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硫酸銀についての概要、用途、原理などをご説明します。また、硫酸銀のメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。硫酸銀関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:キシダ化学株式会社、2位:富士フイルム和光純薬株式会社、3位:長成商事株式会社となっています。
硫酸銀 (英: Silver(I) sulfate) とは、組成式Ag2SO4で表される1価の銀の硫酸塩です。
CAS登録番号は、10294-26-5です。しばしば、価数を明示して硫酸銀(I)と表記されます。硫酸銀は、毒物及び劇物取締法にて、劇物に指定されています。
不燃性ではありますが、強熱されることによって刺激性または毒性のガスが発生する恐れがあります。理論的には、硫酸銀(II)も存在しますが、現実にはほぼ存在しておらず、基本的には硫酸銀とは硫酸銀(I)のことを指します。
硫酸銀の主な使用用途は、銀メッキ材料、合成試薬 (銀の供給源) や触媒、写真、抗菌材料、染毛剤、着色剤などです。銀メッキは通常シアン化銀を用いて行われますが、毒性の強いシアン化物を使わない銀メッキ法として、硫酸銀が注目されています。また、金属の中で最もアレルギーを起こしにくい物質とされていることもあり、生活用品や医療用品などにも用いられています。
抗菌性があることから傷口に貼るための創傷被覆材や抗菌製品に使用されたり、光によって黒変する性質を利用してヘアカラーリング剤に使用されたりしています。
硫酸銀の反応触媒としての代表的な使用方法は、ポリスチレンをスルホン化する反応です。また、化学分析において、硫酸銀は化学的酸素要求量 (COD) の分析に用いられる物質です。
硫酸銀は塩素と反応して塩化銀を生成する性質があるため、COD分析時に硫酸銀を添加することによって、測定の妨害要素となる塩素イオンが除去されます。これにより、反応を促進させる触媒効果を得ることが可能です。
図1. 硫酸銀の基本情報
硫酸銀は、分子量311.799、融点652℃、沸点1,085℃ (分解) であり、常温での外観は白色または無色の、結晶状もしくは結晶性粉末です。密度は5.45g/mLです。硝酸、硫酸、アンモニア水には溶けますが、水には溶けにくい性質です (水への溶解度: 0.796g/100mL) 。
結晶は、斜方晶の無色結晶であり、面心立方格子構造となっています。
硫酸銀は貴金属化成品・工業用化成品や、研究開発用試薬製品として一般的に販売されています。
貴金属化成品としては、500g瓶や、5kg袋またはポリエチレン瓶などの単位で販売されています。想定されている主な用途は、試薬、触媒、着色剤、銀めっき用材料です。
研究開発用試薬製品は、25g、100g、500gなどの容量の種類が有ります。また、純物質以外に、硫酸溶液として販売されている場合もあります。通常、室温で保管可能な試薬製品です。
図2. 硫酸銀の合成
硫酸銀は、銀を熱濃硫酸に溶解させて、水で希釈することにより、結晶沈殿として得られます。この反応における副生成物は二酸化硫黄と水です。
それ以外の方法では、硝酸銀(I)水溶液に、希硫酸もしくは硫酸塩水溶液を加えることによって、結晶が沈殿として生成します。この方法は、水性沈殿法と呼ばれており、商業的製造にも用いられる方法です。硫化銀(I)を空気中、1085℃以下で焼成する方法でも合成が可能です。
図3. 硫酸銀の溶解
硫酸銀は、光によって分解されると黒色に変化します。ただし、普通に保管したり取り扱う分には安定な物質として位置づけられています。
硫酸あるいは硝酸では硫酸水素塩を生じ、アンモニア水にはアンミン錯体を形成して溶解します。尚、この硫酸との反応は可逆的であり、加水分解によって硫酸水素銀は硫酸銀に戻ります。
硫酸銀は毒物及び劇物取締法において、劇物として指定されています。取り扱いの際は、法令を遵守して正しく取り扱うことが必要です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0119-0092JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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1 | キシダ化学株式会社 |
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