ダストモニタ

ダストモニタとは

ダストモニタとは、集塵機からの発塵を監視する粉塵計です。

工場などから排出される排気中に含まれる粉塵は、大気汚染や健康被害の原因となるため、集塵機を用いて汚染を防止する必要があります。ダストモニタを用いて、集塵機からのダストの微量な漏れをモニタリングすることで、適切に集塵機が稼働しているかをチェックすることができ、また不具合の際も粉塵の漏れ始めをすばやく検出することができます (予知保全) 。

ダストモニタの使用用途

工場などから排出される粉塵は、大気中に放出されると環境と健康に悪影響を及ぼします。現在、多くの工場では粉塵を大気へ排出しないように集塵機を設置していますが、安全のためには集塵機の不具合やメンテナンスミスなどが発生しないよう、モニタリングを行うことが必要です。また、モニタリングを行うことで集塵機フィルターを最後まで使い切ることができるようになり、廃棄物削減とコスト削減に貢献することも可能です。

ダストモニタは、このような集塵機に不具合(故障や劣化など)が起きていないかをモニタリングするため、使用されています。業種を問わず、排ガスや粉塵の処理のある様々な工場で使用されている装置です。尚、通常の工場粉塵だけでなく、放射性物質の濃度を測定する場合に専用のダストモニタが用いられることもあります。

ダストモニタの原理

ダストモニタは集塵機の二次側配管に取り付けられます。24時間常時測定を行い、粉塵が規制値を超える前に警報を発します。

ダスト濃度を測定する機器の性能評価方法はJIS規格として規定されており、光散乱方式、光透過方式及び摩擦静電気検出方式の3種類の方式について性能評価方法が規定されています。

1. 光散乱法

ダストモニタの測定法の一つである光散乱法は、粉塵によって散乱する光を計測して粉塵濃度を測定する方法です。吸引ファンを用いて、空気吸引口から連続的に浮遊粉塵を取り込み、白色光やレーザー光を粉塵に照射します。

粉塵から発せられた散乱光の量を連続的に受光部で検知して、その光量を光電変換素子で電気信号に変換します。こうして得られた単位時間当たりの散乱光量 (cpm: counts per minute ) の濃度値にK値 (質量濃度変換係数 ) を掛けることにより、粉塵の質量濃度 (mg/m3) を求めることが可能です。

2. 光透過法 (吸光光度法)

光透過法 (吸光光度法) は、粉塵による光の減衰量を利用して計測する方法です。連続的に浮遊粉塵を取り込み、白色光やレーザ光を粉塵に照射して、粉塵による光の減衰量を光電変換素子で電気信号に変換します。この光の減衰量 (透過率) の対数値に比例する相対濃度を求めて、粉塵濃度 (mg/m3) とします。

3. 摩擦静電気検出方法

摩擦静電気検出方法とは、電荷の移動を利用する検出方法です。排ガス中にプローブ状の電極を挿入すると、ダストが電極に衝突する、或いは、近傍を通過する際に電荷の移動が生じます。この電荷の移動は、ダスト濃度と相関関係にあります。

集塵機に取り付けられるダストモニタには摩擦静電気検出方式の製品が最も多く、直胴ダクト内にプローブを差し込んで測定が行われます。

ダストモニタの種類

ダストモニタの製品種類には様々なものがあります。上述の検出方法の種類のほか、センサ部・変換器が一体型となっているものや、分離型となっている別置き構造のものがあります。別置き構造のメリットは、変換器側で測定レンジやデータ平滑化、表示方法を設定することが可能であり、また、変換器側のみを交換することもできるという点です。変換器側のデータの表示方法には、%表示の製品とmg/m3表示の製品などがあります。

温度耐性については、250℃以下の通常仕様の製品の他、400℃以下の高温仕様の製品もあります。また、防爆仕様の製品もあり、防爆仕様と共に防塵防滴構造になっている場合もあります。

家具製造

家具製造とは

家具製造とは、様々な用途で使用される家具一般を製造するサービスです。

机・テーブル、椅子・チェア、収納家具など、様々な種類の家具が製造されます。箱物家具類と脚物家具類に分類されて区別される場合もあります。材質の種類は、木製家具やスチール家具など、製品や用途によって様々です。家具製造にあたっては、設計から、製材加工、組み立て、塗装など、製品完成まで様々な工程があり、様々な加工方法を用いて製品製造が行われています。

家具製造の使用用途

家具製造には、様々な種類の家具の製造が総称して含まれています。製造される製品は、机・テーブル、椅子・チェア・ソファ、箱物家具、収納家具など、様々です。

製造される家具の用途は、家庭用のみならず、店舗・商業施設用、オフィス用、学校などの教育施設用など様々な用途があります。

家具製造の原理

1. 工程

家具製造は、複数の工程を経て行われます。実際に家具製品へと加工・組み立てる工程の他にも、様々な工程を経て家具へと加工されます。

  1. 製材加工: 材料となる木材などを板材へと加工します
  2. 設計・図面の製図
  3. 部材の寸法や枚数の拾い出し・リスト化
  4. 部材のカット
  5. 加工処理: 事前に作成した加工データを基に穴あけをはじめとする各種加工処理を行います
  6. 組み立て
  7. 仕上げ・塗装
  8. 検査
  9. 出荷

