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アゾベンゼンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、アゾベンゼンのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。アゾベンゼン関連企業の2024年12月注目ランキングは1位:メルク株式会社、2位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
アゾベンゼン (Azobenzene) とは、窒素と窒素の二重結合であるアゾ基(-N=N-)に2個のベンゼン環が結合した構造を有する有機化合物です。
IUPAC命名法はジフェニルジアゼンになります。アゾベンゼンは常温では固体です。水には難溶で、ベンゼンやアルコールなどの有機溶媒に可溶です。
アゾベンゼンはアゾ基が発色団として働くため、古くから顔料や染料として用いられてきました。多種多様な分子設計が可能で、多彩な色調を持つ誘導体を合成することができます。更に、比較的安価に合成することが可能なため、実用化されている染料の半分以上を占めています。
色素や着色剤のデータベースであるカラーインデックスには約2,000種類以上のアゾベンゼン誘導体が記載されています。また、分子自体が棒状の構造をとる為、液晶のメソゲン基としても用いられます。また、アゾベンゼン及びその誘導体は、光照射によってトランス体からシス体への異性化を引き起こします。
この特性を生かし、調光材料、光記録材料、光スイッチ、機能性分子システムの制御部などさまざまな分野での応用が始まっています。
アゾベンゼンの原理として、化学的な性質、特に光異性化についてと、どんな化学反応をするか以下に説明します。
先述の通り、アゾベンゼンは光が照射されると立体構造が変わる特性を持ちます。このような光機能性材料は数多ありますが、アゾベンゼンはその中でも最も安定な化合物の一つであることが知られています。トランス体の方が熱化学的に安定で、光が照射されない暗所かつ溶液中の状態では、100%がトランス体になります。
アゾベンゼンのトランス体、シス体の異性化の比率は、光照射や加熱によって制御することが可能です。アゾベンゼンは、トランス体の状態で365 nmの紫外線を照射するとシス体に転移し、シス体の状態で450nmの可視光を照射するとトランス体に戻ります。また、シス体は加熱によってもトランス体に変化させることができます。
ちなみに、トランス体は約50kJ/molほどシス体よりも安定であり、光異性化反応におけるエネルギー障壁は200kJ/mol程度です。アゾベンゼンの光異性化反応は最も基本的な光化学反応の一つではありますが、異性化が0.1ピコ秒と極めて短時間で進行するため、反応機構にはまだ不明な点が残されています。
アゾベンゼンの合成方法として多くのスキームが知られています。最も利用されている方法は、芳香族ジアゾニウム塩とジアルキルアニリン、またはフェノールとのカップリング反応で合成する方法です。他にも、ニトロベンゼンを用いてナトリウムアマルガムと反応させる方法、芳香族アミンの酸化反応、芳香族ニトロソ化合物と芳香族アミンの反応などがあります。
アゾベンゼン誘導体は置換基によって芳香環が電子豊富になっており、芳香族求電子置換反応が進みやすい特性を持ちます。
アゾベンゼンは酸化還元反応を起こす性質も有しており、酸化されるとアゾキシベンゼンが合成されます。他方で、還元反応、すなわち水素添加がなされると、アミンになります。無置換のアゾベンゼンの場合、還元により1,2-ジフェニルヒドラジンが生成されます。
この様な還元のされやすさを利用し、染料の脱色がなされています。またアゾベンゼンは金属の配位子として働くことも知られています。代表的な金属錯体はニッケルとの錯体で、化学式はNi(Ph2N2)(PPh3)2になります。
他にも、銅やホウ素の錯体の合成、研究もおこなわれています。
一般に販売されているアゾベンゼンの種類としては、試薬製品のほか融点測定用標準試料があります。pH滴定、すなわち酸塩基中和滴定指示薬として知られているメチルレッド、メチルオレンジはアゾベンゼンの誘導体になります。また先述の通り、アゾベンゼン及びその誘導体は色素としても広く利用されており、別名オイルオレンジとして有名な染料は、1-フェニルアゾ-2-ナフトールというアゾベンゼン誘導体になります。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年12月の注目ランキングベスト2
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | メルク株式会社 |
50.0%
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2 | 富士フイルム和光純薬株式会社 |
50.0%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2025年1月のアゾベンゼンページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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