喫煙ブース

監修:株式会社ジー・スリー

喫煙ブースとは

喫煙ブースとは、喫煙専用スペースを設けるために施工・設置される設備です。

健康志向の高まりと各種法整備の結果により、受動喫煙を防止するため、今日では各種施設などにおいて分煙化が必要です。工事をして部屋を施工する喫煙室とは異なり、喫煙ブースは基本的にパッケージ化されたブースを設置します。強力なファンを用い、たばこの煙を排出するようになっており、屋内排気型と屋外排気型とがあります。屋外排気型ではダクトなどの工事も併せて必要です。このような事情から、喫煙ブースの提供においては、販売だけでなく設置や施工までセットで手がけるケースが多いです。

喫煙ブースの使用用途

改正健康増進法が施工された2020年4月以降、様々な施設において、受動喫煙防止として全面禁煙もしくは分煙の措置が取られるようになりました。また、分煙の場合、加熱式たばこ専用喫煙室以外の喫煙室では室内飲食サービスの提供が不可となっており、喫煙ブースは喫煙専用スペースを設けるために使用される設備です。

主な導入施設には下記のようなものがあります。

  • 各種飲食店
  • 商業施設、スーパーマーケット
  • 遊技場 (ボウリング場、カラオケ、パチンコ)
  • オフィス、事務所
  • ホテル、旅館
  • 結婚式場、パーティー会場
  • 公共施設、行政庁舎
  • サービスエリア・パーキングエリア
  • ゴルフ施設
  • ショッピングモール
  • 大学
  • 工場
  • レンタルスペース

改正健康増進法において公益性が高い施設や不特定多数が出入りする施設は原則として禁煙とされていますが、適切な場所に適切な喫煙ブースを設置することで、喫煙スペースを設けることが可能です。例えば、大学は、敷地内禁煙が原則ですが、特定屋外喫煙場所を設置すれば喫煙が可能です。

喫煙ブースの原理

1. 法的定義

厚生労働省のガイドラインをはじめ、各種法令で規定されるところの喫煙所は、

  • 屋内喫煙所
  • 屋外喫煙所

の2種類です。屋内とは、「外気の流入が妨げられるような屋根つきの建物であり、かつ、側壁がおおむね半分以上覆われたものの内部」であると定義されており、この条件に該当しないものは屋外とされます。

また、屋内喫煙所は更に下記の4種類に分類されます

  • 喫煙専用室: 煙が外に出ないための技術を満たす喫煙専用の部屋
  • 指定たばこ専用喫煙室: 煙が外に出ないための技術を満たし、加熱式たばこのみの喫煙が可能
  • 喫煙目的室: 喫煙を目的とする施設の中に設置でき、飲食等も可能
  • 喫煙可能室: 法令整備以前からある小規模の飲食店のみで許可される喫煙室

喫煙ブースは、基本的に喫煙専用室/指定たばこ専用喫煙室に分類されます。

2. 技術的要件

上記法令規定で定めるところの「煙が外に出ないための技術」は、屋内用と屋外用に分けてそれぞれ規定されています。屋内用は下記のような規定です。

  • 出入り口付近で喫煙室の外から入る空気が0.2m/秒以上である
  • 喫煙室から施設内に煙が流れ込まないこと
  • 壁・天井により区画されていること
  • 煙が屋外に排気されること

「壁、天井」とは、硬質の壁やガラス窓など、たばこの煙を通さない材質・構造を指します。また、屋外へ廃棄するダクトなどの施工が難しい場合、室内排気基準をクリアした脱煙装置を使用することで、屋内排気が認められる場合があります。屋内排気の場合の基準は下記の通りです。

  • 総揮発性有機化合物 (TVOC) の除去率が95%以上である
  • 室外に排気されたときの浮遊粉じんの量が、0.015mg/m³以下である

屋外設置の場合の技術的要件は下記の通りです。屋内用とは違い、設備のつくりや空気の気流が条件から省かれています。

  • たばこを吸える場所が区画でわけられていること
  • 「喫煙所」との標識が設置されていること
  • 受動喫煙を防止するため措置がなされていること
  • 第一種施設では特定屋外喫煙場所のみ設置可能

上記における、第一種施設とは、学校、各種養成施設、病院、診療所、助産所、薬局、施術所、介護老人保健施設、介護医療院、行政機関の庁舎などです。

喫煙ブースは、用途に合わせて上記の基準を満たすように設計・施工されています。

3. 仕組み

屋内で使用される喫煙ブースには、ダクトに接続して屋外に排気する屋外排気型と、煙を浄化したうえで屋内に排気して循環させる屋内排気型があります。

喫煙ブース内には大風量ファンが内蔵され、たばこの煙を強力に吸引して排気する仕組みです。喫煙ブース内における煙の滞留時間も短くなるため、衣類や髪に臭いが付きにくくなります。また、屋内排気型では集塵フィルター (プレフィルター/HEPAフィルター) や脱臭フィルター (活性炭フィルター) などを利用することで有害物質が十分に除去される仕組みです。オゾン分解が利用される場合もあります。

喫煙ブースの種類

喫煙ブースには、屋内用/屋外用、屋外排気/屋内排気など様々な種類があります。

屋外用は屋内用に比べて、技術的要件がより緩やかであるため、開放系のブースなどもあります。

屋内用の喫煙ブースでは、屋外排気の場合はダクト施工が必要ですが、屋内排気の場合はフィルターなどを用いることでダクトを施工すること無く設置することが可能です。ただし、フィルター等を通さない屋外排気の場合はそのまま煙が外部へ排気されることに注意が必要です。