多くの場合において、機械化や分業によって効率化が図られている事が多いです。特に図面作成や、加工データの作成などは、コンピュータ化されている場合も多く、加工機械と連動して機械による効率的な管理が進められています。

また、この他にも木材の表面に高温のローラーで圧力をかけ、熱圧処理を施すことで強度や硬度を高める圧密加工や、板材に熱と圧力を加えて曲げる加工などが施される場合もあります。

2. 家具製造における加工と使用される機械

木製家具製造における切削、穴あけ、などにおいては、自動化・効率化を行う目的で、 NCルーター、CNCマシニングセンタなどが積極的に導入されています。また、スチール製の机・椅子など、鋼管を使用する製品では、切断・曲げ・溶接・塗装・組立の加工が行われており、パイプレーザー加工機や自動折り曲げ機、自動溶接機などの機械が使用されます。

また、加工や組み立ての際には、部材を正しい場所に配置するために治具と呼ばれる補助器具が使用されます。製品毎や部品ごとに多数の治具があります。治具を用いることにより、高品質で精度の高い製品を大量生産することが可能です。

製品によっては、接着におけるプレス加工や椅子張り加工なども必要となる場合があります。

3. 塗装加工

多くの家具で塗装加工が行われています。スチール家具などでは粉体塗装などが行われます。

木製家具に用いられる塗装は、主にウレタン塗装、オイル塗装、ラッカー塗装の3種類です。

ウレタン塗装仕上げは熱や水に強く、傷や汚れもつきにくい耐久性のある塗装です。最も一般的な塗装として使用されます。オイル塗装は木の質感を最大限に活かした塗装で、高級感のある仕上がりになりますが、一方で水シミなどの防汚性には劣ります。ラッカー塗装は木の質感を残しながら、傷や汚れをつきにくくした塗装です。ウレタン塗装ほどの強度はありませんが、オイル塗装よりは傷がつきにくくなっており、塗膜を張るのですべすべした感触になります。

家具製造の種類

家具製造で製造される家具製品には実に様々なものがあります。

木製家具は、大きく分けて箱物家具類と脚物家具類に分類することができます。箱物家具の例には、たんす、食器棚、書棚、ラック、テレビボード、サイドボードなどが挙げられます。脚物家具とは椅子、ソファ、ベンチ、机、ダイニングセットなどです。その他にもベッド、小物など多種多様な製品があります。

スチール製の机・椅子をはじめとするスチール家具は、耐久性が高いことから、学校用机椅子やオフィス用デスク、商業施設用テーブル・チェアなどとして活用されている製品です。

木工加工

木工加工とは

木工加工とは、木材に加工を施す加工サービス一般を指します。

用途や目的に応じて木材を最適な形状・寸法に加工する作業や、家具類の製造などがあります。木工という言葉は、広くは工作、美術などの領域をはじめ、建築や土木などの領域に用いられることもある言葉です。工業的には、プレス加工、張り合せ加工、ルーター加工など、様々な加工を経て木工製品が製造されています。

木工加工の使用用途

木工加工は、家具製造、ディスプレイ什器など、様々な木工製品の製造に使用されています。

家庭用の家具製品のほか、店舗・商業施設などで使用するテーブル・椅子などの家具、机・椅子などの学校家具、内装材などの建築資材の製造も行われます。

  • 椅子・ソファ・ダイニングチェア・スツール
  • テーブル・カウンター
  • 学校家具 (机・椅子など)
  • 木工小物 (トレー・ダストボックスなど)
  • 建物内装・建物外装造作材

木工加工の原理

木工加工は、木工製品を製造するために行われる様々な加工です。

加工の目的には、

  • 木材を適切な厚みにしたり、指定の寸法にカットする
  • 縁の部分を削り滑らかにする (面取り加工)
  • 表面を削って滑らかにする (表面加工)
  • 木の膨潤収縮効果によってでこぼこするのを防ぐ (しゃくり加工・さね加工)
  • 圧着接着などにより家具製品などを組み立てたり、圧力をかけて強度・硬度を上げたりする (プレス加工・圧密加工)
  • 製品に色を付ける・表面を保護する目的で塗装を行う (塗装加工)

などがあります。

木材は、そのままの板材では反りやたわみを生じたり、表面にささくれなどが生じるため、製品としての組み立て以外にも、様々な加工を施すことが必要です。

木工加工の種類

1. 面取り加工

面取り加工とは、木材の縁の部分を滑らかにする加工です。カットしたままの木材の断面はカット時の刃物のあとや焦げが残り、角も鋭利となっているため、怪我を防ぐために角を丸める必要があります。その他、デザインの上では、アールをつけたり、斜めにカットするなどの装飾的役割があります。

紙ヤスリや木工カンナでも簡単に面取りを行うことができますが、アール加工などの曲線的な場合には、電動トリマーなどの工具が使用される加工です。

2. 表面加工

表面加工とは、木材の表面を滑らかにする加工です。製材したての木材は、表面が毛羽立っており、ザラザラしています。カンナやヤスリで表面を滑らかにしていきます。

また、板材の木目や質感を活かす表面加工には、帯鋸仕上げ、丸カンナ仕上げ、うづくりなどがあります。帯鋸仕上げとは、木材を丸太から製材する時に使用した帯鋸の切断跡を生かした加工であり、丸カンナ仕上げでは木目に対して直角方向にカンナ掛けすることで横から見ると波模様に見える仕上げです。

