圧着端子

圧着端子とは

圧着端子

圧着端子とは、電線の端末へ使用する端末材料の一種です。圧着とは、端子と電線を工具などにより、塑性変形させて機械的に結合する方法です。

圧着端子の大きさは、結合する電線の太さや端子台のねじ径に応じてさまざまな種類があります。また、端子台への接続方法にも、ねじ止めやねじ込みなどの方法があります。

ねじ止めで端子台へ接続する場合、圧着端子の形状は様々なものが選べます。Y型端子やC型端子は作業性が高い反面、締め込みが緩いと抜ける危険性があるので注意が必要です。

圧着端子の使用用途

圧着端子は、端子台や電線同士を強固に接続させる場合に使用します。

一般家庭では、エアコンの室外機と室内機を接続する配線の端末などに使用します。工事業者が仕舞作業を行うため、目にすることはありません。

産業用には、通信配線から電力ケーブルまで、幅広く使用されます。主にケーブルを使用する際の端末に使用します。

間違った工具を使用や作業ミスにより、圧着が不完全となることがあります。不完全な圧着は電線の接触抵抗を高めてしまい、火災などの原因となるため注意が必要です。

圧着端子の原理

圧着端子の固定原理は、電線端末と圧着端子の塑性変形です。一度処理すると圧着個所は元に戻せず、失敗した場合は電線端末を切ることになります。

圧着端子には、バレルと端子の2つの部位があります。バレルは配線と接続される部位で、指定した配線芯線がすべて入る大きさがあります。圧着端子も配線も、などの柔軟な金属材料でできています。圧着工具で合わせて潰すことで強固に接続します。

端子部分は、制御盤や制御機器と接続するための部位です。丸型やY型、棒状などの形状があり、接続先に合わせて選定します。

圧着による電線の接合は絶縁テープなどによる接合に比べて、脱着する危険性が低いのが特徴です。

圧着端子はY型と丸型が多く使用されますが、JIS規格を取っているのは丸型のみです。そのため、JIS規格が指定されている場合、丸型を使用されることが多いです。丸型には呼びサイズがあり、端子台のねじの大きさに合わせた選択が必要です。

圧着端子の種類

圧着端子は、「絶縁圧着端子」と「裸圧着端子」の大きく2種類に分類されます。

絶縁圧着端子は、バレル部分が絶縁体で覆われている圧着端子のことを指します。すでに絶縁体がついているため、絶縁処理の手間が不要となり、接続端の屈曲も防止できます。

裸圧着端子は、バレル部分に絶縁体がない端子のことを指します。圧着後のバレル部分は、絶縁キャップやマークチューブを被せて絶縁処理して使用します。

圧着端子の舌部の形状にも様々な種類があり、一般的に使用されている丸形のほか、C型・Y型になっているものやY型にツメがあるタイプも存在します。C型・Y型の端子はネジ部を弛めることで接続・取外しができる利便性がある一方、ネジの締め付けが甘いと外れてしまいます。

圧着端子のその他情報

1. 圧着端子のサイズの選び方

圧着端子のサイズは適用電線の断面積と穴の大きさから選定します。圧着端子に彫られている刻印が、「形状(丸形・Y型など)・適用電線の断面積・ネジ部の呼び径」を表しています(例:丸形で適用電線5.5mm2、ネジ部の呼び径の場合、R5.5-6と表記)。

圧着端子にはさまざまな大きさがあり、使用する電線のサイズやネジ呼び径が合っていないと接続不良となります。接続不良は火災の原因となりかねないため、仕様を確認した上で、適切な圧着端子を選ぶことが重要です。

2. 圧着端子で使用する工具

圧着端子を圧着し、電線を接続するための工具として圧着ペンチがあります。

圧着ペンチは、てこの原理でバレル部分を潰す工具です。一般にはラチェット機能が付いており、不完全な圧着を防止しています。

圧着ペンチにはペンチの柄の部分の色によって圧着する対象物が変わります。柄の色によって用途が決まっており、圧着端子には赤柄の圧着ペンチを使用します。バレル部分に適したダイス(圧着部の溝の部分)を使用して圧着します。

参考文献
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/crimp-terminal-guide
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/crimp-terminal-guide
https://www.nikki-tr.co.jp/html/solderless-terminal02.html
http://www.nichifu.co.jp/j/information/lecture01.html
http://www.nichifu.co.jp/j/information/lecture03.html
https://jp.misumi-ec.com/vona2/el_wire/E1403000000/E1403010000/?CategorySpec=00000041217%3A%3Ac

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です