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酢酸アンモニウムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、酢酸アンモニウムのメーカー16社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。酢酸アンモニウム関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:ミテジマ化学株式会社となっています。
図1. 酢酸アンモニウムの基本情報
酢酸アンモニウム (Ammonium acetate) とは、示性式CH3COONH4で表される有機アンモニウム塩の1種です。
別名、エタン酸アンモニウムとも呼ばれます。CAS登録番号は631-61-8です。分子量 77.08、融点は112℃であり、常温では白または無色の結晶体です。
水に極めて溶けやすく、エタノールに溶けやすい性質があります。水への溶解度は、(148g/100g, 4℃) です。弱いアンモニア臭と酢酸の臭いをもち、潮解性があります。密度は1.17 g/mL、酸解離定数pKaは9.9です。
危険物等には当たらない化学物質であり、毒物及び劇物取締法、消防法、及び、労働安全衛生法などの法規には、特に指定を受けてはいない物質です。
酢酸アンモニウムは、各種試薬や有機合成緩衝剤、酵母培養用薬品、脱硫触媒、食品 (肉) の保存剤などの用途があります。
分析分野では、試薬や緩衝剤として用いられることが多い物質です。例えば、鉄や銅の抽出比色定量における緩衝剤や、HPLCなどの分析における添加剤などとして使用されています。
また、合成原料としては、各種薬品や抗生物質をはじめとする、医薬品の原料としても利用されている物質です。さらに、工業的な用途では、コンデンサ用薬品や写真用薬品、金属表面処理剤、メッキ薬剤、ビニル樹脂の製造、染色用pH調整剤などの用途があり、幅広く利用されています。
酢酸アンモニウムは、弱酸と弱塩基の塩であるという特質から、強い緩衝性をもちます。しばしば緩衝液を作るために、利用される物質です。生分解性の除氷剤に使われることもあります。
酢酸アンモニウムを空気中に放置すると、吸湿性があるため空気中の水分を取り込みます。保管に際しては、高温と直射日光、湿気を避け、強酸化剤との接触を避けることが必要です。
想定される有害な分解生成物は、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物ですが、通常の保管条件では安定な化合物であると言えます。
酢酸アンモニウムは、主に研究開発用試薬製品や、工業用薬品として販売されている物質です。研究開発用試薬製品では、25g , 500g , 20kgなどの容量の種類があります。室温で保存可能な試薬製品として取り扱われ、試薬製品の中では比較的大容量で販売されている物質です。
用途も有機合成原料を始め、HPLCやMSなどの分析用緩衝液の調製、生化学分野における核酸のエタノール沈殿など幅広いです。試薬製品の中には、純物質だけでなく、10M bufferなどとして最初からバッファーとして調製されているものもあります。
工業用では、1kgや20kgなどの容量規格での販売があります。通常、紙袋などの荷姿で販売されており、様々な産業分野に広く供給されている物質です。
図2. 酢酸アンモニウムの合成
酢酸アンモニウムは、氷酢酸をアンモニアまたは炭酸アンモニウムと中和反応させることによって合成されています。
図3. 酢酸アンモニウムの化学反応
酢酸アンモニウムは、クネーフェナーゲル縮合 (Knoevenagel condensation) の触媒として用いられることが知られています。この反応は、活性メチレン化合物 (E−CH2−E') を、アルデヒドまたはケトンと縮合させてアルケンを得る手法です。
酢酸アンモニウムは、この反応において、活性メチレン化合物からカルバニオンを発生させる、反応初期の段階に関わっています。また、酢酸アンモニウムは加熱を進めると、アセトアミドと水に分解します。アセトアミドは、加水分解によって酢酸とアンモニアに変換され、脱水によってアセトニトリルを生じる物質です。
参考文献
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907001446719609
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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