大きさについては、1名用や5名以下用の小型のものから、20人以上収容可能なものまで様々な大きさがあります。

本記事は喫煙ブースを製造・販売する株式会社ジー・スリー様に監修を頂きました。

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酸素ボックス

酸素ボックスとは

酸素ボックスとは、人が中に入って使用する健康機器の一種で、高気圧・高酸素濃度環境を作り出す装置です。

気圧を高めた空間の中で過ごすことで、リフレッシュなどを目的とした装置で、1名使用の酸素カプセルと異なり、独立した部屋型空間となっています。座ることも寝転がることもでき、複数名使用も可能です。酸素ルームと呼ばれることもあります

酸素ボックスの使用用途

酸素ボックスは、2人以上で使用することもでき、酸素カプセルよりもいろいろな過ごし方ができるため、よりゆったりとした空間として使用されます。主な用途例には下記のようなものがあります。

  • エステティックサロン、リラクゼーション、美容室
  • スポーツジム
  • スポーツチーム (サッカー・フットサル、野球)
  • ゴルフ場
  • 整骨院、整体院
  • 介護施設 (リハビリルーム)  、デイケア
  • 個人宅
  • スパ施設、ホテル
  • インターネットカフェ

酸素ボックスの原理

1. 動作の仕組み

酸素ボックスは、コンプレッサーにより大気中の空気を取り込んで内部の気圧を上げる仕組みです。ヘンリーの法則: 「液体に溶解する気体の量は、気圧に比例して増加する」を利用して、大気を加圧することで体に取り入れる酸素を増加させています。

人体の体内には、結合型酸素と溶解型酸素と呼ばれる2種類の酸素があります。結合型酸素は血液中のヘモグロビンと結びつく酸素であり、溶解型酸素は血液や体液に直接溶解している酸素です。結合型酸素はヘモグロビンの量を超えて運ばれることはありません。また、全身の血管の90%は毛細血管ですが、結合型酸素は分子量が大きく毛細血管を通りにくいという特徴があります。

高圧酸素ボックスは酸素分圧を上げることで、溶解型酸素 を通常の3倍以上に増やします。高気圧環境であるボックス内で高濃度酸素を吸入することにより 、日常呼吸時や酸素吸入時に取り込む量よりも多くの酸素を身体に取り込むことができます。

2. 基本仕様

酸素ボックスは、最小で1.5畳程度の場所に設置可能です。サイズをカスタマイズして、1〜2名用から、最大で約20名用まで変更することが可能です。ボックスの上に、酸素濃縮器や室外機を置けるため、省スペースで設置することができます。テレビの設置や、スマートフォンや本、ゲームなどの持ち込みも可能です。酸素カプセルより過ごし方の自由度が高く、ストレッチや筋トレをしたり、複数人で入って会話することもできます。

設備としては、

  • インターホン
  • 緊急排気弁などの安全装置
  • 運転途中での気圧変更機能

などの機能が備えられています。

30分ほどから90分ほどまでの使用が可能ですが、一般的には35分前後で使用されることが多いです。

酸素ボックスの種類

酸素ボックスは様々なメーカーから販売されており、様々な製品があります。

最高加圧は、1.3気圧程度の製品から、1.5気圧、1.9気圧程度が限度の製品までがあります。加圧段階は、3段階や5段階などの製品が主流です。また製品によっては内装・外装のカスタマイズが可能です。大きさのカスタマイズが可能な製品もあり、用途に応じて使い分けられています。

酸素カプセル

酸素カプセルとは

酸素カプセルとは、人が中に入って使用する健康機器の一種で、高気圧・高酸素濃度環境を作り出す装置です。

酸素濃度の高い環境に入ることで、リフレッシュ効果が期待され、疲労回復や運動後のコンディショニング、美容に関心のある方などに利用されています。

酸素カプセルは、リラックスして横になることができ、プライベートな空間でくつろぎながら使用できます。また、部屋型の酸素ボックスに比べて、省スペースで設置しやすいという特徴があります。

酸素カプセルの使用用途

酸素カプセルの、主な導入施設の例には下記のようなものがあります。

  • エステティックサロン、リラクゼーション、美容室
  • スポーツジム
  • スポーツチーム (サッカー・フットサル、野球)
  • ゴルフ場
  • 整骨院、整体院
  • 介護施設 (リハビリルーム)  、デイケア
  • 個人宅

酸素カプセルの原理

1. 動作の仕組み

酸素カプセルは、コンプレッサーにより大気中の空気を取り込んで内部の気圧を上げる仕組みです。ヘンリーの法則: 「液体に溶解する気体の量は、気圧に比例して増加する」を利用して、大気を加圧することで体に取り入れる酸素を増加させています。

人体の体内には、結合型酸素と溶解型酸素と呼ばれる2種類の酸素があります。結合型酸素は血液中のヘモグロビンと結びつく酸素であり、溶解型酸素は血液や体液に直接溶解している酸素です。結合型酸素はヘモグロビンの量を超えて運ばれることはありません。また、全身の血管の90%は毛細血管ですが、結合型酸素は分子量が大きく毛細血管を通りにくいという特徴があります。

