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トリエチルアミンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、トリエチルアミンのメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。トリエチルアミン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:株式会社ダイセル、2位:純正化学株式会社、3位:中央化成品株式会社となっています。
京都大学理学部、理学研究科卒業、修士(化学)。2013年4月より東証一部上場の大手総合化学メーカーに入社。新規機能性高分子の解析、スケールアップ業務に携わる。2021年5月に別の大手メーカーに転職。現在に至る。専門は分析化学、物理化学、高分子化学、高分子の成形加工。 https
図1. トリエチルアミンの概要
トリエチルアミンは窒素に3つのエチル基(C2H5)が結合した第三級アミンで、強いアンモニア臭のある無色透明の液体です。化学式は (C2H5)3N で表され、一般に「TEA」と略されます。
トリエチルアミンはエタノールやアセトンなどの汎用的な有機溶媒に溶解しやすい強塩基であり、工業用および実験用としてさまざまな用途に使用されています。
また、医薬品や染料中間体などの分野を中心に、工業的にも幅広く使われています。
一方で、トリエチルアミンは悪臭を持つほか、皮膚、眼に対する刺激性が高いうえ、危険物第4類 第一石油類に該当する引火性液体でもあります。そのため、取り扱い時は漏洩、人体への接触がないこと、火災や爆発を引き起こさぬよう安全対策が求められます。
トリエチルアミンは第三級アミンの一種で、アセトンやトルエン、クロロホルムなどの幅広い有機溶媒に可溶な塩基であるため、合成反応で広く用いられています。
工業的には医薬品や染料の中間体、ポリマー合成、農薬などに用いられているほか、フェノール樹脂とイソシアネート樹脂のガス硬化反応(コールドボックス法)における触媒として使用されることもあります。
食品業界においてトリエチルアミンはスルメイカや魚類の中にも存在していたり、欧米では肉製品や冷凍乳製品類などの風味向上などの目的で添加されたりしています。
トリエチルアミンは水、エタノール、およびほとんどの有機溶媒に非常によく溶けます。沸点は89℃、融点は-114.7℃、20℃における密度は0.726g/mLです。トリエチルアミンは強い刺激臭があり、しばしばアンモニアや魚の臭いに似ていると表現されます。
その化学的特性は、主に窒素原子に2個の水素原子が結合したアミン官能基の存在に起因しています。窒素原子上の電子が1対であるため、トリエチルアミンは強い塩基性を示します。
また、トリエチルアミンは強い求核剤であることが知られており、電子対を供与して求電子剤と新たな化学結合を形成します。このため、トリエチルアミンは有機合成の試薬として幅広く使用されています。
トリエチルアミンの毒性は高くはありませんが、大量に摂取したり吸い込んだりすると有害な場合があります。また、トリエチルアミンは可燃性であるため、取り扱いに注意が必要です。
トリエチルアミンは3級アミンであり、窒素原子(-N)に結合した3つのエチル基(-C2H5)を持っています。
窒素原子は電子の単独対を持っており、これがトリエチルアミンの性質特徴づけています。窒素原子がプロトン(H+)を受け入れて正電荷のアンモニウムイオン(C2H5)3NH+を形成することができるため、トリエチルアミンは強塩基性を示します。
トリエチルアミンは皮膚、眼に対する腐食性を示すほか、特定標的臓器毒性(単回ばく露)の中枢神経系で区分1に分類されています。また前述の通り、アンモニアや腐った魚のような強い不快臭を発する物質です。したがってトリエチルアミンを使用する際は保護具を着用するのはもちろんのこと、漏洩対策も確実に行う必要があります。
またトリエチルアミンは消防法の第4類 第一石油類に該当するほか、労働安全衛生法のリスクアセスメント対象物質、PRTR法の第1種指定化学物質に該当しています。トリエチルアミンを使用する前は作業の危険性を評価するとともに、廃棄手順も明確に定めておくことが推奨されます。
トリエチルアミンは、主にエチレン、アンモニア、エタノールを原料として生産されます。
このプロセスは以下の工程で進行します。
①中間体(エチレンジアミン)の合成
エチレンとアンモニアを、温度約200~250℃、圧力約1~5MPaの条件で混合します。この混合物をアルミナやシリカアルミナといった触媒上に通すと、エチレンジアミンが生成します。
H2C=CH2 + NH3 → H2NCH2CH2NH2
②トリエチルアミン合成
エチレンジアミンを、ルイス酸などの別の触媒の存在下でエタノールと反応させることでトリエチルアミンが生成します。
H2NCH2CH2NH2 + 2 C2H5OH → (C2H5)3N + H2O + C2H4
その後、蒸留または抽出によって、反応混合物からTEAを分離することが可能です。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/121-44-8.html
https://www.env.go.jp/chemi/report/h19-03/pdf/chpt1/1-2-2-12.pdf
https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_tenkabutu_trimeth_220107.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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