漏電モニター

漏電モニターとは

漏電モニターは、電気回路における漏電の発生を常時監視し、異常を早期に検出して警報を発することで、感電事故や火災の発生を未然に防ぐための保安機器です。

一般的な漏電遮断器が、設定値以上の大きな漏電が発生した際に回路を遮断するのに対し、漏電モニターは遮断することなく微小な漏電レベルを継続的に測定・記録することが最大の特徴です。

アース線に流れる微小な電流を継続的に測定し、監視します。これにより、絶縁劣化が進行している初期段階や、事故に至らない程度の軽微な漏電をいち早く把握し、計画的なメンテナンスや事故前の対策を可能にします。また、常時監視によるデータ蓄積機能を持つ機種は、漏電の発生日時や傾向を分析することで、設備のどこで、どのような原因で絶縁が劣化しているのかを特定し、保全業務を効率化します。

漏電モニターの使用用途

漏電モニターは主に下記のような目的で使用されます。

1. 工場や製造ラインの電気設備

半導体製造工場や自動車工場などの重要生産ラインでは、多くの電気機器が稼働しており、漏電が発生した場合、設備の損傷や火災のリスクが高まります。漏電モニターは、これらの設備に取り付けることで、漏電を早期に発見し、安全性を確保します。特に、予期せぬライン停止を防ぐため、微細な絶縁劣化の傾向も把握し、計画保全に有効です。

2. 商業施設やオフィスビルの電気設備

商業施設やオフィスビルなどでは、多くの電気機器が常に使用されています。漏電モニターは、施設内の電力供給システムを監視し、万が一漏電が発生した場合に即座に警告を出すことで、事故を未然に防ぎます。多数のテナントが集積する施設でも、事故原因の特定を迅速に行い、復旧時間の短縮に貢献します。

3. 住宅の電気配線

住宅にも漏電モニターは重要です。家庭内で使用される電気製品や配線に問題があった場合、漏電モニターが検知し、過剰な電流が流れないように制御します。これにより、家庭内の火災や機器の故障のリスクを低減できます。経年劣化によるコンセントや配線の絶縁低下を早期に把握し、感電防止に役立ちます。