高圧酸素カプセルは酸素分圧を上げることで、溶解型酸素 を通常の3倍以上に増やします。高気圧環境であるカプセル内で高濃度酸素を吸入することにより 、日常呼吸時や酸素吸入時に取り込む量よりも多くの酸素を身体に取り込むことができます。

2. 基本仕様

酸素カプセルは基本的に最大1.3〜1.5気圧程度まで加圧可能です。また、1名用であり、横向きに寝転がって使用するため、高さがない場所にも設置可能で、1.5畳程度の場所があれば設置することができます。尚、緊急排気弁などの安全装置が搭載されています。

30分ほどから90分ほどまでの使用が可能ですが、一般的には35分前後で使用されることが多いです。

酸素カプセルの種類

酸素カプセルには、ハードタイプやソフトタイプなどの種類があります。

ハードタイプは金属や樹脂でできており、据え置きで業務用に使用するのに適しています。ソフトタイプの酸素カプセルは、布製であり、折りたたんで収納することも可能です。ハードタイプは75kg前後の重量がありますが、ソフトタイプは、本体10kg、制御装置16kg前後です。ソフトタイプは、重量制限によってハードタイプが使用できない場合や、アスリートなどが持ち運びで使用する場合、個人宅で使用する場合などに使用されています。

また、ハードタイプを中心に、全自動式の製品もあります。全自動の製品では、時間や気圧を設定し、気圧上昇から、高気圧状態の維持、減圧までが全自動で行われます。利用者本人が操作することができるようになっており、1人でも使用することが可能です。。

点光源

監修:株式会社ユーテクノロジー

点光源とは

点光源とは、発光部の面積が非常に微小な光源で、点に近い大きさの光源のことです。

点光源は、発光部の面積が非常に微小な光源で、光を全方向に均等に放射し、光の強度は距離の二乗に反比例して減少します。画像処理では欠陥検出や寸法測定で精度を向上させる光源として使用され、コンピュータ・グラフィックスではリアルなライティングやシャドウ生成に利用されます。物理学や光学の研究では光の基本的な挙動を理解するために使われ、カメラキャリブレーションや照明設計でも重要な役割を果たします。また、各種センサに使用した場合、精度や分解能を高めることが可能です。

点光源の使用用途

1. 外観検査

点光源は、非常に小さな領域から均一に光を放射する光源です。この光源は、対象物体に対して特定の位置から光を当てることで、物体の表面に影や反射を生成します。点光源の特徴は、光が一つの小さな点から発生するため、非常にシャープで明確な影を形成することです。

この点光源の特性を利用した外観検査では、物体からの反射光または透過光を撮影し、金属、プラスチック、ガラスなどの表面キズや仕上がりムラ、塗装ムラや、ガラス、プラスチック等の透明体内部に存在する気泡や異物混入などを画像処理装置または目視で検出します。

2. 点光源LEDチップ

点光源LEDチップは、光学式エンコーダや光電センサの分解能などを高める目的で使用されます。

LEDビーム光源は、一般にLEDとレンズを使用して形成されますが、一般的なLED (面発光LED) の場合、ビームサイズは大きく、すぐに広がる傾向にありますが、点光源はビームサイズは小さく広がりにくい性質です。また、面発光の場合、光の回折により対象物に生じる影がぼやけて、検知精度が低下することがありますが、点光源の場合は影の輪郭がはっきりとします。このため、光学式エンコーダなど、精密な測定を行うセンサーの光源には、発光部の径が小さい点光源の方が有利です。

3. 主な用途

その他、点光源の主な用途例は下記の通りです。

画像処理: 欠陥検出や寸法測定、品質管理において均一な光を照射し、精度の高い検査や分析を行います。

コンピュータ・グラフィックス: 3Dシーンでリアルなライティングやシャドウを生成するために使用されます。

物理学・光学: 光の伝播、反射、屈折などの基本的な光学的現象を研究するための理想化されたモデルとして使われます。

キャリブレーション: カメラやセンサーの性能をテストし、正確な補正を行うために用いられます。

照明設計: スポットライトや特殊な照明で、特定の場所や物体に焦点を当てた光を提供します。

光学式エンコーダ、光電センサ用:特定の範囲に強い光を集中的に放射する小型LEDチップを使用し、物体の検出や距離測定に用いられます。

点光源の原理

物理学的な点光源の定義とは、位置だけが定まり大きさを持たない光源です。実際には、通常の光源より発光径が非常に小さい光源を点光源と呼びます。

点光源として用いられるランプは、キセノンランプや水銀灯、LEDなどがあります。一般的にはキセノンランプのほうがLEDよりも高輝度ですが、LED点光源の中にはキセノンランプの輝度に迫る高輝度製品もあります。

また、点光源LEDチップの場合、一般的なLEDではチップ全体が発光するのに対し、点光源LEDはチップ上の更に微小の発光窓の部分のみが発光します。

点光源の種類

点光源には様々な製品があります。

点光源装置として提供されている製品には、用途を限定しない一般照明のほか、外観検査用照明などがあり、光源には、LEDや水銀灯、キセノンランプなどが用いられます。特に、キセノンショートアークランプは紫外域から赤外域まで幅広い発光領域を持ち、高輝度、高演色性を特徴とし、瞬時再点灯が可能です。

