DAQカード

監修:株式会社エレクトロニカIMT事業部

DAQカードとは

DAQカードとは、産業用データ収集 (DAQ) に使用される、PCI/PCIeカード、PXI/PXIeカード、シリアル通信カードなど、各種拡張カードなどを指す言葉です。

DAQ (Data Acquisition) とは、データ収集・データ集録を指し、特に電圧、電流、温度、圧力、音響などの電気的/物理的現象を計測するプロセスを指すことが多いです。産業用途で広く使用されています。

DAQカードの使用用途

1. DAQの使用用途

DAQは、様々な業界、アプリケーションのエンジニア、研究者によって広く利用されています。DAQで集録されるデータは、主には下記のような物理現象データです。

  • 温度
  • 電圧
  • 電流
  • ひずみと圧力
  • 衝撃と振動
  • 距離と変位
  • RPM、角度、および離散イベント
  • 重量 (質量)
  • 光量や画像

DAQによって集録されるこれらの計測データは、研究・開発におけるデータ収集の他、産業分野において下記のような用途で応用されています。

  • 各種装置の監視 (発電機、モータ、ファン、プラント装置など)
  • 建物や構造体の構造特性を監視 (橋やスタジアムなど)
  • 生産プロセスにおける監視・制御 (エネルギー消費及びエネルギー効率など)
  • 各種製品試験 (電気、機械、機器など)
  • 環境パラメータ (温度、湿度、圧力、高度)の変化における試
  • 信頼性試験(HALT、HASS、AST)
  • PCベースの制御/自動化アプリケーション
  • 装置オペレーションの調整や、動作・特性の評価と記録

特に、自動車産業でブレーキテストをはじめとする各種試験や、航空宇宙分野における各種開発試験、その他工場プロセスの監視、ロボット工学の開発に使用されている技術です。

2. DAQカードの使用用途

DAQカードは、上記DAQシステムの中で、取得されたデータをPCに転送する用途で使用されます。

DAQカードの原理

1. DAQの概要

DAQは、センサーなどで取得したアナログの測定値をデジタルに変換して表示、保存、解析を行うプロセスです。通常、下記のような装置構成から成ります。

  • センサ
  • シグナルコンディショナ
  • ADコンバータ (ADC)
  • コンピュータ (信号の収録と解析のためのDAQソフトウェアを搭載)

センサから得られた信号はシグナルコンディショナへ出力さされ、シグナルコンディショナからの出力はアナログデジタルコンバータ (ADコンバータ) によってサンプリングされます。このような信号をコンピュータに転送する際にPCIスロットなどを介して使用されるものがDAQカードです。

2. DAQカード

DAQカードは、PCIスロットなどを介してパソコンへ接続される拡張カード/拡張ボードです。ボードを利用することで、高速にデータ転送を行うことができます。カードによって提供される機能は、入力、出力の他、様々な機能があります。

PCでのデータ転送の種類は、Pollモード、割り込みモード (interrupt mode) 、DMA(Direct Memory Access:直接メモリ・アクセス)などです。

Pollモードでは、プログラムから、AD変換器が使用可能状態にあるボードにポール (問い合わせ) を行います。

割り込みモード(interrupt mode)では、データ収集プロセスを実行している間に他の処理を行うことをコンピュータに許可する方法です。 データの値を得られるようになると、割り込みは、データを転送するために、コンピュータに通知します。 

DMAモードのデータ転送では、DAQカードはコンピュータの介在なしでコンピュータのメモリーから計測装置、あるいはメモリーへ直接行われます。 

DAQカードの種類

DAQカードは、様々なメーカーから販売されており、多様な製品が販売されています。

製品によって、チャンネル数、分解能、サンプリングレートなどが大きく異なります。同時サンプリングチャンネル数では、4チャンネル、16チャンネルや32チャンネルなどがあり、通常、多チャンネル入力に対応しています。サンプリングレートの種類は、250kS/s、500kS/s、800kS/s、1MS/sなどです。

本記事はDAQカードを製造・販売する株式会社エレクトロニカIMT事業部様に監修を頂きました。

株式会社エレクトロニカIMT事業部の会社概要はこちら