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シアナミドについての概要、用途、原理などをご説明します。また、シアナミドのメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
シアナミド (英: Cyanamide) とは、シアンのアミド化物です。
IUPAC名はシアナミド、別名として、シアンアミドやアミドシアノゲン (英: Amidocyanogen) 、シアノゲンアミド (英: Cyanogenamide) 、カルバモニトリル (英: Carbamonitrile) 、カルバミン酸ニトリル (英: Carbamic nitrile) などとも呼ばれます。
シアナミドは、アルコール依存症患者に対し、断酒や節酒のための酒量抑制剤として使用されます。アルコールを摂取すると、体内でアセトアルデヒド、酢酸へと順に分解されます。分解物のうち、アセトアルデヒドは顔面潮紅や悪心、めまい、頻脈、血圧低下など悪酔い症状を引き起こす有害物質です。
シアナミドは、アセトアルデヒドの分解を抑制するため、飲酒により、体内にアセトアルデヒドが分解されずに蓄積していきます。シアナミド服用後に少量でもアルコールを摂取すると、直ちに悪酔いの不快感をもたらします。この不快感により、服用者の飲酒欲求をなくし、断酒や節酒を促すことが可能です。効果は、服薬から5分後に表れ、12〜24時間ほど続きます。
吐き気や頭痛、倦怠感、不眠などが主な副作用です。皮膚・粘膜の障害や血液成分の異常、肝機能の低下など重い副作用が見られる場合は、直ちに医師に相談してください。
シアナミドのカルシウム塩は、農業分野で農薬や肥料として用いられます。殺虫・殺菌・除草作用を持つことに加え、散布されると徐々に尿素、最終的にアンモニア態窒素や硝酸態窒素へ変換され、農作物の肥料成分になります。
化学式はCH2N2で表され、分子量は42.04です。CAS番号は420-04-2で登録されています。シアナミドは融点45°C、沸点は260°Cで、密度1.282g/ml (20℃) 、常温で無色の結晶性固体です。
斜方晶や針状晶、板状結晶など、様々な結晶形を有します。141°Cに引火点を持ち、空気中の水分を吸収して溶けだす潮解性があります。水やアルコール、エーテルなど極性溶媒によく溶け、ベンゼンやシクロヘキサンなどの非極性溶媒にはあまり溶けません。
酸解離定数 (pKa) は10.3 (25 °C) です。酸解離定数とは、酸の強さを定量的に表すための指標の1つです。pKaが小さいほど強い酸であることを示します。
シアナミドとカルボジイミドは互換異性体の関係にあります。カルボジイミドは仮想化合物であり、単離することはできません。塩基性溶液中では、シアナミドとカルボジイミドの反応により二量体のジシアンジアミドを生成します。
カルシウムシアナミドに水を作用させ、二酸化炭素を吹き込むとシアナミド水溶液が得られます。この水溶液に対し、硫酸を用いて中和し、その後濃縮することにより、針状結晶のシアナミドが生成します。
また、カルシウムシアナミドと酢酸の反応や塩化シアンとアンモニアの反応、チオ尿素と酸化水銀 (II) の反応などによっても合成可能です。水などの溶媒から、再結晶にて精製できます。
シアナミドは、以下の国内法令に指定されています。
取り扱い時の対策
強酸化剤は、シアナミドの混触危険物質です。取り扱いおよび保管の際、接触させないよう気を付けてください。直接皮膚に触れると炎症を起こすため、取り扱いには注意が必要です。使用の際は、長袖の保護衣とネオプレンの保護手袋、側面付きの保護メガネを必ず着用し、ドラフトチャンバ内で使用してください。
火災の場合
熱や火にさらすと軽度の発火の危険があり、また燃焼により一酸化炭素や二酸化炭素、窒素酸化物 (NOx) 、シアン化物などの有毒なフュームを生成することがあります。
小火災の場合は、二酸化炭素や粉末消火剤、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤を用いて消火してください。大火災の場合は、噴霧水や耐アルコール性泡消火剤を使用し、棒状注水は行わないでください。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0749.html
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0103-1523JGHEJP.pdf
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Cyanamide
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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