また、光学式エンコーダ、光電センサ用の点光源LED製品には、点光源LED素子や、LED素子を埋め込んだ表面実装部品やCANなどのパッケージ品などがあります。提供波長は、赤色 (650nm) 、赤外線 (820nm、850nm、860nm、870nm) などです。点光源チップの中には、側面洩光対策を施したものもあります。発光窓の寸法は、φ60μmからφ160μmほどです。

一部の高温対応製品では、105℃まで動作保証されており、光学式エンコーダに搭載される点光源LEDにおける高温動作での光出力低下や短寿命の課題を解決します。産業用ロボットなどのACサーボモータに搭載される光学式エンコーダやリニアゲージにおける、高温対応や高負荷対応の需要に対応可能です。

本記事は点光源を製造・販売する株式会社ユーテクノロジー様に監修を頂きました。

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プレートファン

プレートファンとは

プレートファンとは、プレート構造からなる羽根車を備えている送風機、もしくはその羽根車のことです。

羽根車の回転によって低圧から高圧を可能とし、様々な物を移動させます。ラジアルファンの一種であり、構造がシンプルで汎用性と強度が高いです。広く開放的な構造になっており粉塵の付着が少ないため、付着性及び摩耗性のダストを含むガスなど、固形物の空気輸送に利用される場合もあります。

プレートファンの使用用途

1. 概要

プレートファンは、空気の循環・換気、及び樹脂ペレットや粉体、微小チップなどの輸送を目的として使用されます。また、構造が簡単で羽根車の強度も高いことから、高温・高圧ガスなどにも使用が可能です。

プレートファンは羽根にかかる圧力負荷が、他の遠心ファンよりも低いことが特徴の一つです。工場や倉庫、商業施設などで幅広く利用されます。

主な使用用途には下記のようなものがあります。

  • プラント設備のラインにおける室内の湿度や温度の調節、不要なガスや臭いの排出、空気の清浄化
  • 商業施設などにおける空気の清浄化
  • 火力発電所における微粉炭輸送
  • セメント工場における排・送風
  • 粉塵や異物を含んだ空気輸送 (製材粉体くず、繊維くず、木工くず、製紙くずなど)
  • 固形物の空気輸送
  • 高温ガスの排気・輸送

2. 通過・排出できる主な固形物

プレートファンは様々な固形物の空気輸送に使用されます。通過可能な主な固形物には下記のようなものがあります。

  • 土砂
  • フライアッシュ
  • 木材チップ
  • 土砂の付着したプラスチックシート
  • 洗浄前のペットボトルの粉砕物
  • 製本機ラインの各種紙類のロス (スリッターロス、打ち抜きロス)
  • ダンボール耳の切断後の短冊
  • 樹脂フィルム製造ラインのエッジロスやスリッターロス
  • 粉砕プラスチック、ペレット

プレートファンの原理

1. 構造・動作機構

プレートファンはラジアルファン (羽根の向きが径方向よりやや前向きで形状が円弧状のファン) の一種です。羽根の出口角度はほぼ90°です。羽根の形状には、直線状と曲線状とがあります。羽根は半径方向に6枚〜12枚程度配置されており、シンプルな構造であることから羽根車の強度が高いです。応用用途が広いことも特徴の1つです。

風の方向は、シロッコファンやターボファンと同様に、吸気に対して90度横向きの方向です。軸方向から吸気した風を、側面から放射状に吐き出します。シロッコファンやターボファンと比べて、静圧は比較的低い傾向にあります。

使用限界温度は、概ね350℃〜1,100℃程度です。微小の浮遊物質や粉塵を取り除くためのフィルター、粉塵のフード排気、バグフィルター、サイクロンコレクターと組み合わせて使用される場合もあります。

2. 圧力特性

プレートファンの圧力特性は比較的フラットです。抵抗の変化に対して大きく風量が変化します。動力特性は、風量にほぼ比例して増加します。効率は、オープン型 (側板がない) の場合で50%〜60%、クローズド型 (側板がある) で55%〜65%程度です。

3. メリット/デメリット

プレートファンの主なメリットは、羽根車の構造がシンプルで粉塵や粉体にも対応しており、掃除が容易であることです。

その一方、他のファンに比べて効率は高くなく、比較的騒音が大きいことが弱点です。

プレートファンの種類

プレートファンには様々な製品があり、用途に応じて使い分けられます。風量は小さいもので最低12.9m3/min程度から、強力なものでは最高で150m3/min程度まで様々なバリエーションがあります。

主な製品種類は、中圧小型プレートファン、高圧小型プレートファン、高効率・低騒音プレートファン、高圧・高耐久プレートファン、耐摩耗プレートファンなどの種類です。高圧小型プレートファンは、中圧小型プレートファンより更に静風圧が求められる場合に使用されます。

ファン外側の形状には、主板と側板を有するクローズタイプ、側板の無い主板のみのオープンタイプ、主板も側板も取り払ったブレードだけで回転するパッドルタイプなどがあります。

リールラック

監修:JFE商事エレクトロニクス

リールラックとは

リールラックとは、電子部品を格納したテープを巻き付けたものであるテープリールを収納するためのラックです。

半導体や電子部品は、キャリアテープと呼ばれるたくさんのポケットがついているテープを用い、ポケットに1つずつ格納されます。このキャリアテープは、リールに巻き付けて、取り扱われます。リールラックは、このテープリールの保管・収納・整理に使用される収納用品です。リールシェルフなどと呼ばれる場合もあります。

