平面研削

平面研削とは

平面研削 (英: surface grinding) とは、工業製品や機械部品の平面を削って平面度を向上させる研削加工方法です。

平面研削には平面研削盤 (英: surface grinder) を使用します。研削盤は回転する砥石によって加工物表面の異物や凹凸を除去していき、平らで滑らかな面を作る機械です。研削盤の中でも平面加工に特化した機械を平面研削盤と言い、加工現場で最も用いられます。

精度はタイプや使用方法で違いますが、一般的には0.002mm以下の精度でも達成可能です。精度の高い部品加工が求められる製造業でよく利用され、部品の寸法精度や表面の滑らかさを向上させることができます。

平面研削の使用用途

平面研削は以下のような用途で使用されます。

1. 自動車

自動車業界ではエンジン部品やトランスミッション部品及びシャフトなど、精密な寸法と平面度が求められる部品の加工に平面研削が使用されます。例えば、ギアの歯面や軸受け面、エンジンのブロックの仕上げに利用することが多いです。高精度な加工により、部品の耐久性や性能を向上させることができます。

2. 金型

金型業界では、金型の製作や修理に平面研削が不可欠です。金型の仕上げや精度向上に使用され、特に型の金属部品や金型内の表面に対して実施します。金型内部は平面度を高精度に保つ必要があるため、金型部品のメンテナンスや再加工の際にも平面研削を実施します。

3. 精密機器

測定器具や制御機器、コンピュータ部品などの高精度な部品の加工に平面研削を使用します。基準面や精密な部品の仕上げを実施し、機器の精度や安定性を保証します。また、電子機器の部品や部品間の相互作用を確保するための表面仕上げにも活用されます。

4. 鉄道

鉄道業界では車両の車軸やレールの部品などの部品の精密な仕上げに平面研削が使用されます。これにより、摩耗を減らし、部品の長寿命化や安全性向上が可能です。

平面研削の原理

平面研削盤はコラム・テーブル・サドル・制御盤などで構成されます。コラムは砥石台を収容し、テーブルでワークを固定します。ワークは真空・磁力・ストッパーなどで固定可能です。

テーブル上に固定されている工作物に対して砥石を押し当て、砥石やテーブルの動きで加工します。テーブルの形状や砥石軸の方向で複数種あり、砥石の当て方も様々です。

また、平面研削は成形研削や平面切削、平面研磨と異なります。

成型研削は一般的な平面研削に砥石を成形する機能が追加された加工法です。平面研削では砥石によって少しずつ削っていきますが、平面切削ではドリルや刃物などを使って大きく削ります。平面研磨は流動する砥粒によって表面を削って滑らかにするため、工作物の形状は大きく変化しません。

平面研削の種類

平面研削のタイプは砥石や被削材の動き方で、トラバース研削 (英: traverse grinding) ・プランジ研削 (英: plunge grinding) ・クリープフィード研削 (英: creep feed grinding) ・コンタリング研削 (英: contouring grinding) の4種類に分けられます。

1. トラバース研削

広い面積を加工できる研削法です。テーブルが左右に移動して、サドルが前後に動き、砥石の位置は変わりません。被削材が前後左右に移動し、高い精度が期待できます。テーブルとサドルが異なる動きをするため、複雑な形状にも対応可能です。

2. プランジ研削

サドルが動かず、テーブルが左右に動いて溝を得る方法です。集中的に特定の部位を削り取り、接触面の切込量が同じになるため、研削能率は高いです。

3. クリープフィード研削

ゆっくり深く砥石を切り込ませ、低速度で加工する方法です。1パスでミリ単位の切り込み量を削り取り、回数を重ねながら少しづつ削り取る方法よりも砥石が消耗しません。

4. コンタリング研削

テーブルと砥石の2軸を同期させ、数値で制御して形状に合った加工が可能です。成形研削とも呼ばれます。同時に複数のワークを加工でき、部品を大量受注した際に経費削減や納期短縮に役立ちます。

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