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フェネチルアミンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、フェネチルアミンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. フェネチルアミン (2-フェニルエチルアミン) と1-フェニルエチルアミン
フェネチルアミン (Phenethylamine) とは、示性式C6H5(CH2)2NH2、化学式C8H11Nで表される有機化合物です。
アルカロイドに属すモノアミンの一種です。IUPAC命名則による名称は、2-フェニルエチルアミン (2-phenylethanamine) で、それ以外の名称には、β-フェニルエチルアミン、2-フェネチルアミンなどがあります。
CAS登録番号は64-04-0です。名称が酷似していますが、1-フェニルエチルアミン (別名α-フェニルエチルアミン、CAS登録番号 98-84-0) とは別の化合物であるため注意が必要です。
消防法では、「第4類引火性液体」「第三石油類非水溶性液体」に指定されています。
フェネチルアミンの主な使用用途は香料です。食品添加物として登録されています。様々な加工食品において香りの再現、風味の向上等の目的で添加されており、 欧米での使用例では、特に焼き菓子、ゼラチン・プリン類、肉製品、ソフト・キャンディー類、冷凍乳製品、清涼飲料等の加工食品です。
また、フェネチルアミンは、ヒトの脳において神経修飾物質や神経伝達物質として機能するとされます。モノアミン神経伝達物質と構造が類似するため、誘導体である置換フェネチルアミン類の多くは、薬理活性を持つことが知られています。
このため、フェネチルアミンの誘導体群は医薬品・薬物として用いられたり、医薬品の中間体原料として使用されたりしています。薬理活性のあるフェネチルアミンの誘導体として、医薬品では食欲低下薬 、気管支拡張薬、抗うつ薬など、違法薬物では覚醒剤、幻覚剤、エンパソーゲン・エンタコーゲンなどが挙げられます。
図2. フェネチルアミンの基本情報
フェネチルアミンは、分子量121.18、融点-60℃、沸点198℃であり、常温では無色から黄褐色の澄明の液体です。魚臭様臭気を呈し、pHは11.5 (4.3 g/L , 20℃)、 密度は0.962g/mL (20℃) です。
エタノール、ジエチルエーテル、及びアセトンに極めて溶けやすく、水にも溶解します。引火点は90℃ (タグ密閉式)であり、引火性の高い液体および蒸気として扱う必要があります。
また、空気にさらすと二酸化炭素 (CO2) と反応して、炭酸塩を形成することが知られています。
フェネチルアミンは、一般的には研究開発用/試験研究用の試薬製品として販売されています。容量の種類には25mL , 50mL , 100mL , 500mLなどがあります。安定な化合物のため、室温保管可能な試薬製品です。
前述の通り、消防法で規制を受ける物質であり、法令を遵守した取り扱いが必要とされます。また、塩酸塩は固体であることから、扱いやすさの上で塩酸塩が使用される場合もあります。こちらも試薬製品として一般的に販売されている薬品です。
図3. フェネチルアミンの誘導体
フェネチルアミン誘導体として、フェニル基、側鎖、アミノ基に化学的修飾を受けた様々な化合物が知られています。例えば、間接型アドレナリン受容体刺激作用のある薬物 (アメリカなどでは臨床適用がありますが、日本ではありません) であるアンフェタミンは、側鎖上にアミノ基に隣接する α-メチル基を有する誘導体です。
日本で薬物乱用に広く使用されているメタンフェタミンはアンフェタミンの窒素原子上にメチル基が置換した構造の誘導体です。フェニル基の3位と4位にヒドロキシ基を持つフェネチルアミン誘導体はカテコールアミンとして分類されており、経伝達物質のレボドパ、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどが該当します。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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