があります。

サドルバンドを取り付ける際に、適切なトルクがかかるようにボルトやナットが締め付けられます。これにより、配管が適切に保持され、過度な圧力がかからないようにします。

サドルバンドの選び方

サドルバンドを選ぶ際は、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下はサドルバンドを選ぶ際の選定要素です。

1. 材質

一般的なサドルバンドは鋼鉄やステンレスで作られることが多いです。金属製のサドルバンドは強度が高く、耐久性があります。ステンレス製の製品は腐食に対して耐性があり、屋外や腐食のある環境で使用する際に有利です。

また、鋼鉄製の方が安価なため、一般的には鋼鉄製が採用されます。ただし、腐食に対して懸念がある場合は溶融亜鉛メッキなどが採用されることが多いです。

プラスチック製のサドルバンドは軽量で、腐食に対しては耐性があります。ただし、強度は金属製に比べて低く、特に大口径のパイプをサポートする場合には注意が必要です。

2. 呼び径

サドルバンドの呼び径は、サポートする配管のサイズに合わせて選択する必要があります。適切な呼び径を選ばないと、サドルバンドが配管を安定してサポートできない可能性があります。パイプの外径に合ったサイズを選ぶことが重要です。

3. 規格

サドルバンドは、特定の規格や規制に従って設計および製造される必要があります。地域や産業によって異なる規制があるため、適切な規格に準拠することが重要です。

サドルバンドのその他情報

サドルバンドの腐食

サドルバンドと配管において、異種金属同士を接触させないように注意が必要です。イオン化傾向の異なる金属を接触させると、ガルバニック腐食が起こってしまう恐れがあります。

ガルバニック腐食とは、金属同士で電気が流れることで腐食する現象です。銅配管へ鉄製バンドを適用する場合などに発生します。小口径配管はプラスチック製のサドルバンドでも十分な強度が得られるため、その使用も一考の価値があります。

参考文献
https://www.cr-net.co.jp/products/tool/1249/

ヒートニッパー

ヒートニッパーとは

画像出典元: Amazon

ヒートニッパーとは、内蔵されたヒーターで刃を加熱することができるニッパーです。

プラスチックの加工などの作業に使用されます。目標物を加熱し、高温で物質を軟化させてから切断します。ヒートニッパーは、高温で物質を加熱して切断するため、精密な切断が可能です。

これは電子部品やプラスチック部品など、精密さが求められる用途に重宝されます。ただし、ヒートニッパーは高温で動作するため、取り扱いには注意が必要です。ヒーター部分に触れないようにし、耐熱手袋などの適切な保護具を使用します。

ヒートニッパーの使用用途

ヒートニッパーは高温で物質を切断するための工具で、さまざまな用途に使用できます。以下はヒートニッパーの使用用途です。

1. プラスチック加工

プラスチック加工業界では、ヒートニッパーはプラスチック部品の切断や整形に使用されます。自動車の内装部品や家庭用品など、さまざまな製品を加工することが可能です。

プラスチックをきれいで精密に切断することができます。プラスチックの曲線や形状を調整するのにも適しています。

2. プラモデルの組み立て

プラスチックモデルキット (飛行機、車、建物など) の組み立てにおいて、ヒートニッパーは部品の切断や整形に使用される場合も多いです。モデルのカスタマイズにも適しています。細かい部品の切断が容易で、モデルの精密な組み立てが可能です。

3. 装飾品

ジュエリー製作では、細かい宝石や貴金属の部品を切断したり、整形したりするためにヒートニッパーが使用されます。

特に、宝石や金属の加工に有利です。細かい作業に適しているため、ジュエリーのデザインや修理に役立ちます。

4. 光学製品

ヒートニッパーは樹脂レンズのゲートカットなど、一部のレンズ製造プロセスで使用されることがあります。ゲートは樹脂射出成形プロセスにおいて、レンズと原料供給口との接続部分です。ゲートは余分な材料であり、レンズの最終形状から除去する必要があります。

ヒートニッパーは高温で物質を切断するためのツールであり、この用途で有利です。レンズのゲートを切断し、綺麗で精密な切断面を提供します。これにより、レンズの仕上がり品質が向上します。

