監修:日本真空化学株式会社
大型浴槽とは
大型浴槽とは、複数名で入浴が可能な大型の浴槽 (バスタブ) 製品のことです。
大型浴槽は、主に各種施設の共同浴場や、リラクゼーションを目的としたスパ施設、介護施設などの介護浴室などで使用されています。素材には、FRPやステンレス、タイル貼りなどがあります。
大型浴槽の使用用途
大型浴槽は、複数名で入浴する浴室で主に採用されています。リラクゼーション用途と、清潔を目的とした福祉厚生用途に大きく二分されて利用されている印象であり、主な用途は下記の通りです。業務用では社内設備として自社ビル最上階に大浴室を設置した事例もあり、また、個人住宅であってもリラックス目的でやや大型の浴槽が採用されている場合もあります。
- ホテルや旅館などの宿泊施設、保養施設やスパにおける温浴施設で使われるリラクゼーション用途
- 介護施設や病院、高齢者施設 (デイサービス) 、障害者施設などの介護浴室、共同浴室
- 社員寮、宿舎、工場、自衛隊施設など各種施設の共同浴室
- 個人住宅
大型浴槽の原理
大型浴槽に用いられる素材にはFRP、FRAなどの樹脂系素材のほか、ステンレス、陶器などがあります。
1. FRP、FRA
FRPとは繊維強化プラスチック (英: Fiber Reinforced Plastic ) のことです。一般的にエポキシ樹脂などのマトリックス樹脂にガラス繊維などの強化材を混ぜて製造されます。普通のプラスチックに比べ、防水性が高く、軽さと丈夫さに優れているという特徴があります。また、FRPは補修が容易な素材です。劣化やひび割れが生じた場合、新しくガラス繊維と樹脂をその場で継ぎ足して補修する (FRPライニング) ことができます。複雑な形状を成形しやすいため、ステップや背もたれなど、複雑な浴槽形状を製作しやすいことも長所の一つです。
FRAとは表面層がアクリル樹脂で、裏面を強化プラスチックで補強した複合材です。アクリルの優しい肌触りと強度を両立した性質です。
2. ステンレス
ステンレスは、低コストで耐久性に優れた素材です。ステンレス浴槽ならではの長所として、24時間風呂に対応していることがあります。 24時間風呂とは、循環・浄化・保温の機能により、時間帯を問わずいつでも入浴できる浴槽です。
素材特性と加工性から自由な形状の浴槽を製作することができ、タイルや御影石などを貼り付けた高級浴槽も可能です。
また、漏水予防が必要な階上設置浴槽のステンレス防水層にも使用されることがあります。
4. 付帯設備・形状
スパなど、レジャー要素のある施設では、ジェットバス、水中照明などを備えたレジャー性のある浴槽が採用される事が多いです。
また、病院、リハビリセンター向け自立支援浴槽では可動式手摺や仕切板などが装着されます。浴槽またぎを小さくしたり、腰掛ける場所を作る目的でステップを浴槽内に設置する場合も多くあります。
大型浴槽の種類
1. 用途別
大型浴槽には前述の通り、リラクゼーション・レジャー的用途と、清潔を目的とする共同浴槽用途、介護・医療における入浴用途などに大きく分けられます。リラクゼーションを目的とした浴槽にはジェットバスなどの付帯設備が設けられる場合や、またタイル貼りなどによって意匠性を高めてある場合があります。
介護用途が想定される浴槽の場合は、手すりやステップが設置される場合が多いです。浴槽またぎを低くし、浴槽手前にもステップを取り付ける場合もあります。
2. 大きさ・形状
大型浴槽には、2〜3人程度が入浴できる小さめのものから、5人前後が入浴できる中程度のもの、10人以上入浴可能な超大型のものまであります。用途に合わせて、適切な大きさを選択することが可能です。
形状は、四角いものが一般的ですが、リラクゼーション施設などでは丸い形や多角形形状のものもあります。特に、FRP製浴槽では複雑な形状のものも多く提供されています。また、福祉用途の自立支援浴槽の中には仕切板が設置される場合もあります。
本記事は大型浴槽を製造・販売する日本真空化学株式会社様に監修を頂きました。
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