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臭化銅についての概要、用途、原理などをご説明します。また、臭化銅のメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
臭化銅とは、わずかにうすい黄緑色またはうすい灰緑色をした結晶~粉末、塊の無機化合物です。
臭化銅は毒劇法で「劇物・包装等級3」、安衛法では「名称等を表示すべき危険物および有害物」「名称等を通知すべき危険物及び有害物」に指定されています。危規則で「有害性物質」、航空法で「その他の有害物質」、海洋汚染防止法で「海洋汚染物質 (PおよびPP物質) 」、水濁法では「指定物質」、大気汚染防止法で「有害大気汚染物質」にも指定されています。
臭化銅は主に、合成原料や触媒として利用されています。最近注目されているのは、太陽光発電に使用される太陽電池です。クリーンエネルギーの一つであり、利用できる可能性も示唆されています。
太陽光発電では、「エネルギー供給元の光をいかに効率よく吸収できるか」「その吸収したエネルギーをできるだけ多く電気に変えられるか」という変換効率がポイントです。臭化銅とその他の銅化合物との合成で得られる銅化合物が、この太陽電池の特性に寄与できるという実験結果が出ています。
臭化銅には、臭化銅 (I) と臭化銅 (II) が存在します。臭化銅 (I) は、化学式がCuBr、分子量が143.45、融点が504℃の反磁性の固体です。臭化銅 (I) は酸や塩基に溶け、水にわずかに溶けます。
臭化銅 (I) は銅 (II) の不純物のために、よく着色されていますが、純粋な臭化銅 (I) は無色です。なお、臭化銅のCAS登録番号は7787-70-4です。
臭化銅 (I) の構造は、硫化亜鉛と同様のポリマー構造です。すなわち臭化物イオンによって、四面体のCu中心が相互連結された特徴的な四配位のポリマー構造を取っています。そのため臭化銅 (I) は、ほとんどの溶媒には溶けません。
臭化銅 (I) をルイス塩基で処理すると、付加化合物に変わります。具体的にはジメチルスルフィドを用いると、無色の錯体であるCuBr (S(CH3)2) が形成します。CuBr (S(CH3)2) の銅は、線形ジオメトリで二配位です。
他のソフトな配位子を使用すると、臭化銅 (I) から関連した錯体を作ることも可能です。例えば、トリフェニルホスフィンは、複雑な構造を取るCuBr (P(C6H5)3) を与えます。
一般的に臭化銅 (I) は、臭化物の存在下で、亜硫酸塩によって銅 (II) 塩を還元することで合成されます。臭化水素酸に銅粉末を溶解させることで、塩化銅 (I) の合成と同じような方法でも合成可能です。
臭化銅 (I) は有機合成に広く用いられています。ザンドマイヤー反応 (英: Sandmeyer reaction) において臭化銅 (I) は、アニリン化合物を対応する臭化アリールへ変換できます。
また、CuBr(S(CH3)2) は、有機銅試薬の合成に広く用いられている錯体です。関連するCuBr錯体は、原子移動ラジカル重合 (英: Atom Transfer Radical Polymerization)や銅触媒クロス脱水素カップリング (英: Cross Dehydrogenative Coupling) などの触媒に使われています。
臭化銅 (II) は二臭化銅とも呼ばれる、深緑色の固体です。臭化銅(II)の化学式はCuBr2、分子量は223.37、融点は498℃です。主に臭化銅 (II) は、写真の現像や有機合成で臭化剤として使用されています。また臭化銅 (II) は、水、鉱酸、アセトン、エタノールなどに易溶です。
金属銅と臭素水の反応によって得た生成物を、真空中で乾燥することで、黒色の臭化銅 (II) の無水物の結晶を合成可能です。臭化銅(II)には二水和物や四水和物が知られていますが、容易に水を失います。
臭化銅 (II) は飲み込むと有害です。皮膚、目、呼吸器を刺激し、中枢神経系、脳、目、腎臓、肝臓などへ影響を及ぼします。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0103-1911JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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