ヒートニッパーの原理

ヒートニッパーの原理は、高温で物質を切断することに基づいています。この工具は刃を加熱して切り取ることで、精密な切断を実現することが可能です。ヒーターや刃、ハンドルなどで構成されます。

1. ヒーター

ヒートニッパーの中心部品はヒーターです。ヒーターは高温に加熱され、切断したい材料を加熱します。ヒーターの種類や形状は、ヒートニッパーの設計によって異なることがあります。

2. 刃

ヒートニッパーの切断部分は、切断を行うための金属刃です。ヒーターによって加熱された材料を刃が切断し、綺麗な切断面を作り出します。刃の形状もヒートニッパーの用途によって異なることも多いです。

3. ハンドル

ヒートニッパーには、操作者が持つためのハンドルが取り付けられています。ハンドルは操作性を向上させ、ヒートニッパーを正確に操作するのに役立ちます。

ヒートニッパーの選び方

ヒートニッパーを選ぶ際に考慮すべき要素があります。以下はヒートニッパーの選定要素です。

1. 切断能力

ヒートニッパーが切断できる材料の最大厚さを確認します。ヒートニッパーのモデルによって、切断可能な材料厚さが異なることも多いです。また、切断したい部位の幅に対して十分な刃渡りがあることを確認します。

2. 電源

ヒートニッパーは電力供給が必要です。供給電圧と電源電圧が一致するように選定します。

また、ヒートニッパーの出力調整を目的に変圧器や電源装置が付属する場合も多いです。出力調整が必要な場合は、これらの製品を選定します。

3. 寸法

ヒートニッパーの寸法は、使用場所や作業空間に収まることが重要です。コンパクトなモデルは狭いスペースで使いやすい場合もあります。電源ケーブルの長さなども、使用場所に合わせて選定します。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/363/

テンションゲージ

テンションゲージとは

テンションゲージ

テンションゲージ (英: tension gauge) とは、圧縮力や引張力などの物理的な力を測定する計測器です。

大別すると、機械式と電気式の2種類があります。機械式は普及品で安価であり、電源不要なツールであることから扱い易いです。その反面、測定精度が劣ります。電気式はコンパクトで測定精度が高いが、高価です。

テンションゲージの使用用途

テンションゲージの使用用途は、パソコンのキーボードの押力測定やベルトやローラ類の引張力測定、冷蔵庫ドアの開閉トルク測定、スクリーン印刷機の引張力測定などです。また、ミシンの糸調子測定、繊維・ワイヤ・ケーブルなどのテンション測定、口腔内でのゴム硬度測定などにも使用されます。

電気式のテンションゲージが出現したことにより、高機能化しています。高機能の例としては、繊維やワイヤ等のサンプルをテンションゲージに接触させることにより、巻き取り張力を自動測定できることです。

また、テンションゲージ内にメモリを内蔵することで、複数のサンプルを比較して測定することができます。

テンションゲージの原理

テンションゲージで最も一般的な機械式の棒状ゲージは、測定物をぶら下げたり、ローラに接触させたりすることにより、ばねの力を応用して測定物の重量や引張力をゲージに表示します。

重量の場合、表示単位はg (グラム) です。また、引張力の場合、表示単位は1cN (センチニュートン) となります。テンションゲージの種類は多く、棒状ゲージ、扇状ゲージ、ダイヤルゲージ、プッシュプルゲージ等があります。

テンションゲージの特徴

機械式のテンションゲージの特徴は主に以下の3点です。

1. 安価で電源が無くとも測定可能

テンションゲージは機械式であるため、電源か無くても測定が可能です。

2. 使用環境が広い

テンションゲージは精密機器でないので、低温から高温までの幅広い環境で測定できます。

3. 耐久性が高い

テンションゲージは機械部品から構成されているため、丈夫で耐久性が高いです。また、一般的な商店である魚屋や肉屋で使用されており、水分や油分が付着しても壊れることはありません。

