木工加工

木工加工とは

木工加工とは、木材に加工を施す加工サービス一般を指します。

用途や目的に応じて木材を最適な形状・寸法に加工する作業や、家具類の製造などがあります。木工という言葉は、広くは工作、美術などの領域をはじめ、建築や土木などの領域に用いられることもある言葉です。工業的には、プレス加工、張り合せ加工、ルーター加工など、様々な加工を経て木工製品が製造されています。

木工加工の使用用途

木工加工は、家具製造、ディスプレイ什器など、様々な木工製品の製造に使用されています。

家庭用の家具製品のほか、店舗・商業施設などで使用するテーブル・椅子などの家具、机・椅子などの学校家具、内装材などの建築資材の製造も行われます。

  • 椅子・ソファ・ダイニングチェア・スツール
  • テーブル・カウンター
  • 学校家具 (机・椅子など)
  • 木工小物 (トレー・ダストボックスなど)
  • 建物内装・建物外装造作材

木工加工の原理

木工加工は、木工製品を製造するために行われる様々な加工です。

加工の目的には、

  • 木材を適切な厚みにしたり、指定の寸法にカットする
  • 縁の部分を削り滑らかにする (面取り加工)
  • 表面を削って滑らかにする (表面加工)
  • 木の膨潤収縮効果によってでこぼこするのを防ぐ (しゃくり加工・さね加工)
  • 圧着接着などにより家具製品などを組み立てたり、圧力をかけて強度・硬度を上げたりする (プレス加工・圧密加工)
  • 製品に色を付ける・表面を保護する目的で塗装を行う (塗装加工)

などがあります。

木材は、そのままの板材では反りやたわみを生じたり、表面にささくれなどが生じるため、製品としての組み立て以外にも、様々な加工を施すことが必要です。

木工加工の種類

1. 面取り加工

面取り加工とは、木材の縁の部分を滑らかにする加工です。カットしたままの木材の断面はカット時の刃物のあとや焦げが残り、角も鋭利となっているため、怪我を防ぐために角を丸める必要があります。その他、デザインの上では、アールをつけたり、斜めにカットするなどの装飾的役割があります。

紙ヤスリや木工カンナでも簡単に面取りを行うことができますが、アール加工などの曲線的な場合には、電動トリマーなどの工具が使用される加工です。

2. 表面加工

表面加工とは、木材の表面を滑らかにする加工です。製材したての木材は、表面が毛羽立っており、ザラザラしています。カンナやヤスリで表面を滑らかにしていきます。

また、板材の木目や質感を活かす表面加工には、帯鋸仕上げ、丸カンナ仕上げ、うづくりなどがあります。帯鋸仕上げとは、木材を丸太から製材する時に使用した帯鋸の切断跡を生かした加工であり、丸カンナ仕上げでは木目に対して直角方向にカンナ掛けすることで横から見ると波模様に見える仕上げです。

3. しゃくり加工・さね加工

木材は吸放湿性材料のため、空気の乾燥によって木が収縮したり、反対に湿気によって膨張したりします。フローリング材など複数の板を組み合わせる製材では、湿度の変化による膨潤収縮効果によって、でこぼこやたわみが現れることがあります。

しゃくり加工・さね加工は、これを防ぐために行われる加工です。「しゃくる」とは「抉る」という意味であり、木を切り欠いて別の部材が納まりやすくすることであり、「さね」とは木の実の中心にある硬いところを指す言葉であることから、板の中心に設ける突起部のことを指しています。これらの板同士がすっぽりと嵌まるように加工することで、平坦で均一的な仕上がりを実現します。

4. ルーター加工・レーザー加工

木材をカットするための加工には、ルーター加工やレーザー加工があります。

ルーター加工で使用されるNCルーターとは、木材を一定の深さにくり抜くための工作機械です。デザインや意匠を施す加工や、彫刻や3D加工などを行うことができます。

レーザー加工とは、レーザー光線を照射してレーザーの熱エネルギーで木材をカットしたり形状を整えたりする加工方法です。レーザーの出力や照射時間を調整すれば、木材のカットはもちろん表面に細かなデザインを施すことも可能です。