3. しゃくり加工・さね加工

木材は吸放湿性材料のため、空気の乾燥によって木が収縮したり、反対に湿気によって膨張したりします。フローリング材など複数の板を組み合わせる製材では、湿度の変化による膨潤収縮効果によって、でこぼこやたわみが現れることがあります。

しゃくり加工・さね加工は、これを防ぐために行われる加工です。「しゃくる」とは「抉る」という意味であり、木を切り欠いて別の部材が納まりやすくすることであり、「さね」とは木の実の中心にある硬いところを指す言葉であることから、板の中心に設ける突起部のことを指しています。これらの板同士がすっぽりと嵌まるように加工することで、平坦で均一的な仕上がりを実現します。

4. ルーター加工・レーザー加工

木材をカットするための加工には、ルーター加工やレーザー加工があります。

ルーター加工で使用されるNCルーターとは、木材を一定の深さにくり抜くための工作機械です。デザインや意匠を施す加工や、彫刻や3D加工などを行うことができます。

レーザー加工とは、レーザー光線を照射してレーザーの熱エネルギーで木材をカットしたり形状を整えたりする加工方法です。レーザーの出力や照射時間を調整すれば、木材のカットはもちろん表面に細かなデザインを施すことも可能です。

木工プレス加工

木工プレス加工とは

木工プレス加工とは、プレス機などで圧力をかけて木材を加工する加工方法一般です。

木材を型に当てて曲げて成形したい場合や、パネルを製造する際、圧力をかけて強度・硬度を上げる加工 (圧密加工) や、引き出しなどの箱物を組む際などに用いられます。プレス機は、電子機器の部品、医療機器、ロボット製作、家具製作など、あらゆる製造に使用される機械です。木工では、合板の製造や、箱物の家具を製造する際に材料をプレスする際に使用します。

木工プレス加工の使用用途

木工プレス加工は、木材に圧力をかけて強度・硬度を上げる加工である圧密加工や、型に当てて曲げて成形する成型合板の製造、引き出しフレームの接着などの箱物製造などに用いられます。

特に成型合板は、美しい曲面・曲線を表現できるため、主に、デザイン性に優れた家具類を製造することに使用されます。家具以外にも内装材などに使用されますが、椅子類への使用が最も多いです。無垢材では表現できない、デザイン性の高い特殊形状の椅子の製造が可能です。

また、圧密加工は、木材の特性を生かしつつ、耐久性や表面の美しさを向上させる加工方法であることから、床材や壁材、家具として幅広く利用されています。

木工プレス加工の原理

1. 概要

プレス機を用いて行われる、プレス加工とは、素材に一定以上の力をかけることで変形が元に戻らない、「塑性」という性質を利用した加工方法です。「塑性加工」とも呼ばれます。

プレス機を用いて行われる木工加工には、圧力をかけて強度・硬度を上げる加工 (圧密加工) や、型に合わせて圧力と熱をかけることで曲げて成形する加工、箱物家具の接着などがあります。

2. 圧密加工

圧密加工とは、木材の表面に高温のローラーで圧力をかけ、熱圧処理を施すことで強度や硬度を高める加工です。この加工により、柔らかい針葉樹の木材にも広葉樹に匹敵する強度をもたせることができます。

圧密加工では、表面の細胞を1mmから1.5mmの範囲で圧縮し、強化します。桧の場合は普通の木材の1.5倍の、杉の場合は2倍の硬度を実現することが可能です。

3. 成型合板の製造

木工プレス加工のもう一つの役割には、成型合板の製造があります。

成型合板とは単板を何枚も重ねて接着した「積層合板」に対してプレス機で曲げ加工を施すことで製造されている合板です。薄くて軽量でも強度があり、繊細なデザインに適しているだけでなく、無垢状態でのクセ、反りなどを軽減し、ムラがなく均一な仕上がりにする効果もあります。

4. 箱物家具の製造

箱物家具の製造において、引き出しやフレームなどの接着には、プレス機が使用されています。

木工プレス加工の種類

1. フラッシュプレス

圧着させるためのプレス機の一つに、フラッシュプレスがあります。フラッシュプレスとは、複数のおもりをフラッシュ板の平面部分に乗せることで全体に均一に圧力をかけ、芯材に表面材を圧着させる機械です。熱をかけずに常温でプレス加工を行うことから、コールドプレスとも呼ばれます。フラッシュプレスは、複数枚積み上げまとめてプレスを行うことも可能です。

2. ホットプレスと高周波プレス

熱をかけながら行われるプレス加工の種類には、主にホットプレスと高周波プレスがあります。加熱を行うことから、フラッシュプレスよりも一般的にプレス時間が短時間になります。

ホットプレス機は、機械の熱を与えながら加圧を行うプレス機です。扱う製品に合わせて圧力や加熱時間を変え、蒸気によって接着剤を硬化させます。微妙な圧力の調整を行いながら同時に熱を加え、接着剤を硬化させ、強度を高めることが可能です。学校関係の椅子、机など量産品の製造を得意としています。

高周波プレス機は、木材に塗布された接着剤に高周波を加えることで接着剤を発熱硬化させるプレス機です。加熱高周波電力による誘電体損失に伴う発熱作用と機械加圧を利用し、曲面成形接着を行います。椅子の座板、背板などの薄い合板のものから、フレームのような厚い成型まで対応可能です。