テンションゲージの種類

テンションゲージには、大きく分けて、手持ちでテンションを指針で表示する棒状のもの、デジタルで表示するもの、製造ラインに組み込むオンライン方式、ベルトのテンションゲージなどがあります。

1. 手持ち棒状式

機械式のテンションゲージで、引張力や圧縮力、ばねの力などの物理的な力を測定します。目盛りと指針により、瞬時値を読み取りますが、個人差が出やすいので、置針式が多く使われます。置針式は、最大値のところで針が停止し、計測針は戻るので最大値の計測が容易です。

2. 手持ちデジタル式

テンションをデジタル表示して、作業者の読み取り誤差を小さくしたゲージです。測定結果をPCなどに出力ができ、効率的なデータ処理が可能なタイプもあります。サンプリング速度の変更なども可能です。

3. ライン組み込み式

製造ラインに組み付けるタイプであり、オンラインで常時計測が可能です。線材などをローラに接触させることでテンションが測定できます。高速ライン用、高耐久型、ファイバなどのもろい細糸用など各種タイプがあります。ローラ径が大きいもの、ローラ幅が大きいものなどのオプション使用が便利です。

繊維、ワイヤ、ケーブルなどの製造ラインでオンライン計測に多く採用され、品質の維持や製造設備の管理に使います。

4. ベルトテンションゲージ

製造設備が停止した状態で、駆動ベルトのテンションを測定する専用のゲージです。張ったベルトに対し、荷重と変位を測定する方法、ベルトの固有振動を測定する方法などが使われます。

テンションゲージの選び方

1. 対象物の材質・形状

紡績糸、縫い糸や繊維類、スチールワイヤ、、ファイバ類、ベルト類、押し釦、蝶番など、対象物の材質や形状の把握が重要です。

2. 張力値

測定する張力に適した方法を選びます。張力の範囲は非常に広く、容易に選択が可能です。

3. 送り速度

対象物の送り速度を検討して、適切な装置を選択します。

4. 測定環境

手持ちで計測するか、装置に組み込んで計測するかなど、環境による検討を行います。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_processing/T0300000000/T0325000000/
https://metoree.com/categories/4688/#h2-title-1
https://www.forcegauge.net/catalog/products/top/tensionmeter

ピボット

ピボットとは

ピボットとは、機械製作・機械加工の分野において、先端が円錐形の回転軸のことです。

ピボット用の軸受 (ベアリング) とともに使用されます。後述するように、様々な機械装置では高速回転する回転体が、部品として組み込まれることがあります。こうした場面では、回転体の摩擦を抑える必要があり、ピボットが有効です。

ピボットは軸受と複数の球で接しており、球による転がり摩擦のため、摩擦係数を小さくできる特徴があります。

ピボットの使用用途

ピボットは、高速で回転する装置の回転軸として使用されます。例えば、真空を扱う工場、学術研究などでは、高真空環境 (0.1~10-5 Pa) を得るために、ターボ分子ポンプが使用されます。ターボ分子ポンプでは、音速に近い速度で複数の羽根が回転しており、ピボットが使用されています。

あるいはコンピュータのハードディスク (HDD) ではディスクが高速に回転し、磁気ヘッドによりデータの読み書きが行われます。このような場面でも、回転体の摩擦損失を抑えるためにピボットが使用されています。

ピボットの原理

ピボットは、ピボット軸受 (ベアリング) と接合し、回転部を形成します。ピボット軸受は、外輪と数個の球からなり、その中心をピボットの先端が通り、球と接しています。軸と接している球が回転することで、軸との摩擦係数を提言することができます。

このような球を使って支える軸受は玉軸受 (ボールベアリング) と呼ばれます。ピボットの先端は円錐形状をしていますが、通常は横から見た場合、その先端は60°の角度となっています。なお、先端は小さな球面状に仕上げられています。

特に高速回転で一定期間使用する場合には、潤滑油が必要となる場合があります。また、回転体の重量などを考慮し、ピボット軸受のサイズを決める必要があります。ピボット以外にも円筒形の軸受 (プレーン軸受) があります。

