水系架橋剤についての概要、用途、原理などをご説明します。また、水系架橋剤のメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。水系架橋剤関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:株式会社日本触媒、2位:ダイセル・オルネクス株式会社、3位:株式会社レゾナックとなっています。
水系架橋剤は、水溶性の架橋剤を指します。架橋剤は、主に塗料などに添加し、ポリマー同士を連結することにより、物理的ないし化学的性質を変化させる化学物質のことを指します。
一般に塗料は、溶剤揮発による物理的な乾燥や化学的な硬化によって成膜します。ここに架橋剤を添加することで、塗膜を三次元の網目化することができます。
すると、比較的低分子量の樹脂を活用することが可能となり、低粘度で高固形分の塗料が獲得でき、作業性も向上します。
そのほかにも乾燥や硬化時間の短縮、強靭な耐薬品性の獲得、耐久性の向上などが利点として挙げられます。
昨今、地球温暖化や大気汚染、水質汚染などのさまざまな環境問題に対応するために環境保護に対する規制が推進されており、その対応が取り組まれています。
その取り組みとして、HAPs(Hazardous Air Pollutants)規制による有機溶剤排出規制やPRTRおよびISO14000の普及による溶剤の削減などが挙げられ、水系樹脂への移行が望まれています。
地球規模での環境問題に取り組むためにも塗料やコーティング、接着剤、インキのように有機溶剤を希釈剤として使用し、揮発することによって商品機能を発現させてきた産業界にとっては、希釈剤のVOC(Volatile Organic Compounds)を削減することが大きな課題になっています。
水系架橋剤には、多くの架橋剤がありますが、一例として反応型水系ウレタン樹脂などが挙げられます。反応型水系ウレタン樹脂は、イソシアネート基をブロック剤で保護したウレタン樹脂に親水性を付与することで、自己乳化型もしくは強制的に乳化したものです。このブロック剤を解離することにより架橋剤として活用されています。
架橋剤には、多くの種類が開発されていますが、一般的には、多官能性や溶解性を有し、塗膜の硬さや柔軟性、耐熱性、耐候性といった種々の塗膜性能を向上させることが求められます。さらに、着色や臭気、揮発性、毒性がないことが挙げられ、安価であることも求められます。
また、実務においては、架橋剤の使用方法が1液型なのか、もしくは2液型なのかといったことも非常に重要になります。
例えば常温の架橋技術として、2液型の水系ウレタン樹脂は、コーティング剤や接着用途などで活用されていますが、常温架橋剤として使用する場合には、低温の架橋性や架橋率および反応率の低さが問題になります。
そのなかでもアジリジン架橋剤は、常温架橋特性に優れたものとして挙げられますが、アジリジンは、変異原性を示すため、注意が必要です。
一方で、1液型の水系ウレタン樹脂は、2液型と同じような用途に使用されていますが、常温架橋の方法として、ダイアセトンアクリルアミド(DAAM)とヒドラジド基を有する架橋剤であるアジピン酸ジヒドラジド(ADH)との反応があります。この反応は、脱水とともにADHの両側の末端にDAAMのケトン性カルボニル基が結合して、常温環境下において自己架橋します。
架橋剤には、1液型焼付塗料によく使用されるメラミン樹脂や低温焼付用として使用されるポリイソシアネートなどがあります。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト9
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社日本触媒 |
14.6%
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2 | ダイセル・オルネクス株式会社 |
13.8%
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3 | 株式会社レゾナック |
13.0%
|
4 | 株式会社GSIクレオス |
12.2%
|
5 | DIC株式会社 |
10.6%
|
6 | 明成化学工業株式会社 |
8.9%
|
7 | 共栄社化学株式会社 |
8.9%
|
8 | 東亞合成株式会社 |
8.9%
|
9 | 三菱ケミカル株式会社 |
8.9%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月の水系架橋剤ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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