スケール除去とは
スケール除去とは、スケールという水に含有する無機塩類化合物が車や設備などに固着したものを除去することです。
無機塩類化合物とはカルシウムイオンやマグネシウムイオン、ケイ素などのことを指します。
スケールは、非常に硬く水に溶けにくいため一度固着すると除去することが難しいです。工場など水質を改善することが可能な場合は発生を抑制する方法がありますが、雨水が原因の場合は乾ききる前に濡れた部分を完全に除去するしか対策方法がないという問題があります。
スケール除去の使用用途
スケール除去は主に雨水に濡れた後の車のボディに使用されますが、他にも、水道管や工場の配管、ポンプ、ボイラーなどでも使用されています。
スケールが水道管に発生すると、健康被害の原因になることがあり、水道管のつまりの原因になります。工場では配管や、ポンプや、ボイラーなどで発生し、製品の品質に問題が生じたり、機器の故障の原因になったり、ボイラーなどの効率が悪くなったりします。
スケール除去の原理
スケール除去の原理は水質によって異なります。
1. 改質水
スケールは水のpHを10以下にすることで、スケールの発生を軽減できます。pH調整剤や脱酸素剤もスケール除去剤として利用可能ですが、脱酸素剤には健康被害の可能性があります。
そこでセラミック水改質装置を用いることで、改質水においては溶け込んだ気体が気化しづらくなり、スケールとして付着した炭酸カルシウムが水中の二酸化炭素と化合及び反応して水溶性の重炭酸カルシウムになり、容易に剥離しやすくなります。
また、改質水においてはケイ素の周囲を水分子が取り囲む現象が生じて、ゲル皮膜の形成を防げるため、ケイ素の堆積やスケールの付着が生じにくくなります。
2. 雨水
水質を変えることができない雨水によるスケールは予防できないため、物理的もしくは化学的に除去します。
物理的な除去は、研磨剤を含んだスポンジなどを使います。研磨剤とスポンジさえあれば気軽に試行できる上、塗装についた傷も研磨できますが、かなり負担が大きく、コーティングがはがれてしまう問題もあります。
化学的な除去は、酸性ケミカルを用いることでスケールを反応させてから拭き取って除去します。単純な研磨剤に比べて早く除去できるうえ、塗装への負担が少ないです。しかし、使用方法を間違えると車体にダメージを与えることもあります。塗装の種類によってはコーティングも一緒に落としてしまう場合もあります。