プレーン軸受の場合は、軸受と軸の接触面積が大きく、摩擦損失は大きくなりますが、接触面を通じて集電する場合は効率的です。

参考文献
https://www.nskmicro.co.jp/products/bearing/pivot.html
http://www.morii.jp/railmodel/etc/bearing.html

ノルトロックワッシャー

ノルトロックワッシャーとは

ノルトロックワッシャーとは、緩み止め機能をもつ2枚組のワッシャーです。1982年にノルトロック社によって発明されました。

ノルトロックワッシャーは2枚1組となっており、カム面(上図参照)同士が向き合うよう2枚を重ね、リブがボルト/ナットと相手材にグリップできるように使用します。2枚組の間で接するカムの作用によって、ボルトの回転緩みを「物理的に」許さないウェッジロック機構が作用します。

ノルトロックワッシャーはねじの緩み対策に有効なワッシャーですが、効果が得られるのは回転緩みのみです。ねじの緩みには回転緩み以外に、非回転緩みがあります。非回転緩みはねじによって挟まれている部材が塑性変形することによって生じるものであり、ノルトロックワッシャーでは緩みを防止することはできません。

ノルトロックワッシャーの使用用途

ノルトロックワッシャーは、回転緩みが許されないねじ締結において使用されます。よって様々な分野の特定の部位に使われています。建築物、電力設備、鉄道などの交通輸送分野、各種設備機器など様々です。

具体例を挙げると建築物では吊橋のケーブルバンド、鉄骨橋梁などに採用されています。電力業界では風力発電のタービンローター、原子力発電所の原子炉圧力容器、潮力発電のコンバータ、鉄道車両の連結装置などに用いられています。

ノルトロックワッシャーの原理

1. ボルト/ナットを閉める場合

ボルトの機能はしばしば、バネに例えられます。ボルトは締め付けることで引き伸ばされ、同時に発生する元に戻ろうとする力 (軸力) によって、被締結物を挟み込んでいます。

ノルトロックワッシャーは他の緩み止め製品とは異なり、摩擦ではなく軸力そのものを利用してボルト/ナットが戻り回転を起こせない状態を作り出しています。ノルトロックワッシャーを用いて、ボルトまたはナットを締め付けるとカム同士が噛み合い、2枚組外側のリブがボルト/ナットと相手材表面にグリップして固定します。

このグリップ跡はボルト/ナットと相手材双方にインプレッションマークとして残り、緩み止め効果が作用している証となります。 緩み方向への力が加わると、内側のカム間がスライドするように動き ますが、カムの∠αはねじリード角∠βより大きく設計されているため、カムが動くとワッシャーの厚みが増し、ボルトヘッドを引っ張り上げます。

このウェッジロック技術により、激しい振動に晒されても 回転緩みを物理的に防ぐことができます。

2. ボルト/ナットを緩める場合

ボルト/ナットを緩める時にもノルトロックワッシャーはボルト/ナットと相手材との間はリブにより固定されているため 2枚組内側のカム間だけがスライドし、相手材側のワッシャーは動きません。カムが相手側のカムを1つ乗り越えるまでの間、ボルトヘッドが引っ張り上げられるため軸力が上昇しますが、相手側のカムを乗り越えるとウェッジロックが解除され、取り外すことができます。

また、ノルトロックは締付トルク以下のトルクで取外しができるよう設計されています。

ノルトロックワッシャーのその他情報

1. ノルトロックワッシャーの材質

ノルトロックワッシャーは用途に応じて、通常の鉄 (鋼、デルタプロテクトコーティング) とステンレス (SUS316L相当) だけでなく、スーパーステンレスと呼ばれる高耐食性ステンレス鋼、254SMO® (SUS312L相当) 、Alloy C276 (ハステロイC-276同等材) 、Alloy718 (インコネル718同等材) で作られています。

2. ノルトロックワッシャーの再利用

ノルトロックワッシャーは再利用が可能です。初回利用時は2枚組のワッシャーは糊付けされています。再利用時など糊が剥がれた後は、カム面 (ギザギザが大きな面) 同士が接触するよう重ねて取り付けます。また、再利用できる回数は、使用条件などにより異なります。