成型合板

成型合板とは

成型合板とは、薄い板材を重ね合わせて接着し、熱と圧力を加えて曲げて様々な形状に成型した合板です。

成形合板は、湾曲した椅子や家具などの製造に使用されることが多い板材です。薄くて軽量でも強度があり、繊細なデザインに適しています。型を使って合板を加圧成型し、多種多様な曲面デザインを製造することが可能です。

成型合板の使用用途

成型合板は、美しい曲面・曲線を表現できるため、主に、デザイン性に優れた家具類を製造することに使用されます。家具以外にも内装材などに使用されますが、椅子類への使用が最も多いです。無垢材では表現できない、デザイン性の高い特殊形状の椅子の製造が可能です。

その他具体例な用途例には下記のようなものがあります。柱などの角を丸くして安全面に考慮し、木材を利用する事で暖かい雰囲気の空間を作る建築素材として使用される場合もあります。

  • 椅子・ソファ・ダイニングチェア・スツール
  • テーブル
  • トレー
  • ダストボックス
  • 建物内装
  • 建物外装造作材
  • 自動車内装部品
  • 防潮堤などの波返し

成型合板の原理

1. 概要

成型合板とは単板を何枚も重ねて接着した「積層合板」に対して曲げ加工を施すことで製造されている合板です。薄くて軽量でも強度があり、繊細なデザインに適しているだけでなく、無垢状態でのクセ、反りなどを軽減し、ムラがなく均一な仕上がりにする効果もあります。

また、成型合板に使用する単板の歩留まりは丸太の60%と高いことから、環境にも優しい資材です。

2. 成型合板の製造工程

  1. 木材の選定・単板製造: しっかりと乾燥させた木材を薄さ1~1.5mmにスライスします。
  2. 木材のカット: 単板を製造する家具に合わせてカットします。
  3. 接着: 単板に接着剤を塗り重ね合わせます。強度を高めるため、木目が縦目、横目になるように重ね合わせますプレッダーと呼ばれる、糊付け専用の機械に単板を通して行われる場合や、手作業で行われる場合があります。
  4. 成型: 型にはめてプレス機で加圧し、成型します。
  5. それぞれのパーツを切り出します。

3. 成型方法

成型合板の成型方法には、主にホットプレスと高周波プレスがあります。

ホットプレス機は、機械の熱を与えながら加圧を行うプレス機です。扱う製品に合わせて圧力や加熱時間を変え、蒸気によって接着剤を硬化させます。微妙な圧力の調整を行いながら同時に熱を加え、接着剤を硬化させ、強度を高めることが可能です。学校関係の椅子、机など量産品の製造を得意としています。

高周波プレス機は、木材に塗布された接着剤に高周波を加えることで接着剤を発熱硬化させるプレス機です。加熱高周波電力による誘電体損失に伴う発熱作用と機械加圧を利用し、曲面成形接着を行います。椅子の座板、背板などの薄い合板のものから、フレームのような厚い成型まで対応可能です。

成型合板の種類

1. 材質・寸法

成型合板の木材には、ブナ材やカポール・ラワン等の南洋材などが使用されます。表面材には、シナ、ラワン材などが用いられる他、MDF・メラミン・ポリ板などの加工が可能な場合もあります。

ラワン曲げ合板には、3mm、4mm、5mm、9mm、12mmといった種類があります。大きさには、サブロク3×6(915×1825㎜)やロクサン6×3(1825×915㎜)などがあり、曲がる方向で呼び名が変わります。

2. 成型方法

成型合板の成型方法にもいくつかの種類があります。均一な厚みのまま曲げ加工を行う通常の等厚成型合板の他、コマと呼ばれる木片を挟み込んで曲線に分岐を作る成型する方法もあります。ホゾ組みやダボ組みといった各パーツを接合する方法と比較すると各パーツが一体化した成型フレームの製造が可能であるため、強度の高い製品を作ることが可能です。コマの使用は椅子の座部分への使用の他に、立ち座り時に握りやすくするための持ち手部分にも応用されています。

通常のコマの他、分岐点を多くすることができる大コマ入れ成型合板と呼ばれる種類の成型合板もあります。通常は1つのコマにたいして3つの分岐を行いますが、大コマは4つの分岐を行うことが可能です。

その他、成型時に入れていたコマを成型後に抜く成型方法や、成型型の端になるにつれて厚みを調整して成型する方法などもあり、様々な方法で自由なデザインの成型合板製品が製造されています。

天板加工

天板加工とは

天板加工とは、木材をテーブルやカウンターなどの天板として使用する際に必要となる加工です。

天板には、天然木の一枚板や、集成材、表面にカラーのメラミン板を貼ったものなど、様々な種類があります。板材を天板製品として加工する作業には、板材をフラットに加工する平面加工や、製品の形に切断する加工、側面を滑らかにする加工などがあります。

天板加工の使用用途

天板加工で製造される天板は、様々な家具製品に使用されています。

  • 学校用机
  • ダイニングテーブル
  • 商業施設のテーブル
  • カフェテーブル
  • ローテーブル
  • テレビボード
  • 各種カウンター・棚

こうした家具製品は、家庭用や教育施設用の他、食堂施設、コンビニのイートインコーナーや商業施設などのキッズスペース、オフィスの打ち合わせスペースなど、多様な分野で使用されます。

