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ジフェニルアミンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジフェニルアミンのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ジフェニルアミン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:キシダ化学株式会社、2位:メルク株式会社、3位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
ジフェニルアミンとは、構造式(C6H5)2NHで表される有機化合物です。
2つのフェニル基を持つ二級アミンであり、芳香族アミンの1種に分類されます。別名には、N-フェニルベンゼンアミン
N-フェニルアニリン、DPA、アニリノベンゼン、(フェニルアミノ)ベンゼン、N,N-ジフェノルアミンなどの名称があります。CAS登録番号は、122-39-4です。
ジフェニルアミンの主な使用用途は、硝酸塩の検出試薬、各種有機合成原料・中間体、火薬・塩素系溶剤の安定剤などです。特に、硝酸塩の検出は硝煙反応として知られています。また、DNAの抽出にも使われる物質です。
合成原料としては、 医薬・染料・有機ゴム薬品や、重合禁止剤であるフェノチアジンなどの合成中間体・原料物質として使用されます。また、有機ゴム薬品の老化防止剤 (N-(1,3)-ジメチルブチル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンなど) の合成原料でもあります。染料では、酸性および硫化系およびセリトン染料に用いられる物質です。
図1. ジフェニルアミンの基本情報
ジフェニルアミンは、分子式 C12H11N、分子量169.23、融点53℃、沸点302℃であり、常温では芳香を持つ白色または黄色の結晶固体です。密度は1.15g/mL、酸解離定数pKaは0.78です。水には不溶ですが、エタノール、アセトン、ベンゼン、四塩化炭素、ピリジン、酢酸エチルに容易に溶けます。
それ以外には、エーテル、酢酸に可溶であり、クロロホルムにわずかに溶けます。
ジフェニルアミンは、主に研究開発用試薬製品や工業用化学薬品として販売されている物質です。研究開発用試薬としては、25g、100g、500g、100mLなどの容量の種類があります。通常、冷蔵保管が必要な試薬製品です。
工業用化学製品としては、20kg紙袋などの容量の単位で販売されます。用途としては、染料中間体、ニトロセルロースやセルロイドなどの安定が想定されています。
ジフェニルアミンは、アニリン塩酸塩とアニリンを加圧、加熱することで得られます。また、酸化物触媒存在下におけるアニリンの脱アミノ化反応でも合成可能です。
図2. ディッシュ反応
ジフェニルアミンは、化学反応によって様々な色に呈色する物質です。濃硫酸溶液にジフェニルアミンと硝酸イオンまたは亜硝酸イオンを加える反応では濃青色に呈色します。この反応はルンゲ試験と呼ばれ、ルンゲ試験はこれらのイオンを検出するために用いられます。
また、2-デオキシペントースとジフェニルアミンの反応はディッシュ反応と呼ばれ、青色に呈色します。ディッシュ反応はDNAの定量分析に用いられています。
図3. ジフェニルアミンの環化反応による生成物
ジフェニルアミンは弱い塩基であり塩基解離定数Kbは10−14です。強酸と反応して塩を生じ、例えば、硫酸との反応では白色もしくは淡黄色固体の [(C6H5)2NH2]+[HSO4]−を生じます。
また、ジフェニルアミンは容易に環化反応を起こす物質です。例えば、硫黄との反応ではフェノチアジンを生じ、ヨウ素との反応では脱水素化反応によりカルバゾールが生成します。
ジフェニルアミンは、重篤な眼の損傷、発がんの恐れ、生殖能又は胎児への悪影響の恐れ、中枢神経系・血液系の障害、呼吸器への刺激の恐れ、長期にわたる又は反復ばく露による血液系、腎臓の障害の恐れなどの有害性が指摘されている物質です。
労働安全衛生法では、名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物として指定されています。取り扱いの際は、適切な保護具を使用し、法令を遵守した正しい取り扱いを行うことが必要です。
また、可燃性の物質であるため消防法では、指定可燃物、可燃性固体類に指定されています。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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