3. ノルトロックワッシャーの締め付けトルク

ノルトロックワッシャーを用いた締結における締め付けトルクは、それぞれの利用者の必要軸力により決めるのは一般の締結と変わりません。その上でメーカーでは、トルク決定のためのトルクガイドラインや、ノルトロック締め付けトルク自動計算アプリなどを準備しています。

参考文献
https://www.nord-lock.com/ja-jp/nord-lock/products/washers/dimensions/
https://rivi-manufacturing.com/
https://morisita-fastener.co.jp/products/detail.php?id=239
https://www.nord-lock.com/ja-jp/nord-lock/torque-guidelines/

ダイヤルシックネスゲージ

ダイヤルシックネスゲージとは

ダイヤルシックネスゲージ

ダイヤルシックネスゲージはダイヤルゲージを用いて物の厚さを正確に測定する器具です。

ダイヤルゲージとは円形のゲージに伸縮するスピンドルと言われる棒と、その棒を操作するレバーが取り付けられた器具であり、棒の伸縮具合により厚さがゲージに表示されます。ダイヤルゲージは単体では使用できずに設置台に設置したりして使用されています。

ダイヤルシックネスゲージはこのダイヤルゲージをコンパクトなハンディタイプの厚さ測定器として構成された機器を言います。

ダイヤルシックネスゲージの使用用途

ダイヤルシックネスゲージは紙など薄い物の厚さを正確に測れますので、製品の製造現場では非常に重宝します。

製品には製造の過程で不具合品が混ざる場合や、製造過程で温度などのパラメーターが変化してしまい、製品の厚さが変わる場合があります。これらの不具合をいち早く検出するために品質チェックが行われますが、ダイヤルシックネスゲージを用いると簡単にチェックができます。

ダイヤルシックネスゲージは片手で操作できますので、右手にダイヤルシックネスゲージを持ち左手に製品サンプルを持って手際よく確認を行います。

ダイヤルシックネスゲージの原理

ダイヤルシックネスゲージはダイヤルゲージとフレーム部分から構成されています。

ダイヤルゲージは手でつかめるハンドルを持つフレームに取り付けられており、ダイヤルゲージのスピンドルの先端はアンビルと接触しています。ダイヤルシックネスゲージを使用する際に非常に大切なことはマメに校正を行うことです。ゼロ点がずれているとその分が誤差となってしまい正確な測定ができません。そのために、スピンドルがアンビルと接触して安定している位置をゼロ点であると校正を行います。

スピンドルはレバーにより上下させることができ、これは親指で操作可能です。親指でスピンドルを上にあげて測定したいものをアンビルに載せてレバーを戻すことで測定したいものがスピンドルとアンビルによって挟まれます。その時の厚さはゲージに表示されますのでその値を読み取ります。

ゲージは一昔前は針が目盛りを指すアナログタイプがありましたが、最近ではデジタルタイプですのでアナログタイプのような読み間違いによるミスが無くなります。

 

フレアリングツール

フレアリングツールとは

フレアリングツール

フレアリングツールとは配線にフレア加工を施すための工具のことです。手動で簡単に変形させることができます。フレア加工とは配線同士をつなぐ際に用いられる手法の一つで、先端をラッパ状に変形させることです。この加工によってフレア用のジョイントを設置することが可能となり、二つの配線をつなぐことができます。主に空調設備に使われる柔らかい配線を加工するために使用され、作業も簡単なため広く用いられている工具です。

フレアリングツールの使用用途

フレアリングツールは様々な配線をつなぐために用いられます。例えばエアコンの配線です。エアコンの室内機と室外機からは銅管が伸びており、これをフレアリングツールを用いてつなげる必要があります。片側の配線にフレア加工を施すことでもう一方を包み込むように接続できるのです。つながれた配線はナットを用いて押しつぶすように結合されます。この接続方法は強固で隙間無くつなぐことができるため、エアコンの冷媒となるガスが漏れるのを防ぎ、冷房効率が損なわれない方法です。

