scs14aとは
scs14aは、「日本工業規格 JIS G 5121 ステンレス鋼鋳鋼品」に規定されている鋳鋼品のうちの一つで、鋳鋼品とは、溶けた鋼を作りたい形の鋳型に流し込んで冷却・凝固させて成形する鋳物です。
scs14aの機械的性質は、耐力が205N/mm2以上、引張強さが480N/mm2以上、伸びが33%以上、硬度183HB以下となっています。
また、化学成分は、炭素(C)0.08%以下、ケイ素(Si)1.50%以下、マンガン(Mn)1.50%以下、リン(P)0.040%以下、硫黄(S)0.040%以下、ニッケル(Ni)9.00~12.00%、クロム(Cr)18.00~21.00%、モリブデン(Mo)2.00~3.00%となっています。
scs14aの使用用途
scs14aは鋳鋼品であるため、機械加工が困難であったりコスト的に難しい部位であっても適用可能であり、また、大量生産が可能な点も強みとなっています。
scs14aのsはsteel(鋼)、cはCasting(鋳造用)、sはstainless(ステンレス=錆びの無い)のことです。
表示にあるステンレス=錆びにくいという性質は、クロムにより表面に形成される非常に薄い酸化被膜(不導体皮膜という)の働きとニッケルやモリブデンなどの添加物によります。また、耐食性や耐熱性や耐酸性もすぐれております。
こういった特徴から、化学薬品を扱う機械設備や、原子力・火力などの電力設備、医療分野、タンカーなどの船舶、鉄道車両、自動車など幅広い分野で使用されています。