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しゅう酸二水和物についての概要、用途、原理などをご説明します。また、しゅう酸二水和物のメーカー18社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。しゅう酸二水和物関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:UBE株式会社、2位:東鉱商事株式会社、3位:林純薬工業株式会社となっています。
図1. しゅう酸二水和物の基本情報
しゅう酸二水和物 (Oxalic Acid Dihydrate)とは、C2H2O4·2H2Oで表される有機化合物です。
ジカルボン酸であるしゅう酸 (Oxalic Acid, C2H2O4) の水和物を指します。CAS番号は6153-56-6です。分子量126.07、融点104〜106℃であり、常温では白色の結晶または結晶性粉末です。水及びエタノールに溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくい化合物です。
しゅう酸は吸湿性があるため、湿気を含んだ空気中に放置することで二水和物の状態になります。また、水溶液からも二水和物が析出します。
しゅう酸二水和物の使用用途として、化学分野では主に試薬、金属表面処理剤、還元剤、医薬品の中間体原料が挙げられます。具体的な使用例は、持続性サルファ剤や、シュウ酸セリウム、アミノ酸製剤、α-ケト酸などの製造です。還元性があるため、還元滴定にも用いることができます。
また、食品添加物としても認められている化合物です。ただし、食品添加物として用いる場合は最終製品からしゅう酸を取り除くことが条件となっています。具体例は、水飴ぶどう糖の製造や、植物油の精製などです。
それ以外の用途には、染料原料や漂白剤などの用途があり、幅広く利用されています。
図2. 還元剤としてのしゅう酸二水和物
しゅう酸二水和物は、五酸化二リンを入れたデシケータ中に入れる、もしくは100℃ に加熱することにより無水物となります。カルボキシル基を2つ持つ2価のカルボン酸であり、水溶液中では電離して酸として作用する物質です。
酸解離定数pKaは 1.27、 4.27です。また、還元剤としての性質があるため、分析化学においては酸化還元滴定における一次標準物質として用いられます。
しゅう酸二水和物は、主に研究開発用試薬や工業用薬品などの製品があります。研究開発用試薬では、25g , 100g , 500g , 2.5kgなどの種類があり、実験室で取り扱いやすい容量で提供されています。室温保管可能な試薬製品です。
工業用薬品としては、20kgなどの工場で取り扱いやすい大型容量で販売されています。金属表面処理剤、医薬中間体原料などの用途が主流とされる製品です。
図3. しゅう酸二水和物の合成
しゅう酸は植物に多く含まれており、命名の由来にもなっています。工業的には、木片をアルカリ処理したのち、抽出することで製造されています。
しゅう酸は吸湿性を持ち、湿気を含んだ空気中に放置すると二水和物となる物質です。水溶液からも二水和物の状態で析出します。
代表的な合成方法は、以下の通りです。
しゅう酸には、カルシウムイオンと強く結合する性質 (劇性) があります。生体の血液中に入ると、カルシウムとシュウ酸塩を形成して生体が利用可能なカルシウムの量を減らしてしまい、血液の凝集凝固作用を阻害するとされます。また、過剰摂取は一部の結石の原因になると考えられている物質です。
ホウレン草や生姜など、一部の野菜にはしゅう酸が含まれていますが、水溶性であるため、調理で茹でると減少させることが可能です。また、カルシウムを同時に摂取するとシュウ酸がカルシウムと腸内で結合してシュウ酸塩となるため、体内に吸収されにくくなるとされています。
これらの作用のため、毒物及び劇物取締法では「劇物」に指定されており、労働安全衛生法では「名称等を表示すべき危険物及び有害物」に指定されている物質です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0115-0042JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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