監修:帝国器材株式会社
学校家具とは
学校家具とは、学校をはじめとする教育機関向けに設計された家具です。
学校用家具、スクール家具と呼ばれる場合もあります。学校家具には、生徒・児童用の机・椅子、大学の講義室用連結机・いすの他、理科室などの特別教室用の実験台や調理台、教卓や配膳台、収納家具などが含まれます。
学校家具の使用用途
学校家具は、小中学校、高校、大学をはじめ、塾やフリースクール、放課後学童保育、その他各種教育・研修施設で使用されています。
普通教室用の生徒用机・椅子として使用される他、理科室、図工室、美術室、技術室、家庭科室などの特別教室にもそれぞれ専用の学校家具が使用されます。大学の講義室などで使用されている固定式の机・椅子も学校家具の一種です。ロッカー・下駄箱などの生徒用収納としても学校家具は使用されています。
また、生徒用の家具だけでなく、教員用の教卓、職員室用の家具も学校家具の一種です。
学校家具の原理
1. 学校家具の定義
「学校家具」は、机やいす、収納家具、ワゴン類、ついたて類などの学校で使用される家具の総称で、次のものを含みます。
- 普通教室用机・いす
- 特別教室用実験台・いす
- 講義室用連結机・いす
- 収納家具
- 管理諸室用家具
これらについて、それぞれJIS規格が定められ、時代とともに見直し・改訂が行われました。特に、普通教室用机・いすは、1966年に旧JIS規格が制定されており、その後1999年に新JISと呼ばれる規格に更新されました。
例えば、机の天板寸法は、従来は60cm×40cmの1種類でしたが、新JISでは机の奥行きは45cm以上と定められており、70cm×50cmなどの大きな天板も規格に含められるようになりました。教科書の大型化や、ICT教材の使用など、時代の要請に合わせて制定されています。
尚、特別教室用、すなわち、理科室、図書室、家庭科室、図工室、美術室、視聴覚教室、音楽教室などの家具については、旧JISで定められていましたが、1999年の改正に伴い廃止されています。
2. 材質・つくり
学校家具については、
「机やいす,収納家具,ワゴン類,ついたて類等の学校用家具については、 (中略) 多様な学習形態に対応できるよう数量,材質,形状等を各室と一体的に計画することが重要」 (文部科学省 小学校施設整備指針 第4章 各室計画)
とされています。
材質については、有害な物質の使用は望ましくないとされますが、それ以外は自由です。堅牢で機能的な金属製の家具もあれば、天然木の風合いを生かした木製の家具もあります。金属製の脚が使用された机や椅子であっても、国産材・地域材活用の取り組みから国内で育った木が机の天板や椅子の背座に使用されている場合もあります。
また、教育現場における情報機器の導入や、多目的スペースの活用など教育現場における変化・新しい学びのニーズにも対応した製品設計が活発です。教育機関での使用という性質から、どの製品も安全かつ丈夫で、学びやすく使いやすいよう、開発されてきています。
学校家具の種類
1. 普通教室用机・いす
学校家具の最も代表的な種類が、普通教室用の机・いすです。基本的に、大きさはJIS規格に従っていますが、素材や形状など実に様々なものがあります。金属脚に木製天板の机/木製背座の椅子の他、樹脂天板/背座の製品、全て木製の製品などです。金属脚の製品では、高さが変えられるようになっているものもあります。また、机といすが一体化している製品などもあります。
2. 特別教室用机・いす
理科室や家庭科室、図工室をはじめとする特別教室では、専用の実験台・美術机・調理台・工作台などが生徒・教員共に使用されています。機能的で使いやすく、教えやすく学びやすい、安全に配慮された設計の製品です。
また、図書室や、ラウンジ、食堂などもそれぞれ適切な家具製品が販売されています。
3. 講義室用連結机・いす
講義室用連結机・いすとは、主に大学などの講義室・講堂で使用されています。机といすが床に固定されており、席数を多く確保することが可能です。整然としており、スロープや階段状での配置も可能です。
いすの形状には、机と一体化している「座跳ね上げ式」のほか、いすの脚が机から独立した「独立脚式」、人の座る動作に合わせて座が動く「スイングアップ式」などがあります。
4. 収納家具
収納家具とは、ロッカー・下駄箱・書架をはじめとする、様々なものを収納するための学校家具です。最近では情報機器を学校でも使用することが多くなっており、タブレット収納庫・ノートPC収納庫なども学校家具として取り入れられています。
本記事は学校家具を製造・販売する帝国器材株式会社様に監修を頂きました。
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