天板加工の原理

天板に使用される板材は、無垢材、集成材、積層材、繊維材などです。使用する板材に合わせて適切な加工を行い、また、製品の天板サイズに合わせて適切なカット・成型を行います。天板エッジの加工は、見た目の印象を左右し、肌や物への当たりを柔らかくして安全性を向上させる効果があります。天板隅のR加工には様々な形状があります。

1. 無垢材

無垢材とは、切り出した木材をそのまま一枚板の板材として使用するものです。無加工の一枚板は木の特性やその木材の置かれていた環境によりねじ曲がったり、でこぼこしているため、天板として使用するには平面加工を施すことが必要です。平面加工の工程では大型のプレーナーサンダーなどを使用して、一枚板を裏表から削り出し、フラットに仕上げます。

2. 集成材・積層材・繊維材

集成材とは、小さな寸法に切り出した小さな角材や挽板を、寄木のように接着剤で固着して再構成した材木です。

積層材は、薄めの挽板を何層か重ね合わせて作られた合板です。単板であるベニヤを積層して成型されます。木目を90度互い違いに熱圧接着して積層することにより、強度を高めることが可能です。

繊維材とは、木材チップやおがくずなどを一度細かな繊維の状態にしてから接着剤などで圧着加工した板材です。他の木材と比較して軽量に仕上がり、安価に入手できるため幅広く利用されています。テーブル天板として利用する際は、突板や化粧板による仕上げが必要です。

3. 化粧板加工

天板として使用される板材は、表面に仕上げ加工が施されます。一般的に、繊維材や積層材の板材には、表面に突板や樹脂化粧板などの化粧板が張られます。

突板 (つきいた) 仕上げとは、主に繊維材、積層材の板材に施される加工です。突板と呼ばれる0.2㎜~0.6㎜程度の薄いシート状の天然木板材を張ります。天然木の木目を生かした風合いになることが特徴で、樹脂化粧を施した板材との対比により、天然木化粧板と呼ばれることもあります。

樹脂化粧板とは、メラミンやポリエステルなどのプラスチック樹脂板を化粧板として板材に施す加工です。特に、メラミン樹脂は高耐熱性、高強度、表面が滑らかで清掃性が高いなどのメリットがあり、業務用のテーブル天板に一般的に使用されます。芯材には繊維材や積層材が用いられることが多いです。プラスチック樹脂のため自由度の高い彩色が可能です。

4. 塗装加工

無垢材や集成材の場合でも、表面に塗装加工を施すことが一般的です。無塗装のままでは、水シミや汚れ、小キズができてしまうため、塗装にはこれらを防ぐ役割もあります。天板に用いられる塗装は、主にウレタン塗装、オイル塗装、ラッカー塗装の3種類です。

ウレタン塗装仕上げは熱や水に強く、傷や汚れもつきにくい耐久性のある塗装です。最も一般的な塗装として使用されます。

オイル塗装は木の質感を最大限に活かした塗装で、高級感のある仕上がりになりますが、一方で水シミなどの防汚性には劣ります。

ラッカー塗装は木の質感を残しながら、傷や汚れをつきにくくした塗装です。ウレタン塗装ほどの強度はありませんが、オイル塗装よりは傷がつきにくくなっており、塗膜を張るのですべすべした感触になります。

天板加工の種類

天板加工には、前項までに挙げた一般的なものの他、特殊なものもあります。例えば、天板に穴をくり抜いて植栽を設置することができるようにする加工や、学校の多目的教室などで使用される瓢箪型や台形型などの特殊形状の天板成型などが挙げられます。

また、帯鋸仕上げ、丸カンナ仕上げ、うづくりなどは、板材の木目や質感を活かす特殊な表面加工です。帯鋸仕上げとは、木材を丸太から製材する時に使用した帯鋸の切断跡を生かした加工であり、丸カンナ仕上げでは木目に対して直角方向にカンナ掛けすることで横から見ると波模様に見える仕上げです。多様な種類の天板加工があり、製品に合わせて使い分けられます。

学校内装

監修:帝国器材株式会社

学校内装とは

学校内装とは、学校などの教育施設における内部空間のデザインや設備を指します。

学校内装は、学習の質や児童生徒の集中力、快適さに直接影響を与えます。学校内装の考え方は、小中学校に限らず、高校・大学、学習塾なども含めて幅広く取り入れられています。安全かつ機能的で、過ごしやすく学びやすい環境整備が行われており、特に木材を取り入れた内装設計が多く行われています。

学校内装の使用用途

学校内装は、主に以下のような教育施設で取り入れられています。

  • 小中学校
  • 高等学校
  • 大学
  • 学習塾・予備校

学校のなかでも普通教室のみならず理科室などの特別教室や図書室、体育館、廊下、昇降口、トイレなどの内部空間も学校内装に含まれます。

学校内装は、それぞれの空間において、児童生徒が過ごしやすく学びやすい環境だけでなく、教職員が快適に過ごしながら円滑に業務ができる環境も提供します。また児童生徒と教職員のコミュニケーションを促進し、安心感を与えます。さらに運動会などの特別なイベントにも対応できるよう柔軟性のある設計が行われます。

学校教育には、他者や環境との社会的な関わりの中で精神の成長を促すことや、基本的な生活習慣の確立と、社会生活を送る上での規範意識を身に付けさせる役割もあります。このような学習活動を支える空間として、児童生徒同士の交流を生む空間や豊かな芸術空間などの構築が必要とされる場合もあります。

