テンションゲージとは
テンションゲージ (英: tension gauge) とは、圧縮力や引張力などの物理的な力を測定する計測器です。
大別すると、機械式と電気式の2種類があります。機械式は普及品で安価であり、電源不要なツールであることから扱い易いです。その反面、測定精度が劣ります。電気式はコンパクトで測定精度が高いが、高価です。
テンションゲージの使用用途
テンションゲージの使用用途は、パソコンのキーボードの押力測定やベルトやローラ類の引張力測定、冷蔵庫ドアの開閉トルク測定、スクリーン印刷機の引張力測定などです。また、ミシンの糸調子測定、繊維・ワイヤ・ケーブルなどのテンション測定、口腔内でのゴム硬度測定などにも使用されます。
電気式のテンションゲージが出現したことにより、高機能化しています。高機能の例としては、繊維やワイヤ等のサンプルをテンションゲージに接触させることにより、巻き取り張力を自動測定できることです。
また、テンションゲージ内にメモリを内蔵することで、複数のサンプルを比較して測定することができます。
テンションゲージの原理
テンションゲージで最も一般的な機械式の棒状ゲージは、測定物をぶら下げたり、ローラに接触させたりすることにより、ばねの力を応用して測定物の重量や引張力をゲージに表示します。
重量の場合、表示単位はg (グラム) です。また、引張力の場合、表示単位は1cN (センチニュートン) となります。テンションゲージの種類は多く、棒状ゲージ、扇状ゲージ、ダイヤルゲージ、プッシュプルゲージ等があります。
テンションゲージの特徴
機械式のテンションゲージの特徴は主に以下の3点です。
1. 安価で電源が無くとも測定可能
テンションゲージは機械式であるため、電源か無くても測定が可能です。
2. 使用環境が広い
テンションゲージは精密機器でないので、低温から高温までの幅広い環境で測定できます。
3. 耐久性が高い
テンションゲージは機械部品から構成されているため、丈夫で耐久性が高いです。また、一般的な商店である魚屋や肉屋で使用されており、水分や油分が付着しても壊れることはありません。
テンションゲージの種類
テンションゲージには、大きく分けて、手持ちでテンションを指針で表示する棒状のもの、デジタルで表示するもの、製造ラインに組み込むオンライン方式、ベルトのテンションゲージなどがあります。
1. 手持ち棒状式
機械式のテンションゲージで、引張力や圧縮力、ばねの力などの物理的な力を測定します。目盛りと指針により、瞬時値を読み取りますが、個人差が出やすいので、置針式が多く使われます。置針式は、最大値のところで針が停止し、計測針は戻るので最大値の計測が容易です。
2. 手持ちデジタル式
テンションをデジタル表示して、作業者の読み取り誤差を小さくしたゲージです。測定結果をPCなどに出力ができ、効率的なデータ処理が可能なタイプもあります。サンプリング速度の変更なども可能です。
3. ライン組み込み式
製造ラインに組み付けるタイプであり、オンラインで常時計測が可能です。線材などをローラに接触させることでテンションが測定できます。高速ライン用、高耐久型、ファイバなどのもろい細糸用など各種タイプがあります。ローラ径が大きいもの、ローラ幅が大きいものなどのオプション使用が便利です。
繊維、ワイヤ、ケーブルなどの製造ラインでオンライン計測に多く採用され、品質の維持や製造設備の管理に使います。
4. ベルトテンションゲージ
製造設備が停止した状態で、駆動ベルトのテンションを測定する専用のゲージです。張ったベルトに対し、荷重と変位を測定する方法、ベルトの固有振動を測定する方法などが使われます。
テンションゲージの選び方
1. 対象物の材質・形状
紡績糸、縫い糸や繊維類、スチールワイヤ、、ファイバ類、ベルト類、押し釦、蝶番など、対象物の材質や形状の把握が重要です。
2. 張力値
測定する張力に適した方法を選びます。張力の範囲は非常に広く、容易に選択が可能です。
3. 送り速度
対象物の送り速度を検討して、適切な装置を選択します。
4. 測定環境
手持ちで計測するか、装置に組み込んで計測するかなど、環境による検討を行います。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_processing/T0300000000/T0325000000/
https://metoree.com/categories/4688/#h2-title-1
https://www.forcegauge.net/catalog/products/top/tensionmeter