ハーネス検査機とは
ハーネス検査機は、電気配線やコネクタが正確に接続されているかを確認するための機器です。
自動車、家電、産業機械など、あらゆる製品の電子回路において、ワイヤーハーネスの信頼性は安全上極めて重要です。主な検査項目には、目的の端子間が正しく電気的に繋がっているかを確認する導通検査、意図しない場所で電線同士が接触していないかを確認する短絡 (ショート) 検査、そして電線と電線の間が絶縁されているかを確認する絶縁抵抗検査が含まれます。
コネクタの圧着不良や半田付け不良など、製造工程に起因する初期不良を確実に見つけ出すことが可能です。これにより、後工程でのトラブルを未然に防ぎ、製造プロセスの品質維持に貢献します。
ハーネス検査機の使用用途
ハーネス検査機は、主に下記の用途で使用されます。
1. 自動車産業
自動車の製造において、数多くの電気配線が組み込まれています。ハーネスチェッカーは、これらの配線が正しく接続されているか、または断線やショートがないかを検査します。自動運転技術やADASの進化に伴い、ハーネスの多層化・高密度化が進んでおり、微小抵抗値の測定や瞬断検出など、従来よりも高い信頼性が求められる検査に対応できる高機能なハーネスチェッカーの導入が不可欠となっています。
2. 電子機器の製造
コンピュータや家電製品の内部配線が正確に接続されているかをチェックすることで、製品の安全性や信頼性を確保します。特に高い稼働率とデータ伝送品質が要求される機器では、コネクタの嵌合不良や圧着ミスによる接触抵抗の増大を防ぐため、多数のピンに対する高速・多点検査能力が重要視されています。
3. 航空宇宙・医療機器分野
人命に関わる医療機器や、極めて高い信頼性が要求される航空宇宙機器に使用されるハーネスは、特に高い絶縁性能と低抵抗値が要求されます。一般的な導通検査に加え、高電圧を印加して漏れ電流を測定する耐電圧 (絶縁破壊) 試験機能を持つハーネスチェッカーが使用されます。