また、運動を通じて体力を養い、身体の成長を促すことも学校教育の目的の一つです。日常的な体力づくりを行うための体育館などの運動施設や、食育を充実させるための空間なども学校内装における役割に含まれます。

学校内装の原理

1. 概要

学校内装は、児童生徒の学習・生活の場としてふさわしい環境整備を行うことが重要です。安全性や機能性、意匠性などのバランスが求められる他、近年では多様な学習形態への対応が必要となっています。

これらの環境を実現するために、教室などの広さ、空気質、温湿度、光、音などについて、配慮・工夫が必要とされています。安全性の高い材料の選択と詳細設計、空間ごとに適した色彩や照明の計画、機能的な製品の導入、家具の配置などを工夫することで、学校内装を最適化することができます。

2. 学校内装における木材利用の推進

文部科学省は、昭和60年に各都道府県教育委員会教育長宛に「学校施設における木材使用の促進について」という通知文を発出して以来、教育施設への木材利用を推進しており、学校の木造化や、学校内装における木材の利用が進められています。

木材は、温かみのある意匠性を持つと共に、室内の湿度を調整し、ブルーライトなどの目に負担をかける光を吸収するなど、室内環境を快適に保つ機能があります。特に、内装材として木材を使用することにより、風合いと快適性に優れた教育環境づくりが可能です。木材のなかでも国産材・地域材を活用することで、脱炭素化や森林の保全、地域の文化の継承、地域の活性化などにも繋がります。

学校内装の種類

1. 概要

学校内装には、教室や廊下、昇降口、図書室、体育館、トイレなど、学校内のさまざまな空間の内装が含まれます。児童生徒のための空間だけでなく、職員室など教員のための環境も学校内装の一部です。

学校内装は、それぞれの空間の用途に応じた機能性や意匠性が求められるため、様々な内装材が使用されます。普通教室に用いられる代表的な内装材は、木材や掲示ボード(クロス)、長尺シートなどです。

特別教室には、それぞれの用途に合わせた特殊な内装材が使用される場合があります。例えば、理科室には耐薬品性に優れた床材、音楽室や図書室には吸音性に優れた壁材・天井材などが使用されます。玄関やホールなど、特に高い意匠性が求められる場合には、天井や壁に木製ルーバーなども使用される場合があります。

2. 建具・パーテーション (学校間仕切り) ・防球格子戸

廊下と教室や各室を仕切る、建具・パーテーションも学校内装として用いられます。木材利用推進の観点から、木製建具・木製パーテーションの利用も進んでいます。木製パーテーションは、設計上の工夫によっては、ロッカー等の家具と一体化させることも可能です。また、木製であっても含浸加工による不燃処理を施したり、突板加工によって不燃仕様にしたりすることもできます

スギ・ヒノキなどの国産材・地域材を利用することで、地球環境保全や林業の活性化、それぞれの地域産業の活性化、地域環境の保護等に貢献します。

体育館などに窓を設ける際に、ボールによる破損を防ぐために防球格子戸が設けられる場合があります。国産材・地域材を利用した木製防球格子戸もあり、木の温かみを感じさせながらも安全性と耐久性に優れたものがあります。

主に国産スギ材が使用されますが、スギ材はしなやかさ優れており、衝突したときの衝撃を和らげることが可能です。また木製防球格子戸は、体育館が避難所として使用されている際も、生活の場として温かみある空間を提供できることが特長です。

本記事は学校内装を提供する帝国器材株式会社様に監修を頂きました。

帝国器材株式会社の会社概要はこちら

抜き加工

監修:ユメックス株式会社

抜き加工とは

抜き加工とは、プレス機や裁断機を使用して、対象となる素材を金型やトムソン型など様々な型を用いて打ち抜く(プレスする)加工です。

プレス機械

図1. プレス機械

抜き加工の使用用途

抜き加工は、様々な産業分野において部品・素材の加工に使用されています。複雑な形状も形にすることが可能です。各種絶縁フィルム、絶縁紙、カバー、シール (ラベル) 、シールド材、スペーサー、ガスケット、パッキン、フィルターなど、多種多様の製品が製造されています。

使用されている産業分野には下記のようなものがあります。

  • 電子機器
  • 医療機器
  • 電源
  • 蓄電池
  • 発電機
  • 車載機器
  • 農業機器
  • 農業資材
  • 建築・建材分野
  • ホビー各種

抜き加工の原理

1. 抜き加工に使用される素材

抜き加工に使用される素材には次のようなものがあります。

  • 各種プラスチックフィルムまたはシート材 (PC、PP、PET、PBT、アラミド繊維、ポリイミド、アクリル等)
  • 各種金属箔 (アルミ箔、銅箔、SUS、特殊シールド箔等)
  • 各種粘着テープ、両面テープ
  • 防水・防塵シート
  • 放熱・熱対策材
  • ゴム、スポンジ
  • 金属: 鉄 (SPCC・冷間薄鋼板など) 、SUS材、銅・黄銅材、アルミニウム材、真鍮材
  • カーボン
  • ガラス繊維
  • 紙、パルプ、木材

2. 抜き加工の概要

抜き加工は、プレス機、裁断機を使用し材料のシート材・板材を抜く加工方法です。加工方法には大きく分けて2つの方法があります。

  1. 抜き型と平らな土台の間で材料を挟みプレスして抜く方法
  2. 抜きが上下に存在し材料を挟みプレスして抜く方法

1.の土台を用いて抜く方法では、素材を抜ききってしまう方法フルカットと2層構造以上の素材をカットしたい層だけをカットするハーフカットが可能です。その際、下記のような型が使用されます。