リールラックは、プラスチックや金属 (ステンレス) 製で、リールを格納するための溝やスロットがついています。様々な大きさや種類のテープリールを収納できるように設計されており、ラベルや仕切りなど、内容物の整理に有用な機能を備えている場合もあります。 リールラックを活用することで、電子機器製造の現場で、電子部品の整理整頓や段取り替え工程でのアクセス性を高めることが可能です。

リールラックの使用用途

1. 概要

リールラックは、電子部品を格納するリールを保管・管理するために使用されます。特に、SMT技術 (表面実装技術) で使用される電子部品の取り扱いで活用されています。

リールラックは、テープリールの収納及び、ラベルや仕切りなどを用いた整理整頓、出入庫記録による在庫管理などに活用することが可能です。また、一部のリールラックには電子化された管理システムが搭載されており、誤出庫防止や出庫リストの自動作成、先入れ先出しなどに役立てることができます。

2. SMT (表面実装技術) とは

SMTは、電子部品をプリント基板 (PCB) の表面に直接置いてはんだ付けを行う技術です。PCBの穴に挿入して反対側ではんだ付けする方法 (スルーホール技術) に比べて、下記のような特徴があります。

  • 一般的にスルーホール部品よりも部品が小さい
  • 部品密度が高く、より小さな面積に多くの部品が配置される
  • 製造にかかる時間が短い

このようなSMTに使用される部品はキャリアテープとテープリールを用いて格納されて、基板実装の際はカセットフィーダーにテープリールごとセットされます。セットされた部品は、カセットフィーダーからマウンターへ送られ、基板実装される仕組みです。

リールラックの原理

1. 概要

リールラックは、一般的にプラスチックや金属製で、部品のリールを入れるための溝やスロットがついています。リールは、プラスチック製や紙製などで、直径は概ね180mm~380mmです。封入される部品によってテープ幅が異なり、最小で約8mm、大きいものでは44㎜を超えます。

ラックは、さまざまなサイズや種類のリールを収納できるように設計されており、ラベルや仕切りなど、内容物の整理に役立つ機能を備えている場合もあります。スマートラックと呼ばれる製品では、位置センサーなどを搭載することでラック内の部品の位置を追跡することが可能です。

2. 主な機能

リールラックに採用されることがある主な機能には下記のようなものがあります。

  • リールのサイズや種類に合わせた収納レイアウトを可能とする調整機能
  • ESD (静電気放電) 保護機能:静電気による電子部品の破損防止
  • 防湿管理機能:電子部品の破損を防ぐため、温度と湿度を安定的に保つ
  • ラベリングと識別:特定の部品のリールを素早く識別し、場所を特定する
  • トレー供給の半導体部品など、異なる荷姿への対応可能なラインアップを持つもの
  • テープリールやトレーに残った端材をカウント出来るⅩ線カウンターなどとデータ連携機能があるもの
  • セキュリティ機能:鍵やアラームなどを用い、保存されている部品への不正アクセスや改ざんを防止する

リールラックの種類

リールラックの種類は、純粋なラック機能のみの製品とスマートラックと呼ばれる在庫管理機能を備えた製品とに大別されます。

1. 通常の収納ラック

純粋な収納機能のみのラック製品は、多くがステンレス製で、リールをセットするためのスロットがついたシンプルな収納用棚です。リールの様々な種類や大きさに対応しており、棚の大きさや収納力にも多様な種類があります。

2. スマートリールラック

スマートリールラックは、電子化されたシステム機能を備えた製品です。入庫リールデータ (品名・数量・入庫日) をサーバーに保存することができ、計画出庫表を利用しての一斉出庫やハンディターミナル経由での出庫などを行うことで、入出庫管理が可能です。また、MES・ERPなどの上位システムや、実装機、電子部品カウンターなどとの連携も可能な場合があります。

LEDランプ点灯により入出庫時に空いているスロットや必要なリールが収納されているスロットが明示されます。先入れ先出しやリールのピックアップ時間の短縮に貢献し、入出庫作業の効率化が可能です。尚、誤ったリールの取り出し時には取り違いミス防止のためアラームが鳴る機能もあります。

また、リールの位置管理システムにより、フリーアドレスで複数種類のリールを1つの棚に収納可能です。これにより、倉庫面積削減の効果も期待できます。

本記事はリールラックを製造・販売するJFE商事エレクトロニクス様に監修を頂きました。

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業務用ガス乾燥機

業務用ガス乾燥機とは

業務用ガス乾燥機とは、コインランドリーや各種施設などで使用される衣類用のガス式乾燥機です。

ガスを熱源として用いる衣類用乾燥機は、電気式よりもパワフルで乾燥にかかる時間も短く、効率的にふっくらと柔らかく衣類を乾燥させることができます。高温の温風で除菌効果を期待することも可能です。また、業務用ガス乾燥機は、通常、家庭用ガス乾燥機よりも大型で、より耐久性に優れています。雨、花粉や黄砂などの天候にかかわらず衣類を乾燥させることができます。

業務用ガス乾燥機の使用用途

業務用ガス乾燥機は、コインランドリーの他、衣類の洗濯乾燥が業務において必要となる施設で使用される製品です。

主な使用例には下記のような施設があります。衣類のほか、シーツや毛布、リネンなどの大量の洗濯乾燥が必要となる医療・福祉用途や宿泊施設、大量のタオルの洗濯が必要となる理美容業界、作業着やユニフォームなどの洗濯が必要となる業界で広く使用されています。

