プログラマブルコントローラ

プログラマブルコントローラとは

プログラマブルコントローラ

プログラマブルコントローラとは、マイクロプロセッサを内蔵している制御装置のことです。

通常、機器内のセンサーやスイッチなどの入力をメカニカルリレー、タイマーなどの制御機構を介してモーターやディスプレイなどに出力します。それに対して、プログラマブルコントローラは、メカニカルリレーなどの制御機構を用いらずにプログラマブルコントローラのプログラムによって機器の動作を制御します。

機械的な接点などが少なくなるため、電子部品間の接点の摩耗や不良、煩わしい入出力装置、制御用メカニカルリレー間の配線が不要で、機器を制御することができます。また、電気配線を簡易的にできるので、機器の小型化や量産の実現に繋がります。

図1はメカニカルリレー、タイマーなどを用いてランプ制御を行う制御盤の簡単な例を示します。

プログラマブルコントローラの使用用途

プログラマブルコントローラは、工場の自動化システムや、自動車、家電製品、産業機器など幅広い分野で使用されます。主に産業用機器や業務用機器で使用される場合が多いです。

業務用としては、シーケンス制御を伴う大型の洗濯機や乾燥機で使用されている例があります。PCを使用するよりも安価で頑丈なためです。グラフィックボードがなく、マイクロプロセッサの発熱も少ないので冷却装置も不要な場合が多いことも要因の1つです。

プログラマブルコントローラは、動作に必要な電子部品がすべて内蔵されている1パッケージタイプと、1つ1つの機能部品を自分で選定するビルディングタイプがあります。

メモリやプロセッサ、出力・入力端子のスペックなどを、使用する電子機器に応じて選定することが大切です。

プログラマブルコントローラの原理

プログラマブルコントローラは、入力部、出力部、演算部、メモリで構成されています。入力部では、センサーやスイッチなどと接続され、入力された情報をもとに、メモリ内部のプログラムコードに基づいて、演算部で処理して、モーターやディスプレイ、通信装置などに出力します。

プログラマブルコントローラで制御する電子機器機器の動作を変更したい場合は、配線などの変更は不要です。プログラムコードを変更するだけでよいので、時間や人件費の削減に繋がります。

プログラマブルコントローラで使用するプログラムは、ラダー方式やSFC方式、フローチャート方式、ステップラダー方式があり、ラダー方式が最も一般的です。ラダー方式はパソコン上で、2本の平行な直線の間にリレーやスイッチ、タイマーなどのシンボルをはしご (ラダー) の様につなげるように、プログラムを記述する方式です。

視覚的な操作によって、プログラムコードを作成できるので、習得が容易であることが特徴として挙げられます。図3はメカニカルリレー、タイマーで構築していたランプ制御をラダープログラムで表した例となります。

プログラマブルコントローラのその他情報

1. プログラマブルコントローラとシーケンサの違い

生産現場で仕事をしていると、「シーケンサ」という言葉を耳にすることがあるかと思います。結論から言うと、プログラマブルコントローラとシーケンサに違いはありません。

シーケンサは、三菱電機製プログラマブルコントローラの商品名を指しています。シーケンス制御を可能とする機械装置として、シーケンサという名称で販売されました。

機能を示す名称として完全にハマったため、プログラマブルコントローラの別名として現在ではシーケンサも使われています。

2. プログラマブルコントローラとPCの接続

プログラマブルコントローラへプログラムを記憶させるとき、一般的にPCを使用します。コントローラを販売している各社でプログラム編集PCソフトを販売しており、それらを使用してプログラムを記憶させます。

PCとの接続は古くからシリアル信号が用いられてきました。昔のPCはシリアルポートが常設しているものも多くありましたが、最近では稀になってきています。

また、シリアル信号はCOMポートを合わせたり、専用のドライバをインストールする必要がありました。近年は、USBポートを使用してシーケンス編集を行う場合が多いです。COMポートの合わせこみも必要もなく、一般ユーザーに馴染みもあります。

Ethernetでネットワークを構築している場合は、Ethernetポートから複数台のコントローラへ編集を行えるようになってきています。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsei/27/2/27_KJ00007706910/_pdf
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/26/283/index.html

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