  • トムソン型 (ビク型) :合板や樹脂プレートレーザーで必要な形の溝を加工し、その溝に薄い刃物を埋め込む。
  • エッチング型 (ピナクル型) :薄いステンレス材の必要な形だけを残し、不要部分を溶かし (エッチングし) 、残った必要な形部分を刃物として加工 (磨き上げ) して作る。
  • 彫刻型:金属の板材を必要な形に切削加工し、残した形状部分を刃物として加工 (磨き上げ) して作る。

2.の上下に型が存在する打ち抜き方法は、上型のパンチ (突起)  と下型のダイ (穴) が対になった金型が用いられます。ダイ型を固定し、パンチ型が上下に動くことにより、1対の型で上下から素材を挟んで加工します。この方法ではハーフカットは出来ないため、フルカットのみの加工です。

※1で紹介している、トムソン型 (ビク型) でも特殊な加工方法を用いて、上下型で打ち抜き加工することも可能です。

トムソン型(ビク型)

図2. トムソン型 (ビク型)

抜き加工の種類

抜き加工には主に

  • 打ち抜き加工
  • ハーフカット加工 (シール加工)

の2種類があります。

1. 打ち抜き加工

打ち抜き加工とは、型を使い、材料に圧力 (プレス) をかけて必要な形に打ち抜く加工方法です。製品部分は元の材料から完全に分離し、残った材料の部分はスクラップになります。

2. ハーフカット加工 (シール加工)

主に粘着付きの台紙付き素材に対し、粘着付き素材部分だけに切込みを入れ、台紙自体は打ち抜かない加工方法です。製品をシート状で提供することが可能です。

ハーフカット

図3. ハーフカット

本記事は抜き加工を提供するユメックス株式会社様に監修を頂きました。

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電鋳

電鋳とは

電鋳とは、電気鋳造の略語で、電解液中の金属イオンを母型の表面へ金属として電析させ、母型の表面上に金属被膜として成型する技術です。

電解めっき加工が対象物の表面に装飾、耐食性、機能を付与する表面処理技術であるのに対し、電鋳は、母型表面にめっき加工を施した後、母型を取り外してめっきされた電着物自体を独立した製品として使用します。電鋳は、精密電子部品をはじめとする様々な産業分野で活用されている技術であり、様々な金属製品が製造されています。

電鋳の使用用途

電鋳は、半導体、電子分野などの分野を中心に、広く産業一般で使用されています。電鋳を利用することで、機械加工や切削では作製できない高い寸法精度の製品製造が可能です。

例えば、

  • レコード原盤や光ディスクなどの成形用金型
  • 電気かみそりの刃
  • インクジェットノズル
  • ロケットの噴射ノズル
  • 導波管、冷却管
  • 航空機部品

などの製造に適用されています。

電鋳の原理

1. 電鋳の概要

電鋳の基本的な仕組みは電気めっきと同じです。電解液に陽極・陰極を浸して電気を流します。金属塩水溶液などの電解液を適性温度に維持して、陽極側に電鋳させようとする素材 (Ni・Cu・Au・Agなど) の金属を入れ、陰極側にステンレス等の母型を配置します。ここに電流を流すと、陽極側の金属が溶け出し、陰極側の母型の表面上に金属の被膜が形成されます。

電着したこの金属の被膜層を母型から剥離すると、母型と逆の形状の電鋳 (ネガティブ電鋳) が得られます。このまま用いることもありますが、このネガティブ電鋳の表面に適切な前処理を施してから、所要の厚さに金属を電着させて剥離する (転写法) と、母型と全く同じ形状の電鋳 (ポジティブ電鋳) が得られます。すなわち、ネガティブ電鋳を使って、同じ操作を繰り返すと、母型の複製を大量生産することが可能です。

2. 電鋳の特性

電鋳は、析出金属の種類やめっき浴の条件を変更することで、硬度をはじめとする物理的性質を調整する事が可能です。

加工精度が高いことも特徴の一つで、電鋳では0.01~0.1ミクロンの精度で面転写を行うことができます。母型との誤差が非常に小さいため、レザー模様、木目模様などの表面の微細な凹凸を忠実に再現することができます。また、継ぎ目のない容器やパイプを作製することも可能です。また、製品の形や大きさに関係なく、電鋳槽があれば製作を行うことができることも特性の一つです。

電鋳の種類

1. 剥離型電鋳と厚付け型電鋳

剥離型電鋳は、母型に金属を電着させ、剥離して製品とする電鋳の方法です。非常に薄いメッシュのような厚さのものから、数mm以上の厚いものまで様々です。

剥離型電鋳には、原型に剥離皮膜処理を行って電鋳を施してから剥離する転写法や、原型を一度型取りして、それを母型として使用する型取法などがあります。型取り方は、特に、原型が1個しかない美術工芸品や木、織物などに用いられ、型取りにはプラスチック、石膏などが使用されます。熔融除去法は、一度型取低温熔融合金やワックスで原型を作り、電鋳後、原型を熔融除去して電鋳殻を製作する方法です。

厚付け型電鋳とは、素地金属に直接厚く電着し、機械部品の補修や肉盛りをする場合に行われる電鋳です。通電めっきを長時間行い電着層を厚くします。多量生産ではなく、電鋳が1回で終わるものが多いです。肉盛り、電鋳被覆、電鋳組立て等に応用されます。