  • コインランドリー
  • 医療施設・介護施設・福祉施設
  • ホテルや旅館などの宿泊施設
  • 理容院や美容院
  • 畜産農業
  • 給食センター・食品加工工場
  • 自動車整備工場
  • 学生寮・社員寮

業務用ガス乾燥機の原理

1. 概要

業務用ガス乾燥機は、基本的に都市ガス・プロパンガスの両方に対応しています。ガスを燃焼させることで熱源とし、ドラム型の槽を回転させながら温風を吹き付けることで乾燥を行う仕組みです。強力な温風で繊維が立ち上がるため、ふんわりと柔らかい仕上がりになります。高温の温風を使用することで、生乾き臭の原因となるモラクセラ菌を除菌することが可能です。また、衣類に付着した花粉中のアレル物質やペットの毛などを除去する効果があることも知られています。

また、不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、漏電安全装置などの各種安全装置が搭載されています。乾燥に伴って発生する湿気は、本体の排湿筒から屋外へ放出される仕組みです。業務用ガス乾燥機は家庭用に比べて使用頻度が高いことから、ベルトなどにより耐久性の高い部品を使用しています。機能面では、標準コースや厚物コース、シーツ・毛布コースなど、様々な運転コースが搭載されています。

2. 使用上の注意

ガス乾燥機において、ポリプロピレン繊維製の衣類や油分が付着した衣類は、自然発火の恐れがあるため乾燥させることができません。洗濯をしても油分などは完全に落ちないため、油分が付着した衣類は、洗濯後であっても乾燥させると発火や引火のおそれがあります。

危険性のある油分として、下記のようなものが挙げられます。

  • 食用油・機械油・動物系油
  • ドライクリーニング液
  • 美容オイル
  • ベンジン・シンナー・ガソリン
  • 樹脂 (セルロース系)

業務用ガス乾燥機の種類

1. 大きさ

業務用ガス乾燥機には様々な大きさの製品があります。小型のものでは乾燥容量5kg/8kgなどからあり、中〜大型では概ね14kg、25kg、40kg程度までです。14kgが上下二段になった二段式製品もあります。二段式では、洗濯物の種類や素材によって、異なる温度・時間設定で同時に乾燥することができます。

2. ドアの開閉方向・コインタイマー

業務用ガス乾燥機のドアの開閉方向には左開きと右開きがあり、設置場所のレイアウトに合わせて選択することが可能です。また、コインランドリー用の製品ではコインタイマーが標準で搭載されています。

3. 清潔機能

業務用ガス乾燥機は、ドラム内を清潔に保つ機能が搭載されています。具体的な機能は製品によって異なり、

  • 除菌モードの搭載
  • ドラム内のほこりなどを吹き飛ばすブロー機能の搭載
  • 自動で糸くず・綿ぼこりをかき集めるフィルターの搭載
  • 運転終了後にドラム内に微粒子イオンを放出する

などの機能があります。ドラム内が清潔に保たれるため、いつでも衛生的な乾燥が可能です。

業務用布団乾燥機

業務用布団乾燥機とは

業務用布団乾燥機とは、コインランドリーやその他各種施設などで使用される布団専用の乾燥機です。

敷き布団専用乾燥機や、マットレス乾燥機などがあり、シングル布団1枚用の小型のものから複数枚の布団乾燥が可能な超大型のものまで様々なものがあります。家庭用の、布団に温風を送り込んで乾燥させる小型の機械とは異なり、業務用の布団乾燥機は、布団を丸ごと入れるボックス型の装置です。また、ドラム型の業務用洗濯乾燥機の中にも、布団の乾燥に対応しているものがあります。

業務用布団乾燥機の使用用途

1. 概要

業務用布団乾燥機は、コインランドリーやクリーニング店など、洗濯乾燥を業務として行う施設で導入されています。通常の洗濯乾燥機と異なり、布団乾燥機は数十分の短時間で布団の乾燥を完了することが可能です。

また、寝具を大量に使用する各種施設 (病院、福祉介護施設、公共施設、ホテルなど) でも導入されています。大量の寝具を短時間で効率的に乾燥させ、カビやダニの発生を防ぎ、衛生的に管理することができます。

2. 業務用布団乾燥機で得られる効果

敷き布団は、一晩にコップ約1杯~1.5杯分の汗を吸い取っていると言われており、アレルゲンとなるダニやカビの温床になる場合があります。アレルゲンとなるダニは掃除機や家庭用の洗濯機では除去することができず、天日干しではなかなか死滅させることができない場合もあります。

ダニを死滅させるには50度以上の熱で20~30分間温める必要があるとされており、業務用布団乾燥機が有効です。また、ダニだけでなく、細菌も高温殺菌され、除菌効果も期待できます。

業務用布団乾燥機の原理

1. 敷き布団専用乾燥機

コインランドリーなどで使用されている敷き布団専用乾燥機は、大きなボックス型の形状をしており、中の三角台に敷き布団1枚を掛けて固定します。ふとん全体に約18,000個の通気穴が面するようになっており、この通気穴から100℃以上の熱風が送り込まれ、乾燥が進行します。必要な乾燥時間は、ポリエステル100%の敷布団1枚あたりにつき、約20~30分、綿の敷布団で約50~60分です。

