トランスファー成形とは
トランスファー成形とは、熱硬化性樹脂をポットで溶かしてキャビティに流し込み、硬化させる成形方法です。
移送成形や圧送成形という別名でも呼ばれます。種類はポット式とプランジャ式の2つです。ポット式はタブレット状の成形材料をポットに入れる方式で、プランジャ式はプランジャで加圧する方式と、プランジャー用補助ラムを装備する方式があります。特徴は寸法精度が高いことやバリが薄いため仕上がりが容易なこと、成形品全体が均一に硬化するため、ソリや歪みが少ないこと、インサートの保持が容易で確実にできること、深い穴のある形状の製品の成形が可能なことなどさまざまあります。トランスファー成形を使うことでより良い製品を作ることができ、使う際の快適性も向上します。メリットは複雑な形状・デザインに対応できる点、セットアップ・メンテンナンスが簡単な点、圧力を高くすることで、シャープで明確なエッジが得られる点が挙げられます。
トランスファー成形の使用用途
トランスファー成形は以下の用途で使われています。
1. 金属インサートを追加する成形
トランスファー成形は、軽金属や鋳物、樹脂など比較的柔らかい材質に切られためねじに使われる部品である金属インサートを追加する成形に適しています。精密機器用部品や工業・産業用部品、OA機器部品、金具インサート品などの製造に幅広く使われています。中にはトランスファー成形でなければ作れない部品も存在し、重要な成形方法です。
2. 複雑な形状やデザインの製品の成形
複雑な形状・デザインに対応できるため、変わった形やデザインのものでも作れます。他の成型では再現しづらいものでも作成ができ、完成度も高いです。
3. 小ロットの試作
同じ種類の製品を少量生産する小ロットの試作も可能です。小ロットの場合は余分な在庫を抱える必要がないため、在庫管理や廃棄の手間などの無駄をなくすことができ、メリットが多いです。