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三酸化クロムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、三酸化クロムのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。三酸化クロム関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
三酸化クロム (英: Chromium trioxide) とは、無臭の暗い赤紫色から暗赤色の結晶性固体です。
三酸化クロムの化学式はCrO3、分子量は99.99、CAS登録番号は1333-82-0で表される無機化合物で、酸化クロム (VI) とも呼ばれています。
強い毒性、腐食性、発がん性を持ち、三酸化クロムの構成原子であるクロムは、六価クロムであり環境破壊を引き起こす物質であることで知られています。
主にクロムめっき用の工業原料として使用され、カドミウムや亜鉛、その他の金属と反応させ、耐腐食性のクロム保護膜を形成する方法がよく用いられます。
また、赤外域に透過波長域を持つという特徴があり、光学系材料として、吸収膜、エレクトロクロミック用途などに使われます。光学特性 (屈折率、透過率) は基板の温度によって、強い影響を受けます。三酸化クロムの膜質は丈夫で、耐腐蝕、酸化防止、耐磨耗性、密着力を付与するためにも使用可能です。
三酸化クロムの融点は197℃、沸点 (分解) は250℃、密度は2.70g/cm3です。三酸化クロムは高温で分解して酸素を遊離し、最終的にCr2O3を生成可能です (4CrO3 → 2Cr2O3+3O2)。
水には極めて溶けやすく、水溶液は酸性を示します。強力な酸化剤である三酸化クロムは、アルコールなどの有機材料に接触すると点火します。
三酸化クロムは固体状態では、頂点を共有する四面体配位のクロム原子が鎖状に並んだ構造をしています。
各クロム中心は1つの酸素原子を隣のクロムと共有していますが、3つの酸素原子は共有されておらず、全体的な化学量論は1:3です。三酸化クロム単量体の構造は、密度汎関数理論を用いて計算されており、平面 (点群D3h) ではなくピラミッド型 (点群C3v) であると予測されています。
三酸化クロムは、クロム酸ナトリウムか二クロム酸ナトリウムを硫酸と反応させることによって得られます。
H2SO4 + Na2Cr2O7 → 2CrO3 + Na2SO4 + H2O
この製法で工業的には毎年数百万kg生産されています。
有機合成では酸化剤として用いられますが、多くの場合酢酸の溶液として、ジョーンズ酸化の場合はアセトンに溶かして使用されます。これらの酸化において、Cr(VI)は第一級アルコールを対応するカルボン酸に、第二級アルコールをケトンに変換します。
4CrO3 + 3RCH2OH + 12H+ → 3RCOOH + 4Cr3+ + 9H2O
2CrO3 + 3R2CHOH + 6H+ → 3R2C = O + 2Cr3+ + 6H2O
国内法規上において、毒物及び劇物取締法では「劇物、包装等級2」、消防法では「危険物第一類 クロムの酸化物、危険等級Ⅰ」に該当します。
労働安全衛生法では「名称等を表示・通知すべき危険有害物」および「リスクアセスメントを実施すべき危険有害物」に該当し、化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) では「第1種指定化学物質」に、労働基準法では「疾病化学物質」に指定されているので、取り扱いには注意が必要です。
取扱い及び保管上の注意は、下記の通りです。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/1333-82-0.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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