フォトインタラプタ

フォトインタラプタとは

フォトインタラプタとは、一組の発光器と受光器を用いて光によって、物体の有無や位置を検出する機能を持った装置です。

フォトインタラプタは透過型と反射型に分けられます。透過型のフォトインタラプタは、発光器と受光器の間を物体通過する際に光を遮断することにより検知するものです。一方で、反射型のフォトインタラプタは、発光器が発する光を物体が反射し、その反射光を受光器が検出することで検知するものです。

一般的に透過型をフォトインタラプタ、反射型はフォトリフレクタと呼び、両者を区別しています。本記事では、前者に限定して記します。なお、透過型のフォトセンサでは、発光素子と受光素子を向かい合わせて設置しそれらを1つのパッケージに収めたものが半導体メーカーから販売されていて、いろいろな機器で使われるものはそのような製品 (部品) です。

投光器と受光器が別体のものは、生産ライン上の製品検出や屋外での人物の検出など比較的大きな物体の検出に採用されます。前者を一体型、後者を分離型と呼んで区別することがあります。

フォトインタラプタの使用用途

フォトインタラプタは、物体の通過を検知する機構のセンサーとして使われます。

具体的な応用例の一部を以下に挙げます。

  • デジタルカメラ等の撮影機材において、レンズの繰り出し量の検出や絞りの口径検出等
  • 複写機における感光ドラムのタイミング検出、コピー用紙の通過検知等
  • プリンターにおける印字ヘッドのポジション検出やタイミング検出、印刷用紙の通過検知等
  • 自動改札機における人の流れの検知
  • 自動販売機での紙幣の通過検知

以上のように、多くの分野で様々な用途に使われています。

フォトインタラプタの原理

フォトインタラプタの原理

図1. フォトインタラプタの原理

フォトインタラプタは、検出光を発する発光器とその光を受光する受光器から構成されています。

  • 発光器
    発光素子である近赤外LEDを用いて、スリットを通して特定の方向に近赤外光を投射するもの。
  • 受光器
    フォトトランジスタを近赤外光のセンサーとして用いて、フォトトランジスタのコレクタ電流の変化から物体の有無を検知するもの。

即ち、発光器から投射された近赤外光は常に受光器で受けていることから、その光路上に物体が来ると光が遮られ、受光器のフォトトランジスタのコレクタ電流が減少します。受光器の処理回路はコレクタ電流の大きさの変化を捉えて信号を出力するので、物体の通過を検出できることになります。

なお、一体型は製造時に発光器と受光器の光軸を合わせているため、改めて位置調整する必要はありません。一方、分離型では設置時に発光器の光軸と受光器のセンサー位置を正確に合わせる必要があり、この調整が不十分だと物体の検出ができなくなります。

フォトインタラプタのその他情報

フォトインタラプタの使用上の注意点

透過型のフォトインタラプタを使用する際は、以下の点に注意する必要があります。

1. 透過率の高い物体の検出
透明度が高く光が透過する物体は近赤外光も透過させるので、受光器で検出できない場合があります。

2. 小さな物体の検出
発光器のスリットより小さな物体では近赤外光を充分遮れないため、検出できない場合があります。スリットの大きさは仕様書に明記されているので、設計時に確認することが大切です。

3. 外乱光が廻り込む環境下での使用
受光器のセンサーに強い光が廻り込むと、センサーであるフォトトランジスタが飽和して物体の検出が困難になります。特に、白熱電球の様に波長1,000nm付近に大きなエネルギーを有する光は、フォトトランジスタ前面に設置された可視光カットフィルタを通過しますので、大きな影響を与えます。

4. 経時による発光器 (近赤外光) の出力低下
連続して通電動作する機器で使われる場合、発光器の近赤外LEDの光出力が徐々に低下し、正常に動作しなくなります。感度の低下に充分余裕を持った設定がおすすめです。

参考文献
https://jp.sharp/products/device/about/electronics/photointr/index.html
http://www.kodenshi.co.jp/top/seminar/vol_04/
https://www.omron.co.jp/ecb/sensor/pms-basics/precautions?sectionId=precautions
https://www.omron.co.jp/ecb/sensor/pms-basics/basics?sectionId=basic#basics02

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