ピボットとは
ピボットとは、機械製作・機械加工の分野において、先端が円錐形の回転軸のことです。
ピボット用の軸受 (ベアリング) とともに使用されます。後述するように、様々な機械装置では高速回転する回転体が、部品として組み込まれることがあります。こうした場面では、回転体の摩擦を抑える必要があり、ピボットが有効です。
ピボットは軸受と複数の球で接しており、球による転がり摩擦のため、摩擦係数を小さくできる特徴があります。
ピボットの使用用途
ピボットは、高速で回転する装置の回転軸として使用されます。例えば、真空を扱う工場、学術研究などでは、高真空環境 (0.1~10-5 Pa) を得るために、ターボ分子ポンプが使用されます。ターボ分子ポンプでは、音速に近い速度で複数の羽根が回転しており、ピボットが使用されています。
あるいはコンピュータのハードディスク (HDD) ではディスクが高速に回転し、磁気ヘッドによりデータの読み書きが行われます。このような場面でも、回転体の摩擦損失を抑えるためにピボットが使用されています。
ピボットの原理
ピボットは、ピボット軸受 (ベアリング) と接合し、回転部を形成します。ピボット軸受は、外輪と数個の球からなり、その中心をピボットの先端が通り、球と接しています。軸と接している球が回転することで、軸との摩擦係数を提言することができます。
このような球を使って支える軸受は玉軸受 (ボールベアリング) と呼ばれます。ピボットの先端は円錐形状をしていますが、通常は横から見た場合、その先端は60°の角度となっています。なお、先端は小さな球面状に仕上げられています。
特に高速回転で一定期間使用する場合には、潤滑油が必要となる場合があります。また、回転体の重量などを考慮し、ピボット軸受のサイズを決める必要があります。ピボット以外にも円筒形の軸受 (プレーン軸受) があります。
プレーン軸受の場合は、軸受と軸の接触面積が大きく、摩擦損失は大きくなりますが、接触面を通じて集電する場合は効率的です。
参考文献
https://www.nskmicro.co.jp/products/bearing/pivot.html
http://www.morii.jp/railmodel/etc/bearing.html