2. 家庭用布団乾燥機との違い

家庭用布団乾燥機は、小型の本体機器に付属したホースを布団のあいだに入れて、ホースから出る温風を送り込む (もしくは、乾燥マットを用いて温風を送り込む) 仕組みです。

一方、業務用布団乾燥機は、布団全体を装置に収め、丸ごと熱風で乾燥させます。家庭用布団乾燥機が基本的に電気式であるのに対し、業務用布団乾燥機はガス式で強力な乾燥機能を持ちます。短時間で効率的に乾燥を行うことができ、ダニや細菌の死滅効果も高いです。

業務用布団乾燥機の種類

1. 概要

業務用布団乾燥機には、上記で挙げた敷き布団専用乾燥機の他にも、平面乾燥を行う製品、3〜8枚などの複数枚の乾燥が可能な大型の施設用製品や、マットレス・布団兼用の乾燥機など、様々な製品があります。

基本的には熱風乾燥ですが、中には消毒薬を併用して、ダニや細菌を死滅させることができる製品や、スチーマー機能を備えている製品もあります。

コインランドリー用の製品では、決済機能が搭載されており、硬貨による決済などが可能です。また、感染症対策としてタッチレスパネルを採用している製品もあります。

2. リフレッシュスチーマー

リフレッシュスチーマーとは、布団乾燥機の一種ですが、高温のスチームで消臭と除菌を行うことができます (乾燥のみのコースも選択可能) 。スチームを使用することにより、細菌の除菌効果、ダニの死滅効果において、より高い効果を得ることが可能です。また、消臭除菌剤を併用して噴霧することもできます。

コインランドリー洗濯機

コインランドリー洗濯機とは

コインランドリー洗濯機とは、コインランドリーに設置されている業務用の洗濯機です。

一般的にはドラム型の形状をしており、家庭用の洗濯機よりも大型で、集金機能が付帯しています。一般には乾燥機能付きのものが多く、現金の他にもプリペイドカードでの決済に対応しているものや、靴用洗濯乾燥機など、製品によって機能は様々です。尚、コインランドリー洗濯機のメーカーの中には、製品提供の他にもコインランドリーの開業支援や開業・経営セミナーを行なっているメーカーもあります。

コインランドリー洗濯機の使用用途

コインランドリー洗濯機は、コインランドリーで一般消費者などを顧客として使用されています。コインランドリー洗濯機は家庭用に比べて大型 (容量15kg〜) であるため、大量の洗濯物を洗濯することが可能です。通常、コインランドリーは24時間営業であるため、早朝や深夜などの時間帯や天気を問わない洗濯ニーズに対応します。

また、乾燥機能では家庭用よりも高温での乾燥ができるため、ダニ、花粉、雑菌、臭い、ハウスダスト対策にもなります。また、家庭では洗濯しにくく、クリーニングでは費用のかかる寝具などの大型洗濯物も洗濯可能です。具体的な下記のようなものに対応している場合があります。

  • 羽毛布団、敷布団、こたつ布団
  • 毛布、シーツ、タオルケット、マット
  • じゅうたん、ラグ、カーペット
  • カーテン

コインランドリー洗濯機の原理

コインランドリー洗濯機は基本的に下記のような流れで使用されます。

  1. 洗濯機に洗濯物を入れて、ドアを閉める
  2. 洗濯コースを選択して表示された料金を投入する
  3. 洗濯機がロックされ、指定したコースの洗濯が行われる
  4. 洗濯終了後、ロックが解除される

コインランドリー洗濯機はドラム型もしくは縦型の渦巻き式です。多くの機種では、洗濯物を入れる前にドラム内を洗浄する機能がついています。洗濯の基本的な仕組み自体は、通常の家庭用洗濯機と同様ですが、コインランドリー洗濯機は製品によっては電解水やファインバブル水を利用していたり、水の勢いが強くなっていたりするため、汚れ落ち効果が強力です。

また、乾燥にはガスが用いられ、家庭用洗濯乾燥機よりも強力に乾燥させることができます。洗濯も乾燥も一般に家庭用洗濯機よりも短時間で完了します。

コインランドリー洗濯機の種類

コインランドリー洗濯機には主に下記のような種類があります。

  • コイン式全自動洗濯乾燥機
  • コイン式全自動洗濯機
  • コイン式渦巻き洗濯機
  • コイン式ガス衣類乾燥機
  • コイン式靴用洗濯乾燥機
  • コイン式敷布団乾燥機

コイン式全自動洗濯乾燥機は、最も一般的なドラム式のコインランドリー洗濯機です。洗い・すすぎ・脱水・乾燥までを1台で行うことができます。コイン式全自動洗濯機とコイン式渦巻き洗濯機は乾燥機能がなく、洗い・すすぎ・脱水までで洗濯が完了します。乾燥機にかけられない衣類などはこちらが使用されます。渦巻き洗濯機は縦型の洗濯機です。

靴用洗濯乾燥機や敷布団乾燥機などは、特定の目的に特化している種類の洗濯機・乾燥機です。また、通常の全自動洗濯乾燥機でも、敷布団コース、羽毛布団コース、強力洗浄コース、毛布コース、おしゃれ着洗い機能など、業務用ならではのコースなどが搭載されている製品もあります。決済機能では、硬貨の他にプリペイドカードに対応しているものや、感染症対策としてタッチレスパネルを採用しているものもあります。

