測長センサー

測長センサーとは測長センサー

測長センサーとは、測定対象物に投光器側からレーザなどの光を照射し、寸法測定を行う装置です。

測定対象物がレーザなどを遮断することによる光量を受光器側でCCDセンサーやフォトダイオードなどでとらえます。レーザなどの光を、レンズを用いて帯状にすることで、光が受光部まで届いているか届いていないかを検出します。その光が届いていない部分の寸法を正確に測定することにより、寸法測定が可能です。

レーザなどの光を用いて測定するシステムなため、非接触で測定できるという利点があります。しかし、比較的外乱に弱いという欠点もあるため注意が必要です。

測長センサーの使用用途

測長センサーは、鋼材の外径やシート状のフィルムの厚みなどを測定する際に使用されています。0.1秒以下の微小間隔で連続してスキャンすることができるため、製造工場の現場などにおいて、測定対象物が長く連続しているものを途中で切断せず測定し続ける場面に適しています。

また、測長センサーを直行させて使用することでXY方向の寸法を測定したり、断面形状が大きいものは測長センサーを2個以上用いて片側端面ずつ測定することで対応したりすることも可能です。

測長センサーの原理

測長センサーは、レーザ光を測定対象物に照射し、レーザが遮られた箇所の幅をセンサーで検出することで対象物の長さを計測します。レーザを測定軸に対して、平行に照射することも重要です。

レーザが遮られた部分をエッジとして、センサーでエッジの両端の幅を検出することで寸法測定が可能となります。よって構成上、レーザなどを照射する発光部と照射されたレーザなどを読み取る受光部に分かれており、測定した値を表示する表示部も必要です。

なお、レーザは帯状もしくは長方形のように幅を持たせた形状になっています。レーザを読み取る受光部は、一断面でレーザが受光できている部分とそうでない部分を連続して読み取る必要があるため、多くの測長センサーにおいてはCCDラインセンサなどが用いられています。

エッジを読み取って寸法を測定するスキャン間隔は表示部の処理速度に依存しますが、通常の製品では、0.1秒間隔でスキャンできるため、測定対象が多少振れても正確に測定することが可能です。

測長センサーのその他情報

1. 測長センサーの受光部のCCD方式と光量変化方式の違い

測長センサーの受光部は一般にCCD方式と光量変化方式の2種類があり、その構成は大きく異なっています。

CCD方式
受光器に投光された平行な帯状の光をCCDイメージングセンサにて検出する方式です。CCDは平行光を受光する分、受光器側に帯状に配置されており、物体が光を遮った箇所だけ、影がCCDに反映されますので、その分から対象物の長さ計測を実施することが可能です。

光量変化方式
受光器側にレンズがあり、そのレンズで集光された光をフォトダイオードなどの受光素子で検出する方式です。対象物が遮った分の集光の光量は減少するため、その割合から対象物の長さを検出します。

2. 測長センサーの誤差要因と対策事例

測長センサーは、非接触で計測可能な利点がある一方で、外乱の影響を受けるため注意が必要です。特に生産現場などの振動を生じる箇所においては、機器の本来有する測定精度以上に誤差を発生させる要因になります。

センサーとワークを一体化した治具で固定する事例の他、場合によってはローパスフィルタ等のノイズフィルタを用いて対策しなければなりません。CCD受光器の場合には、機種によってはシェーディング補正機能という内部の受光器のリニアリティのキャリブレーション補正が実施可能なものもあります。

その場合には、実際の計測前にキャリブレーション補正を実施することが重要です。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/displacemente_linewidth_tg_j_1_1.pdf

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です