天板加工とは
天板加工とは、木材をテーブルやカウンターなどの天板として使用する際に必要となる加工です。
天板には、天然木の一枚板や、集成材、表面にカラーのメラミン板を貼ったものなど、様々な種類があります。板材を天板製品として加工する作業には、板材をフラットに加工する平面加工や、製品の形に切断する加工、側面を滑らかにする加工などがあります。
天板加工の使用用途
天板加工で製造される天板は、様々な家具製品に使用されています。
- 学校用机
- ダイニングテーブル
- 商業施設のテーブル
- カフェテーブル
- ローテーブル
- テレビボード
- 各種カウンター・棚
こうした家具製品は、家庭用や教育施設用の他、食堂施設、コンビニのイートインコーナーや商業施設などのキッズスペース、オフィスの打ち合わせスペースなど、多様な分野で使用されます。
天板加工の原理
天板に使用される板材は、無垢材、集成材、積層材、繊維材などです。使用する板材に合わせて適切な加工を行い、また、製品の天板サイズに合わせて適切なカット・成型を行います。天板エッジの加工は、見た目の印象を左右し、肌や物への当たりを柔らかくして安全性を向上させる効果があります。天板隅のR加工には様々な形状があります。
1. 無垢材
無垢材とは、切り出した木材をそのまま一枚板の板材として使用するものです。無加工の一枚板は木の特性やその木材の置かれていた環境によりねじ曲がったり、でこぼこしているため、天板として使用するには平面加工を施すことが必要です。平面加工の工程では大型のプレーナーサンダーなどを使用して、一枚板を裏表から削り出し、フラットに仕上げます。
2. 集成材・積層材・繊維材
集成材とは、小さな寸法に切り出した小さな角材や挽板を、寄木のように接着剤で固着して再構成した材木です。
積層材は、薄めの挽板を何層か重ね合わせて作られた合板です。単板であるベニヤを積層して成型されます。木目を90度互い違いに熱圧接着して積層することにより、強度を高めることが可能です。
繊維材とは、木材チップやおがくずなどを一度細かな繊維の状態にしてから接着剤などで圧着加工した板材です。他の木材と比較して軽量に仕上がり、安価に入手できるため幅広く利用されています。テーブル天板として利用する際は、突板や化粧板による仕上げが必要です。
3. 化粧板加工
天板として使用される板材は、表面に仕上げ加工が施されます。一般的に、繊維材や積層材の板材には、表面に突板や樹脂化粧板などの化粧板が張られます。
突板 (つきいた) 仕上げとは、主に繊維材、積層材の板材に施される加工です。突板と呼ばれる0.2㎜~0.6㎜程度の薄いシート状の天然木板材を張ります。天然木の木目を生かした風合いになることが特徴で、樹脂化粧を施した板材との対比により、天然木化粧板と呼ばれることもあります。
樹脂化粧板とは、メラミンやポリエステルなどのプラスチック樹脂板を化粧板として板材に施す加工です。特に、メラミン樹脂は高耐熱性、高強度、表面が滑らかで清掃性が高いなどのメリットがあり、業務用のテーブル天板に一般的に使用されます。芯材には繊維材や積層材が用いられることが多いです。プラスチック樹脂のため自由度の高い彩色が可能です。
4. 塗装加工
無垢材や集成材の場合でも、表面に塗装加工を施すことが一般的です。無塗装のままでは、水シミや汚れ、小キズができてしまうため、塗装にはこれらを防ぐ役割もあります。天板に用いられる塗装は、主にウレタン塗装、オイル塗装、ラッカー塗装の3種類です。
ウレタン塗装仕上げは熱や水に強く、傷や汚れもつきにくい耐久性のある塗装です。最も一般的な塗装として使用されます。
オイル塗装は木の質感を最大限に活かした塗装で、高級感のある仕上がりになりますが、一方で水シミなどの防汚性には劣ります。
ラッカー塗装は木の質感を残しながら、傷や汚れをつきにくくした塗装です。ウレタン塗装ほどの強度はありませんが、オイル塗装よりは傷がつきにくくなっており、塗膜を張るのですべすべした感触になります。
天板加工の種類
天板加工には、前項までに挙げた一般的なものの他、特殊なものもあります。例えば、天板に穴をくり抜いて植栽を設置することができるようにする加工や、学校の多目的教室などで使用される瓢箪型や台形型などの特殊形状の天板成型などが挙げられます。
また、帯鋸仕上げ、丸カンナ仕上げ、うづくりなどは、板材の木目や質感を活かす特殊な表面加工です。帯鋸仕上げとは、木材を丸太から製材する時に使用した帯鋸の切断跡を生かした加工であり、丸カンナ仕上げでは木目に対して直角方向にカンナ掛けすることで横から見ると波模様に見える仕上げです。多様な種類の天板加工があり、製品に合わせて使い分けられます。