sacm645とは
sacm645は、「日本工業規格 JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」に定められている7種類の鋼材(マンガン鋼、マンガンクロム鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、アルミニウムクロムモリブデン鋼)のうちのアルミニウムクロムモリブデン鋼材です。
代表成分は、炭素(C)が0.40~0.50%、ケイ素(Si)が0.15~0.50%、マンガン(Mn)が0.60%以下、リン(P)が0.030%以下、硫黄(S)が0.030%以下、ニッケル(Ni)が0.25%以下、クロム(Cr)が1.30~1.70%、モリブデン(Mo)が0.15~0.30%、銅(Cu)が0.030%以下となっており、アルミニウム(Al)は0.70%から1.20%の範囲で含有します。
sacm645の使用用途
sacm645は、窒化することで優れた耐摩耗性、耐食性を発揮する鋼材です。窒化とは鉄鋼製品を加熱し、窒素原子を内部に拡散浸透させる技術です。
SACM645は、窒化によって、表面硬化や耐摩耗性が大きく、騒音防止のための振動の吸収性や被削性が良好になります。
機械的性質は、熱処理温度が焼き入れ880~930℃油冷、焼戻し680~720急冷、引張試験が降伏点685N/mm2以上、引張強さ830N/mm2以上、伸び15%以上、絞り50%以上、衝撃試験が衝撃値98J/cm2以上、硬度241~302HBWとなっています。
用途は様々に使用されており、例を挙げると、高速内燃機関のシリンダーやライナー、大型歯車などがあります。