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ジクロロエチレンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジクロロエチレンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ジクロロエチレン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:大陽日酸株式会社、2位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
図1. ジクロロエチレンの異性体
ジクロロエチレン (英: Dichloroethene, DCE) とは、化学式C2H2Cl2で表され、分子内に1つ二重結合を有する有機塩素化合物です。
塩素の結合位置により、「1,1-ジクロロエチレン」および「1,2-ジクロロエチレン」の2つの構造異性体があり、1,2-ジクロロエチレンには更にE体とZ体の2つの幾何異性体があります。CAS登録番号は、順に、75-35-4 (1,1-ジクロロエチレン) 、156-59-2 (1,2-ジクロロエチレン、Z体) 、156-60-5 (1,2-ジクロロエチレン、E体) 、540-59-0 (1,2-ジクロロエチレン、混合物) です。
1,1-ジクロロエチレン (1,1-DCE) は、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどのポリマーを合成する際にコモノマーとして加えられる物質です。
主に各種合成原料として用いられ、家庭用ラップ、包装用フィルム、人工芝、漁網、塩化ビニリデンラテックス、難燃性繊維原料などの製造原料として利用されます。また、半導体工学では、純粋な二酸化ケイ素フィルムを製造するのに使われます。
1,2-ジクロロエチレン (1,2-DCE) は、主に他の塩素系溶剤の合成原料として使用されます。その他の使用用途は、樹脂、香料、染料の低温抽出溶剤、洗浄剤などです。
図2. 1,1-ジクロロエチレンの基本情報
1,1-ジクロロエチレン (1,1-DCE) は、分子量96.94、融点-122℃、沸点32℃であり、常温においてはクロロホルム臭のする無色液体です。密度は1.221g/mL (20℃) であり、アルコール、炭化水素、エーテルに容易に溶解します。水へは難溶であり、溶解度は、2,420mg/Lです。
図3. 1,2-ジクロロエチレンの基本情報
1,2-ジクロロエチレン (1,2-DCE) は、E体 (トランス型) 及びZ体 (シス型) の幾何異性体があります。どちらも常温において無色の刺激臭のある液体ですが、融点はZ体が-81.5℃、E体が-49.4℃、沸点はZ体が60℃、E体が47.2℃です。密度はZ体が1.28g/mL、E体が1.26g/mLです。
ジクロロエチレンは、主に研究開発用試薬製品として販売されています。前述の通り、異性体に1,1-ジクロロエチレンや1,2-ジクロロエチレンがありますが、どちらも販売されています。容量の種類は、5g、25g、100g、500mLなどです。
また、重水素標識された1,1-ジクロロエチレン-d2も販売されています。重溶媒としてNMR分析の際に用いられる物質です。
1,1-ジクロロエチレンは、引火点が-28℃と低く、引火性が極めて高い物質です。また、人体にとっても有害性の高い物質であり、吸入により中枢神経系に影響をおよぼします。特に、高濃度では鎮静、酩酊、痙攣、昏睡などの症状が出ます。
このため、1,1-ジクロロエチレンは各種法令による規制のある物質です。消防法においては、「第4類引火性液体」「特殊引火物」に指定されています。また、労働安全衛生法では、「危険物・引火性の物」「有害物ばく露作業報告対象物、名称等を通知すべき危険物及び有害物」に指定されています。
1,2-ジクロロエチレンは、引火点は6℃であり、引火性のある物質です。また、人体へは麻酔作用があり、高濃度では嘔吐を催すなど、中枢神経への影響が報告されています。
これらの性質により、消防法においては、「第4類引火性液体」「第一石油類 (非水溶性液体) 」に指定されています。労働安全衛生法においては、「名称等を通知すべき有害物」「危険物・引火性の物」「第1種有機溶剤等」です。また、化学物質排出把握管理促進法においても、「第一種指定化学物質」に指定されています。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0128.html
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/75-35-4.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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