半導体製造装置

半導体製造装置とは

半導体製造装置 (英: semiconductor manufacturing equipment) とは、トランジスタや集積回路などに用いられる半導体を製造するための装置です。

半導体はパソコンやスマートフォンだけでなく、クラウドサービスやデータセンターなど多くの電子機器に使用されます。半導体による情報記憶や数値計算、論理値演算、これらの処理速度の速さや省エネ性、省スペース化の観点を踏まえながら、半導体の技術革新が進んでいます。

この半導体を製造する装置は、半導体の高性能化や技術革新に伴って、飛躍的進歩が不可欠です。

半導体製造装置の使用用途

半導体製造装置は、その名の通り、半導体を製造する際に使用されます。主な半導体部品として、機器の電気の流れや方向など電気的な制御に用いられる素子単体のトランジスタやダイオード、機器のプログラムなどのデータの演算処理を司るCPU、プログラムなどのデータを記憶するメモリなどが挙げられます。

また、カメラに使用するCMOSイメージセンサなどがあり、半導体製造装置はこれらを製造する際に重宝されています。

半導体製造装置の原理

半導体製造装置の基本動作は、回路設計・パターン設計、フォトマスク作成、前工程、後工程に分類できます。

1. 回路設計・パターン設計

回路設計・パターン設計は、必要な機能を実現する回路を設計し、シミュレーションを何回も行って効率的なパターンを検討します。半導体装置のパターン設計は、専用のCADソフトを使用します。

2. フォトマスク作成

フォトマスク作成は、半導体ウェーハに回路パターンを転写するための原版を作成することです。半導体ウェーハ表面のトランジスタや配線は非常に細かく、透明なガラス板の表面に拡大して回路パターンを描きます。

3. 前工程

前工程は、シリコンウェハにチップ作るまでです。洗浄、フォトリソグラフィ、エッチング、成膜、イオン注入、平坦化などの工程があり、この一連の動きを何度も繰り返します。

4. 後工程

後工程は、シリコンウェハ上に作られた半導体チップを細分してチップを完成させるまでです。ダイシング、ダイボンディング、ワイヤボンディング、モールド、検査などの各工程があります。

半導体製造装置の種類

半導体製造装置は大きくわけて、半導体設計用装置、フォトマスク製造装置、ウェーハ製造装置、ウェーハプロセス用処理装置、組立装置、検査装置、半導体製造装置用関連装置などに分類できます。

1. 半導体設計用装置

回路設計・パターン設計用として、専用のCADソフトが開発されています。

2. フォトマスク製造装置

フォトマスクは、ガラス乾板とも呼ばれ、ガラスや石英の板に、電子回路部品の製造工程で使用されるパターン原版を形成したものです。フォトマスク製造装置は、ガラス基板にクロムなどの遮光幕を蒸着し、レーザーや電子ビームを使用して回路パターンを描画する装置です。現像装置やドライエッチング装置、検査装置も使われます。

3. ウェーハ製造装置

まず、超高純度に生成されたシリコン単結晶インゴットをダイヤモンドブレードを使用する切断装置により、所定の厚さに切断します。これがシリコンウェハです。次に、ウェーハの表面を研磨し、高温の酸化炉に入れて、酸化皮膜を作ります。さらに、フォトレジストという感光剤をレジスト塗布現像装置を使ってウェーハの表面に塗布します。

ウェーハの表面にフォトマスクの画像を縮小焼付して、回路パターンを形成します。この際に使うのが半導体露光装置です。さらに、エッチング・剥離装置により、不要な酸化膜やレジストを除去します。

イオン注入・アニール装置を使って、ボロンやリンなどをウェーハに注入して半導体化を行います。プラズマ装置に入れて、不活性ガスプラズマにより、ウェーハ表面に電極配線用のアルミ金属膜を形成します。最後に、検査装置でウェーハをチップごとに試験し、良品・不良品の判定を行ったら前工程は終了です。

4. ウェーハプロセス用処理装置

後工程は、最初にウェーハをダイシングソー装置により、切断して個々のチップへ分離します。そして、チップをリードフレームの所定の位置に固定します。

5. 組立装置

まず、ダイボンダー装置を使用して、チップとリードフレームをボンディングワイヤーでつなぎます。次に、チップをモールディング装置を使って、樹脂でパッケージします。保護のためです。また、金型にて、リードフレームから個々の半導体製品を切断・分離し、外部リードを所定の形状に成型します。

6. 検査装置

初期不良を除くため、ファンクションテストを行いながら、バーンインと呼ばれる温度電圧ストレスの加速試験を行います。最後に、電気的特性検査、外観構造検査などを行い不良品を取り除き、環境試験、長期寿命試験などの信頼性試験も必要です。

参考文献
https://www.ave.nikon.co.jp/semi/technology/story02.htm
https://www.seaj.or.jp/semi/proc/
https://www.seaj.or.jp/file/process01.pdf
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/000182.pdf

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