フィールドバス

フィールドバスとは

フィールドバスとは、工場やプラントなどの現場で、センサーやアクチュエーターなどのフィールド機器と、PLCやDCSなどのコントローラーをデジタル通信で結ぶバスシステムのことです。

フィールドバスを使うことで、従来のアナログ信号やパラレル信号に比べて、配線を省略したり、データ量を増やしたり、ノイズに強くしたりできます。また、フィールド機器の自己診断や設定変更なども、遠隔から行うことが可能になります。

様々な種類があり、代表的なものとしてPROFIBUS、CANopen、AS-iなどが挙げられます。

フィールドバスの使用用途

フィールドバスはその多機能性と効率性から、製造業を中心に多岐にわたる産業で活用されています。コスト削減、効率化、そして最適化を実現するための重要なツールです。

1. 製造業

製造現場では、プロセスの制御と監視が重要な要素です。フィールドバスは、センサーやアクチュエーターなどのデバイスを統一された通信プラットフォームで連携させ、工程の自動化と効率化を可能にします。

2. プロセス制御

化学工場や製油所などのプロセス制御では、フィールドバスは温度、圧力、流量などのプロセス変数をリアルタイムでモニタリングし、最適な状態を保つために必要な調整を行います。

3. 自動化

建物やインフラストラクチャの自動化では、フィールドバスは照明、冷暖房、安全システムなどの多種多様なデバイスを1つのネットワークに統合します。これにより、オペレーターは中央からすべてのシステムを監視し、制御ができます。

4. 自動車製造

自動車製造業では、フィールドバスはプロダクションラインの各ステーションを結びつけ、アクチュエーターやセンサーからのデータを集約し、各ステーション間の精密なコーディネーションを可能にします。

フィールドバスの原理

フィールドバスの原理は、一言で言えば「デジタル通信を利用したデバイス間の情報共有」です。以下のような特性により、フィールドバスは製造業、プロセス制御など、さまざまな分野で活用されています。

1. マルチドロップ

フィールドバスは、工場やプラント内のさまざまなデバイスを1つのケーブルで接続する通信ネットワークです。これにより、各デバイスは個別の接続ケーブルを必要とせず、一つのフィールドバスケーブル上でデータを送受信できます。これはデジタルのマルチドロップ技術とも呼ばれ、複数のデバイスが同一の通信ラインの共有を可能にします。

2. 通信プロトコル

フィールドバスは通信プロトコルを使用します。通信プロトコルは、データの送受信方法を規定したルールのことで、フィールドバスではこのルールに従ってデバイス間の情報交換が行われます。これにより、どのデバイスも他のデバイスと互換性を保つことができ、情報の正確な伝達が保証されます。

 3. リアルタイム性

フィールドバスのもう1つの重要な原理は、リアルタイム性です。工場やプラントの運用では、迅速かつ正確な情報の伝達が求められます。フィールドバスはデータをリアルタイムで送受信して、これを実現します。

例えば、センサーからのデータを即座に制御システムに送信し、必要に応じてアクチュエーターを動かすなど、システムの迅速な反応を可能にします。

フィールドバスのその他情報

フィールドバスと産業用イーサネットの違い

工場のネットワークは、情報系ネットワーク、コントローラー間ネットワーク、フィールドネットワークに分類されます。コントローラー間ネットワークでは産業用イーサネットが、フィールドネットワークではフィールドバスが用いられています。

2017年に産業用イーサネット設置数が、フィールドバス設置数を逆転しました。ドイツを起点に提唱されたインダストリー4.0による、工場全体のIT化が実現され始めています。

参考文献
https://www.yokogawa.co.jp/pdf/provide/J/GW/TI/0000003445/0/TI38K02A01-01.pdf
http://www.jmacs-j.co.jp/documents/tech/fa.pdf
https://www.mnc.co.jp/fieldbus/comparison_chart.htm
http://www.jmacs-j.co.jp/documents/tech/fa.pdf
https://www.automation-news.jp/2019/05/41385/

https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1603/23/news003.html
https://products.sint.co.jp/aisia-ad/blog/deep-learning-vol.10
https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/5543/Default.aspx

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