スラリー密度計とは
スラリー密度計は、液体と固体が混合した状態であるスラリーの密度をリアルタイムに測定する装置です。
スラリーは、鉱業・化学工業・食品・製紙・上下水処理など幅広い分野で取り扱われています。しかしその性質上、流体の粘度や濃度が一定ではなく、プロセス制御や品質管理を行う上で正確な密度の測定が欠かせません。手作業による従来のサンプリングと分析では時間と労力がかかり、さらに変化の激しいスラリー特性の正確な把握が難しいため、オンライン計測が現場でできるスラリー密度計が重要な役割を果たしています。配管ラインに直接取り付けて連続測定できる製品が主流です。非接触で測定できる製品や耐摩耗性に優れている製品も開発されており、過酷な環境においても安定したデータを提供できるのが特徴です。
スラリー密度計の使用用途
スラリー密度計は、液体中に含まれる固形分の割合をリアルタイムで測定できる計測機器であり、幅広い産業分野で利用されています。
1. 建設・土木分野
建設現場では、地盤改良やトンネル工事などでセメントミルクやベントナイトスラリーが用いられます。スラリー密度計は、これらの混合液の濃度管理に活用され、固形分が不足すれば強度不足、過剰であれば施工不良につながるため品質確保に欠かせません。また排泥処理においても、水分と固形分の比率を把握することで効率的な処理が可能となります。
2. 鉱業・資源分野
鉱石の採掘や鉱物処理工程では、鉱石を粉砕しスラリー状にして運搬や分離を行います。このときの密度管理は、生産効率や回収率に直結します。スラリー密度計を導入することで、固体濃度の変動を抑え、安定した鉱石処理が可能になります。
3. 化学・製造業分野
化学プラントでは、触媒や顔料、フィラーなどの懸濁液を扱う工程があり、その濃度管理は製品の品質を左右します。スラリー密度計により連続的にモニタリングすることで、製造条件を最適化し、不良品の発生を防ぐとともに、原料ロスの削減にもつながります。