コインランドリー洗濯機と家庭用洗濯機の違い

コインランドリー洗濯機と家庭用洗濯機の違いは主に下記のようなものがあります。

  • 容量が大型 (20kg、30kgを超えるものもある)
  • 布団、毛布、シーツ、カーペットなど様々なものに対応
  • 価格が高額 (数十万円~数百万円程度、乾燥機などが付くと高額になる)
  • コース選択などの機能が充実しており、機種によってはドライクリーニングも可能
  • 業務用のパワーで洗浄力が高く、機種によっては温水、電解水、除菌水、などが使用可能であり、清潔性が高い

業務用掃除機ロボット

監修:株式会社テナントカンパニージャパン

業務用掃除機ロボットとは

業務用掃除機ロボットとは、清掃箇所を学習して、障害物を避けながら自律的な清掃を行うロボットです。

家庭用ロボットに比べて、よりプロフェッショナルな仕様なので長時間運転、大容量のごみ収集、広い面積の洗浄等が可能であるという特徴があります。機種によってはナビゲーションシステムやセンサーを駆使して、効率的で、精度の高い清掃も可能です。ロボットの動作環境は各メーカーの機種により大きく異なり、必ずしもであらゆるエリアの清掃が可能な訳ではありませんが、こうしたロボットをうまく取り込み、省力化していくことにより、人件費のコストダウン効果も期待されます。

業務用掃除機ロボットの使用用途

業務用掃除機ロボットは、様々な業務における清掃シーンで活用されています。

主な活用施設には下記のようなものがあります。

  • 飲食店
  • 宿泊施設
  • オフィス、会議室、事務室
  • 医療機関、介護施設、福祉施設
  • 工場
  • 小売店
  • 空港
  • 運動施設 (屋内競技場など)
  • 各種公共施設

これらの施設において、業務用掃除機ロボットは、

  • 効率的で均一な清掃を行う
  • 清掃における人件費を削減し、効率的な人員配置を行う

などの目的を達成することが可能です。

業務用掃除機ロボットの原理

1. 清掃機能

業務用掃除ロボットは、ゴミや塵を吸い込む乾式のスイーパータイプのものと、ブラシ・吸引口・モップの機能がついている水拭き式床洗浄機 (スクラバー) タイプのものがあります。基本的な原理は従来のスイーパー、あるいはスクラバーと変わりません。

各社、色々な製品方式がありますが、概して水拭き式の製品では、一度の作業でモップがけと、その際発生する汚水の回収が同時に完了させることが可能です。また乾式の製品であれば、ホコリをブラシでかき上げ、バキュームで吸引する作業が同時に完了させることが可能です。

2. センサー・ナビゲーション

業務用掃除機ロボットは、センサー技術を駆使して周囲の障害物や壁、家具などを検知することが可能です。障害物に接近した際には自動的に方向を変えたり、避けることができ、衝突や事故のリスクを最小限に抑えます。また、光学センサー技術、人工知能、ナビゲーションシステム、クラウド技術を統合的に活用することで、効率的な清掃が可能です。

多くの業務用掃除機ロボットは、マッピングまたはティーチングという方式で走行ルートを決めてから自走します。一方、製品によってはランダム走行モード、センサーウォール機能を用いることで、掃除機ロボットを敢えて入れない場所を決めて回避したり、一度に清掃できない広いスペースを複数に分けて清掃させることも可能です。

業務用掃除機ロボットの種類

1. 大きさ

業務用掃除機ロボットには様々な製品があります。大きさごとでは、大型、中型、小型の分類があります。

大型の業務用掃除機ロボットは清掃速度が速く、最大清掃可能面積が広いというメリットがあります。また、1時間あたりの清掃範囲でも、2000m2以上の範囲を清掃できます。

中型の業務用掃除機ロボットは70〜200m2の店舗・施設の清掃に適しています。大型の業務用清掃ロボットでは入れない狭い通路の清掃も可能であり、細かい部分の清掃が求められる中規模店舗・施設での使用に最適です。

小型の業務用掃除機ロボットは、清掃するスペースが小さい現場に適します。小回りが効くため、テーブルや椅子の下、壁際などすみずみまで清掃作業を行うことができます。

2. 機能面

機能面でも製品によって多様な種類があります。床の掃除やモップがけ、除菌など、さまざまな清掃タスクに対応することが可能です。製品によっては、Wi-Fiと専用アプリに対応しており、スマートフォンやタブレットで遠隔操作が可能なものもあります。

対応床面は、タイルなどの硬質床のみに対応している製品と、カーペット使用可能な製品とに分かれます。

業務用掃除機ロボットのその他情報

1. 業務用掃除機ロボットの選び方

業務用掃除機ロボットの選定の際は、下記のようなポイントに注意する必要があります。

  • コスト・予算: 総費用に対して見合った効果が得られるか
  • 清掃能力: 清掃範囲の広さや汚れの種類に製品機能が合っているか
  • 操作性: 作業者が容易に操作・管理可能であるか

これらを考慮して、適切な製品を選定することで十分な清掃効果を得ることができます。

本記事は業務用掃除機ロボットを製造・販売する株式会社テナントカンパニージャパン様に監修を頂きました。

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