2. 製品の種類

電鋳技術によって様々な電鋳製品が製造されており、主に下記のような製品種類があります。

  • メタルマスク (はんだボール搭載用、印刷用、蒸着用)
  • 有機ELディスプレイパネル蒸着用高精細ハイブリッドマスク (FMM)
  • はんだバンプ付きウエハ
  • 転写リードフレーム
  • インクジェットプリンタ用ノズル・フィルタ
  • 電子部品用金型
  • マイクロマシン用部品 (マイクロギヤ、マイクロワッシャー、構造部品)
  • エンコーダー用光学スリット板
  • はんだボール吸着用ヘッド
  • 精密位置決め治具
  • 回析格子

学校家具

監修:帝国器材株式会社

学校家具とは

学校家具とは、学校をはじめとする教育機関向けに設計された家具です。

学校用家具、スクール家具と呼ばれる場合もあります。学校家具には、生徒・児童用の机・椅子、大学の講義室用連結机・いすの他、理科室などの特別教室用の実験台や調理台、教卓や配膳台、収納家具などが含まれます。

学校家具の使用用途

学校家具は、小中学校、高校、大学をはじめ、塾やフリースクール、放課後学童保育、その他各種教育・研修施設で使用されています。

普通教室用の生徒用机・椅子として使用される他、理科室、図工室、美術室、技術室、家庭科室などの特別教室にもそれぞれ専用の学校家具が使用されます。大学の講義室などで使用されている固定式の机・椅子も学校家具の一種です。ロッカー・下駄箱などの生徒用収納としても学校家具は使用されています。

また、生徒用の家具だけでなく、教員用の教卓、職員室用の家具も学校家具の一種です。

学校家具の原理

1. 学校家具の定義

「学校家具」は、机やいす、収納家具、ワゴン類、ついたて類などの学校で使用される家具の総称で、次のものを含みます。

  1. 普通教室用机・いす
  2. 特別教室用実験台・いす
  3. 講義室用連結机・いす
  4. 収納家具
  5. 管理諸室用家具

これらについて、それぞれJIS規格が定められ、時代とともに見直し・改訂が行われました。特に、普通教室用机・いすは、1966年に旧JIS規格が制定されており、その後1999年に新JISと呼ばれる規格に更新されました。

例えば、机の天板寸法は、従来は60cm×40cmの1種類でしたが、新JISでは机の奥行きは45cm以上と定められており、70cm×50cmなどの大きな天板も規格に含められるようになりました。教科書の大型化や、ICT教材の使用など、時代の要請に合わせて制定されています。

尚、特別教室用、すなわち、理科室、図書室、家庭科室、図工室、美術室、視聴覚教室、音楽教室などの家具については、旧JISで定められていましたが、1999年の改正に伴い廃止されています。

2. 材質・つくり

学校家具については、

「机やいす,収納家具,ワゴン類,ついたて類等の学校用家具については、 (中略) 多様な学習形態に対応できるよう数量,材質,形状等を各室と一体的に計画することが重要」 (文部科学省 小学校施設整備指針 第4章 各室計画) 
とされています。

材質については、有害な物質の使用は望ましくないとされますが、それ以外は自由です。堅牢で機能的な金属製の家具もあれば、天然木の風合いを生かした木製の家具もあります。金属製の脚が使用された机や椅子であっても、国産材・地域材活用の取り組みから国内で育った木が机の天板や椅子の背座に使用されている場合もあります。

また、教育現場における情報機器の導入や、多目的スペースの活用など教育現場における変化・新しい学びのニーズにも対応した製品設計が活発です。教育機関での使用という性質から、どの製品も安全かつ丈夫で、学びやすく使いやすいよう、開発されてきています。

学校家具の種類

1. 普通教室用机・いす

学校家具の最も代表的な種類が、普通教室用の机・いすです。基本的に、大きさはJIS規格に従っていますが、素材や形状など実に様々なものがあります。金属脚に木製天板の机/木製背座の椅子の他、樹脂天板/背座の製品、全て木製の製品などです。金属脚の製品では、高さが変えられるようになっているものもあります。また、机といすが一体化している製品などもあります。

2. 特別教室用机・いす

理科室や家庭科室、図工室をはじめとする特別教室では、専用の実験台・美術机・調理台・工作台などが生徒・教員共に使用されています。機能的で使いやすく、教えやすく学びやすい、安全に配慮された設計の製品です。

また、図書室や、ラウンジ、食堂などもそれぞれ適切な家具製品が販売されています。

3. 講義室用連結机・いす

講義室用連結机・いすとは、主に大学などの講義室・講堂で使用されています。机といすが床に固定されており、席数を多く確保することが可能です。整然としており、スロープや階段状での配置も可能です。

いすの形状には、机と一体化している「座跳ね上げ式」のほか、いすの脚が机から独立した「独立脚式」、人の座る動作に合わせて座が動く「スイングアップ式」などがあります。

4. 収納家具

収納家具とは、ロッカー・下駄箱・書架をはじめとする、様々なものを収納するための学校家具です。最近では情報機器を学校でも使用することが多くなっており、タブレット収納庫・ノートPC収納庫なども学校家具として取り入れられています。

本記事は学校家具を製造・販売する帝国器材株式会社様に監修を頂きました。

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