PEEK樹脂についての概要、用途、原理などをご説明します。また、PEEK樹脂のメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。PEEK樹脂関連企業の2024年3月注目ランキングは1位:三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ株式会社、2位:石原ケミカル株式会社、3位:ビクトレックスジャパン株式会社となっています。
PEEK樹脂とは、ポリエーテルエーテルケトン (英: Poly Ether Ether Ketone) という名称のエンジニアリングプラスチックを超えるスーパー・エンジニアリングプラスチックです。
エンジニアリングプラスチック (英: Engineering plastic) は、通常のプラスチックと比較して機械的性能に優れているプラスチックです。具体的には100℃以上の環境に長時間曝されても、49MPa以上の引っ張り強度と2.5GPa以上の曲げ弾性率を保つプラスチックが、該当します。エンジニアリングプラスチックはエンプラとも言われます。
スーパー・エンジニアリングプラスチックはスパーエンプラとも言われ、プラスチックの中でも特に機能性が高く、最上級のプラスチックとして金属の代わりなど、特殊な用途にも使用されます。さらに、この中でも最高の機械性能を持つと言われているものがPEEK樹脂です。PEEK樹脂は使用可能温度が250℃以上と高いことをはじめ、耐薬品性、難燃性、力学的特性、絶縁性などにも優れています。
PEEK樹脂は、英国のICI社 (現: Victrex社) によって1978年に開発され、現在でも様々な企業や研究機関で開発が進められています。
PEEK樹脂は優れた機械性能を持つことに加えて、加工のしやすさも持ち合わせています。PEEK樹脂は熱可塑性樹脂の一種であり、加熱すると柔らかくなり冷めると固まるため、加圧整形や射出成型など金型を使った加工整形がしやすいのも特徴です。
その一方で、機械的強度が強いがゆえに切削加工や切断加工が非常にしにくいという欠点があります。そこで、PEEK樹脂を使って作るのに適した部品は、熱可塑性を利用した加工によって作られる部品となります。
自動車製造では、金属部品の一部をPEEK樹脂で置き換えることで、製造コストの削減と共に、自動車の軽量化を実現しています。自動車の軽量化は燃費の向上にも寄与しますので、今後もPEEK樹脂への置き換えは進むものと思われます。
半導体製造工程では、非常に高い清浄度を保ったクリーンルームの中で、製造や検査、洗浄工程が繰り返し進められます。その中でウエハをハンドリングする様々な機械や治具は、ウエハを傷つけたり破損したりせず、尚且つ汚さずに取り扱わなければなりません。PEEK樹脂は高い強度に加え、発塵の心配も少ないので、これらの機械や治具にも使われています。
医療の分野では、注射針や義歯などにも使用されています。その他、電子部品やプリント基板、食器など、幅広い分野で使用されています。
ハイテク分野では、PEEK樹脂を使って造形が可能な3Dプリンターが市販されるようになりました。ノズルの温度を約500度まで上げることができ、チャンバー内の温度を約300℃に保てる3Dプリンターができてきたことで、PEEK樹脂を使った造詣が可能になりました。
ベンゼン環が、エーテルおよびケトンと結合して直鎖状ポリマー構造を持ったポリマーの総称のことを、芳香族ポリエーテルケトンと言います。このうち、エーテル結合とケトン結合が、エーテル・エーテル・ケトンの順に配置されているものがPEEK樹脂です。
PEEK樹脂の製造方法はいくつかありますが、現在のところ工業的に行われているのは求核置換反応法と求電子置換反応法の2種類です。製造されたPEEK樹脂には、様々な物質を配合させて特性の異なるPEEK樹脂が作られています。それをナチュラル・グレード、プラスチック強化グレードなどとグレード分けがされて、ペレット、ペーストまたはパウダーの形で販売されています。
PEEK樹脂は極めて優れた特性を持った樹脂です。そのため、製造各社では様々な添加物を配合して、ある面にさらに優れた特性を持たせたPEEK樹脂を製品化しています。これらのPEEK樹脂は、グレード名を付けて分類されています。主なグレードには、基本グレードの他、強化グレード、摺動グレード、導電グレードなどがあります。
基本グレードは、その名の通り基本となる素のグレードです。基本グレードでも耐熱性や耐薬品性は特に優れています。PEEK樹脂を溶解することができる市販の化学薬品は濃硫酸だけとも言われています。
強化グレードにはガラス繊維強化グレードや炭素繊維強化グレードがあります。ガラス繊維強化グレードは、基本グレードと比較して、寸法安定性と剛性などが強化されています。炭素繊維強化グレードは、基本グレードと比較して、熱伝導率が高く、摩擦時に発生する熱を早く放出できます。
摺動グレードは、基本グレードと比較して摺動性と耐摩耗性が強化されています。添加物としてガラス繊維、グラファイト、そしてテフロンとしてデュポン社から販売されているPTFE (英: polytetrafluoroethylene) などを配合しています。
導電グレードは、炭素繊維などを配合して導電性を高めたグレードです。静電気破壊が心配される電子部品などで使用されています。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年3月の注目ランキングベスト6
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ株式会社 |
38.6%
|
2 | 石原ケミカル株式会社 |
23.8%
|
3 | ビクトレックスジャパン株式会社 |
13.9%
|
4 | ポリプラ・エボニック株式会社 |
7.9%
|
5 | 株式会社コテック |
7.9%
|
6 | 株式会社KDA |
7.9%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2024年3月のPEEK樹脂ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
7 点の製品がみつかりました
株式会社田中三次郎商店
90人以上が見ています
■概要 耐熱、及び耐薬品性に優れており、生分解可能な化合物であるため、廃棄時も環境に優しい素材です。 (目開き:35~1,000μ) ■特徴 ...
7種類の品番
Metoreeに登録されているPEEK樹脂が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
カタログを企業ごとに探す
カタログを種類ごとに探す
PEEK製 (+)なべ小ねじ/キャップスクリューは、耐熱性・耐摩耗性、耐薬品性など複数の項目で高い性能を誇り様々な環境下で採用されている高機能性樹脂です。特...
2023年11月16日
NACのエンジニアプラスチックは1983年のポリアセタール樹脂の製造から始まり、以来、次々にバリエーションを広げて参りました。1999年にはNMCナイロン新工場...
2023年8月2日
CNTとPEEK樹脂を複合化し、優れた特徴を有するFilm成形、押出成形、射出成形が可能な材料。◆強度UP/伸びUP◆衝撃強度UP◆帯電防止特性の均一性UP帯電防止能を要...
2023年3月22日