saph440とは
saph440は、「日本工業規格 JIS G 3113 自動車構造用熱間圧延鋼板及び鋼帯」に規定されている4種類の鋼板及び鋼帯のうちの一つです。
sはsteel(鋼)、aはautomobile(自動車)、pはpress(プレス)、hはhot(熱間)、440は最低引張り強さが440N/mm2以上を表しています。
この鋼板および鋼帯は、材料を高温にして軟化させて圧延する熱間圧延により造られたもので、引張強さに優れ、衝撃強度があり、軽いという性質があります。
引張強さは、440N/mm2以上、降伏点又は耐力は、厚みが6.0mm未満の場合は305N/mm2以上、6.0mm以上8.0mm未満の場合は295N/mm2以上、8.0mm以上14mm以下の場合は275N/mm2以上です。
また、適用厚さは、1.6mm以上14mm以下、化学成分は、リン(P)0.040%以下、硫黄(S)0.040%以下です。
saph440の使用用途
saph440は、ハイテン材(High Tensile Strength Steel Sheets)と言われ、一般材の約1.5倍の引張強度がありながらプレス加工性もある鋼材です。
ハイテン材は、機械的性質、耐摩耗性・対候性、加工性、溶接性、経済性において従来の鋼材に比べて優れております。
機械的性質は、通常の鋼材と比べ降伏点が高く、引っ張り強度が高いです。耐摩耗性・対候性は、耐久年限は長く、熱を加えても硬化が少ないため劣化し難いです。加工性は、穴あけ、曲げ、切削などに優れています。溶接性は、炭素含有量が低いため従来の鋼材に比べ溶接性に優れています。経済性は、非調質鋼のため、コストをかけず製造ができます。
これらのことから、主として自動車のフレーム、車輪などに用いられています。ハイテン材にもデメリットはあり、それは、圧倒的な強度ゆえの成形荷重の高さで、プレス成形中に破断を引き起こしてしまうケースもあります。