エンボスパンチとは
エンボスとは金属や紙など塑性変形する素材の薄いシートに凹凸をつける加工のことを指しており、エンボスパンチとはこのエンボス加工を行う器具のことを言います。
エンボス加工でつけられる凹凸は様々であり、文字や数字から丸や四角、さらには幾何学模様など多岐にわたっています。特に書籍などにエンボス加工を施すと高級感が得られますので、見た目をよくするためによく使用される技術です。
また、エンボス加工は意匠的な意味合いのみではなく機能的な用途でも使用されており、エンボス加工は表面の摩擦を低くしたり表面のつや消しなどの目的でも使用されています。
エンボスパンチの使用用途
エンボス加工は非常に幅広く使用されており、使用用途は大きく分けて2点あり、見た目を強調することと機能性を向上させることにあります。
見た目をよくする目的では、クレジットカードの名前や口座番号に使用されていたり、車のナンバープレートのナンバーにも使用されています。これらのエンボス加工された部分は数字や文字が飛び出していますので見た目が強調されており、これらのエンボス加工処理にエンボスパンチが使用されています。
また、トイレットペーパーにもエンボス加工が施されている商品もあり、よく見るとトイレットペーパーの表面に凹凸があることが分かります。この場合は機能性を向上させる目的でエンボス加工が施されています。
エンボスパンチの原理
エンボス加工は凹凸を上に出す加工ですが、反対に凹凸を下側に出す加工もありデボス加工があります。これらの加工は上に出すか下に出すかの違いで原理的には同じです。
エンボスパンチには二つのシートが設置されていますが、これらのシートにはエンボス加工を施すための模様などが施されています。上下のシート共に同じような模様があるのですが、噛み合わせた際に両者の模様がぴったりとはまるように作られています。そして、これらのシートの間に紙などを挟んで押し付けると滑らかであった紙の表面に凹凸の模様が作られます。
エンボス加工は変形する素材でのみ行え、例えば木材などを無理やりエンボス加工すれば木の板が割れてしまいできません。プラスチックの場合は温度が低い状態でエンボス加工を行うと割れてしまいできませんが、温度を上げることで塑性変形を行えますので、プラスチックのエンボス加工は高温で行われます。
また、紙や金属のエンボス加工を行う際には厚さが大事であり、厚すぎると凹凸が作れませんので注意が必要です。