サドルバンド

サドルバンドとは

サドルバンド

サドルバンドとは、配管を固定するための固定器具です。

一般的に配管を壁面に取り付けたり、他の配管に接続されたりする場合に使用されます。サドル (鞍) のような形状をしている点が特徴です。サドルバンドは配管をしっかりと支え、安定させるのに役立ちます。

これにより、配管が正確な位置に保持され、振動や重力などの外部の力に対して耐性を向上させることが可能です。また、多くの場合、ボルトやナットを使用して簡単に調整できます。

ただし、過度な圧力でサドルバンドを締め付けると、配管への損傷や割れが発生する可能性があるため注意が必要です。適切なトルク設定を確保し、配管に過度な応力がかからないようにします。

サドルバンドの使用用途

サドルバンドはさまざまな産業で使用されており、配管の固定および保護に関連する多くの用途で利用されています。以下はサドルバンドの使用用途です。

1. 建設業

建設業では、建物内外の水道管および排水管を適切な位置に取り付けるためにサドルバンドが使用されます。これにより、水の供給と排水が確保され、建物の機能を維持することが可能です。

また、ガス供給のためのガスラインを設置する際、サドルバンドによってガス配管をサポートしすることが可能です。安全なガス供給に寄与します。電線管や通信ケーブルを建物内に設置するためにもサドルバンドが使用されることが多いです。

2. エネルギー産業

発電所などの施設では、高温および高圧の配管系統が存在します。これらの配管を固定するためにサドルバンドが使用されることが多いです。蒸気配管や排ガス配管がその一例です。

また、大口径のパイプラインにおけるサポートにもサドルバンドが使用されます。原油や天然ガスなどの流体を輸送するために不可欠です。これにより、燃料や熱媒の安定輸送に寄与します。

3. 農業

農業では灌漑用の配管によって水の供給を確保します。サドルバンドは灌漑用のは配管やホースをサポートし、効率的な水の分配を支援します。

サドルバンドの原理

サドルバンドは配管をサポートし、固定するためにデザインされた器具です。鞍のような形状によって配管を包み込むようにして作られており、パイプがサドルの中に収まるようにデザインされています。

配管を内包したサドルバンドは、そのまま荷重を支えて保持します。通常は固定するためのボルトやナットを使用して取り付けられ、配管を所定の位置に固定する仕組みです。配管の重みや外部からの力がサドルバンドに均等に分散され、部分的なストレスが軽減されます。

材質としては、鋼鉄やステンレスなどの金属やプラスチックで作られることが多いです。配管の材料に応じて選択します。金属製のものは強度が高く、プラスチック製のものは腐食に対して耐性があります。

サドルバンドを取り付ける際に、適切なトルクがかかるようにボルトやナットが締め付けられます。これにより、配管が適切に保持され、過度な圧力がかからないようにします。

サドルバンドの選び方

サドルバンドを選ぶ際は、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下はサドルバンドを選ぶ際の選定要素です。

1. 材質

一般的なサドルバンドは鋼鉄やステンレスで作られることが多いです。金属製のサドルバンドは強度が高く、耐久性があります。ステンレス製の製品は腐食に対して耐性があり、屋外や腐食のある環境で使用する際に有利です。

また、鋼鉄製の方が安価なため、一般的には鋼鉄製が採用されます。ただし、腐食に対して懸念がある場合は溶融亜鉛メッキなどが採用されることが多いです。

プラスチック製のサドルバンドは軽量で、腐食に対しては耐性があります。ただし、強度は金属製に比べて低く、特に大口径のパイプをサポートする場合には注意が必要です。

2. 呼び径

サドルバンドの呼び径は、サポートする配管のサイズに合わせて選択する必要があります。適切な呼び径を選ばないと、サドルバンドが配管を安定してサポートできない可能性があります。パイプの外径に合ったサイズを選ぶことが重要です。

3. 規格

サドルバンドは、特定の規格や規制に従って設計および製造される必要があります。地域や産業によって異なる規制があるため、適切な規格に準拠することが重要です。

サドルバンドのその他情報

サドルバンドの腐食

サドルバンドと配管において、異種金属同士を接触させないように注意が必要です。イオン化傾向の異なる金属を接触させると、ガルバニック腐食が起こってしまう恐れがあります。

ガルバニック腐食とは、金属同士で電気が流れることで腐食する現象です。銅配管へ鉄製バンドを適用する場合などに発生します。小口径配管はプラスチック製のサドルバンドでも十分な強度が得られるため、その使用も一考の価値があります。

参考文献
https://www.cr-net.co.jp/products/tool/1249/

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