バキュームリフト

バキュームリフトとはバキュームリフト

バキュームリフトは、真空状態を活用することで電源等の動力を使わずにワークを吸着・搬送できる吊り具です。
バキュームリフト自体を上下させることで吸着パッドとワークの間に真空状態を作り出し、吸着しています。
動力を使わずに重量物を搬送できるので、巾の狭い鋼材から重量が数トンあるような大型の鋼板まで対応できます。
搬送素材の特徴やサイズ、重量、形状によって幅広い製品ラインナップがあるのはもちろん、導入業界も多岐にわたっています。

バキュームリフトの使用用途

導入業界や用途は以下の通りです。

  • S型
    たわみの無い素材の搬送に便利で、アルミ材料業界や機械加工工場、建築現場等で用いられています。
    レーザー切断機による切断後の部品の抜き取りなどにも使われています。
    石材対応しているものもあり、吊上容量は80kg~1250kg程度です。
  • M型
    2個以上のパッドを持つタイプで、横巾のたわみが少ない鋼板の搬送に向いています。
    吊上容量は大きいもので750kg程度です。
  • 定尺鋼板型
    プラズマ切断機やレーザー切断機、タレパンといった板金の搬送に適しており、レーザー業界や板金業界での導入事例が多いです。
    最大吊上容量は1000kg程度です。
  • 長尺鋼板型
    造船所、建設機器メーカー、化学プラント、鋼材業といった4m~6m長の鋼板を取り扱う業界で使用されています。
    最大吊上容量は2000kg程度です。
  • 大型バキュームリフト
    重量にして2トン~7トン、長さだと12m以下の大型鋼板を搬送できます。
    造船所や橋梁メーカー等でよく用いられています。
  • 巾狭用
    フラットバーや端材など巾の狭い素材の搬送に便利です。
    木材にも対応可能で、最大吊上容量は300kg程度です。

その他フォークリフトを利用したバキュームリフトなど、特殊な製品もあります。

バキュームリフトの原理

バキュームリフトは吸着パッドとワークの間を真空状態にすることでワークの吊り下げを行うリフトです。

バキュームリフト以外に一切動力を必要としない無動力式のほか、電動式、エア式といった製品ラインナップがあります。
無動力式はバキュームリフトを上下させることによってリフトの内部に真空が生まれる構造です。
そのためクレーン操作だけでワークの吸着と離脱を交互に繰り返せます。
電動式も吸着原理は同様ですが、真空ポンプユニットを搭載することで、万一空気漏れ等が生じて真空度が低下しても吸着を保てます。
停電が起こった際にも真空状態を保持できる、より安全性の高い方式です。
エア式はコンプレッサーのエアー源を使用する方式で、メンテナンス性や手軽さに優れています。

吸引前の吸着パッド内の圧力は大気圧と同じなのでそのままでは吸着パッドにワークが吸着しません。
クレーンの上下運動によって吸着パッド内の空気が吸引されると、吸着パッド内の圧力が大気圧より低くなります。
そうすると、大気圧との差圧が吸着パッドの外部からかかるため、ワークが吸着パッドに押し付けられます。

参考文献
https://www.vacuumlift.jp/products/jvd/
https://www.vacuumlift.jp/
https://taiyu-kabu.co.jp/railsysytemvacuumlift/
https://www.toyo-mm.co.jp/tk/technology/vacuum_reliability.html

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