フレアリングツールの原理

フレアリングツールはフレア加工を施すことで配線を接続する工具です。ここでは、フレアリングツールを用いたフレア加工の原理や仕組みについてご紹介していきます。

構造としてはフレア加工を施すハンドルと配線を止めておく穴があります。穴は大小様々な大きさをしており、適切な大きさの穴に配線を挟み込んで固定します。上からハンドルを差し込み、回していくことで徐々に配線の先が広がり、ラッパ状に変形していくのです。このハンドル部分には二種類の形があります。

  • 手動式
    完全に手動でフレア加工を施す形です。力を込めてハンドルを回転させ、徐々に配線の先端を広げていきます。ハンドルが軽くなれば適切な大きさにフレア加工ができたことになります。
  • ラチェット
    ハンドル部分にラチェットハンドルが取り付けられた形です。回転させる必要は無く、往復運動をすることで徐々に配線の先端は広がっていきます。手動式よりも簡単に加工が可能です。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/410/
https://xn--08j2fxcxa0d6wy18otram37a2kz.net/torituke/flaring/
http://bbk.co.jp/japanese/product/docs/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%A2%E5%8A%A0%E5%B7%A5%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88.pdf

カテゴリー
category_de

Klemmschrauben

Was ist eine Klemmschraube?

Eine Klemmschraube ist ein Bauteil, das dazu dient, einen Gegenstand mit Hilfe der Antriebskraft der Schraube zu positionieren oder zu fixieren.

Die Spitze ist kugelförmig und kann durch Drehen der Schraube fixiert werden, so dass sie mit dem Objekt in Kontakt kommt. Diese Spitzen haben verschiedene Formen und werden für unterschiedliche Zwecke verwendet.

Während bei der Befestigung mit herkömmlichen Schrauben ein Oberflächenkontakt entsteht, der einen Spalt zwischen dem Gegenstand und der Klemmschraube erzeugt und diesen beschädigen kann, wird der Gegenstand bei der Klemmschraube nicht beschädigt und kann mit einer einfachen Konstruktion befestigt werden.

Verwendungszweck von Klemmschrauben

Klemmschrauben werden zur Befestigung und Positionierung von Gegenständen verwendet. Sie können zum Beispiel von beiden Seiten geklemmt werden. Normalerweise müsste die Form des zu klemmenden Gegenstandes verändert werden. Bei Klemmschrauben hingegen kann der Gegenstand durch Berührung an mehreren Stellen fixiert werden. Der Aufbau ist einfach, da nur die Bearbeitung durch die Schraubenlöcher ausreicht, um den Gegenstand zu fixieren. Auch die Wartung ist einfacher, da Verschleiß durch Reibung nur an den Schraubenlöchern auftritt.

Eigenschaften von Klemmschrauben

Die wichtigsten Eigenschaften von Klemmschrauben sind wie folgt

1. Einfache Konstruktion und sichere Befestigung

Im Vergleich zu Befestigungsmethoden mit Oberflächenkontakt, bei denen geklemmt und gedrückt wird, ist die Befestigung mit punktuellem Kontakt durch die Vorschubkraft der Schraube einfacher in der Konstruktion. Sie kann auch sicher befestigt werden, ohne dass eine größere Bearbeitung erforderlich ist.

2. Auch für die Befestigung von leichten Gegenständen geeignet

Bei der Befestigung mit allgemeinen Schrauben könnten leichte Gegenstände durch das Drehmoment der Schraube beeinträchtigt werden, so dass sie ihre Position verändern. Die Klemmschrauben verfügen jedoch über eine separate rotierende Schraube und eine Kugel an der Spitze, so dass das Objekt fixiert werden kann, ohne dass eine Drehbewegung auf es übertragen wird.

3. Die Spitze kann frei gewechselt werden

Die Palette reicht von Kugeln, die von flachen oder unebenen Oberflächen getragen werden, bis zu solchen aus weichen Materialien, die das Harz nicht beschädigen, oder Materialien, die hitze- und säurebeständig sind. Je nach Anwendung kann eine Vielzahl unterschiedlicher Kugeln verwendet werden.