クリームはんだ印刷機

クリームはんだ印刷機とは

クリームはんだ印刷機とは、プリント基板の上に電子部品を実装する前の工程において、部品を表面実装するために基板上の必要な箇所にはんだを塗布する装置です。

この際に使用するペースト状のはんだのことをクリームはんだと言います。最近ではクリームはんだ印刷機の英語名をそのまま発音して、ソルダーペースト・プリンター (英: solder paste printer) と言うことも増えています。

クリームはんだ印刷機の使用用途

パーソナルコンピューターやスマートフォンを始めとした多くの電子・電気機器は、プリント基板上に演算装置、コンデンサ、抵抗やメモリなど主要な電子部品を集中して取り付けています。そして、それらの部品間では基板表面にプリントされた配線を通じて電気信号の受け渡しを行っています。

プリント基板上に取り付けられた部品間で正しく電気信号のやり取りをするためには、各部品を定められた位置に正確に取り付ける必要があります。基板上に部品を取り付けることを実装と言い、実装には主に二つの方式が存在します。

1. スルーホール実装または挿入実装

基板の表面に部品のリードを通すための穴をあけ、基板の裏側でリードをはんだ付けしてプリント配線で結ぶ方法をスルーホール実装 (英: hrough-hole technology: THT) または挿入実装 (英: Insertion mount technology: IMT) といいます。

2. 表面実装

プリント基板上でプリント配線がある面の、部品のリードを取り付ける箇所にはんだを塗布し、各々のリードが正しく配線に接合されるように部品を置く方法を表面実装 (英: Surface mount technology: SMT)と言います。

電子・電気機器の小型化と高性能化が進むにつれて、電子部品も小型化、高集積化が進み、プリント基板も小型化し、プリント配線も稠密になって来ました。このような状況下では、THTよりもSMTが使われることが多くなります。 クリームはんだ印刷機はSMTにおいて、はんだを正確に塗布する工程を担っており、SMTの歩留まりを左右する重要な装置です。

クリームはんだ印刷機の原理

SMTにおいて、はんだをプリント基板に塗布する際は厚さが数百ミクロンの薄い金属の板でできたマスクを使用します。マスクには、あらかじめはんだを塗布する各箇所にはんだを塗布する形に切り抜いた穴が開いています。

このマスクは材質が金属であることからメタルマスクと言われたり、穴を切り抜いてパターンを作っていることからステンシルマスクとも言われます。このマスクをプリント基板に密着させ、マスクの上からはんだを流しながらスキージ (英: squeegee) を使ってはんだを穴から流し込みます。

マスクがプリント基板に正確に重ねられていないと、はんだの位置がずれるため、マスクとプリント基板の位置関係が非常に重要です。プリント基板にはんだを塗布する作業は、マスクとスキージがあれば一枚ずつ手作業でも可能ですが、工業的に何枚ものプリント基板にはんだを塗布する場合にクリームはんだ印刷機を使用します。

クリームはんだ印刷機は、プリント基板にマスクを正確に重ね合わせ、ヘッダーという部品からはんだをマスクの上に流し、スキージでマスクの穴からプリント基板上にはんだを流し込みます。はんだの塗布が終わったプリント基板はマスクを分離し、印刷検査機で検査された後マウンター工程に送られます。マウンター工程で部品が搭載されるとプリント基板がリフロー工程に送られ、熱を加えられてはんだが溶融して冷えて固まることで部品のプリント基板への装着が完了します。

SMTでは、部品のリードがプリント基板を貫通して反対側の面に出ることがないので、両方の面に部品を装着する両面実装も多く行われています。

クリームはんだ印刷機の選び方

クリームはんだ印刷機を選ぶ際には、適応可能なプリント基板のサイズを確認した上で、歩留まりとスループット、ランニングコストなどを考慮します。

歩留まりに大きく影響するのは、プリント基板へのマスクの重ね合わせ精度と、プリント基板とマスクの密着性です。重ね合わせ精度が良くないとはんだの位置がずれやすく、プリント基板の不良が発生しやすくなります。プリント基板に対するマスクの密着が良くないと、はんだが定められた場所の周囲にまで広がって塗布されてしまい、歩留まり低下の原因になります。

スループットを考慮する際には装置のはんだの塗布にかかる時間だけではなく、工程の組み換えやクリーニングのために装置の稼働を停止している時間も重要な要素として検討する必要があります。一方、スループットを高める方法として、一台で2枚のプリント基板に対して並行してはんだの塗布を行える装置もあります。ランニングコストを考える際にははんだを無駄なく使え、基板への塗布が終了してマスクの上に残ったはんだを回収して再利用できるかどうかも検討の対象になります。

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