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ニッケルクロム鋼についての概要、用途、原理などをご説明します。また、ニッケルクロム鋼のメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
JISの鋼種記号は、SNC236など、先頭の英字記号がSNCです。JISでは、5種類が規程されています。
炭素鋼に1.0%から3.5%のニッケル、0.2 %から1.0%のクロムを加えた合金鋼です。ニッケルにより靱性を強化し、クロムを加えることでより焼入れ性を向上させており、通常は、焼入れ焼戻し処理して使用されます。炭素鋼と比べて、強度・靱性・焼入れ性・焼き戻し軟化抵抗性が向上しています。焼戻し脆性と呼ばれる、焼き戻しの際に脆化しやすいことから、これを避けるために、焼戻し時は徐冷ではなく急冷が実施されます。
合金鋼の中では、合金元素を多量に使用するため高価です。同様の機能を持つ、より価格の安いクロムモリブデン鋼に代替されることも多いです。ニッケルクロムモリブデン鋼やクロムモリブデン鋼が発達する以前の第二次世界大戦までは、合金鋼のほとんどがこの鋼種でした。機械的特性が優れることから、重工業、特に軍事産業で用いられる事が多かったとされています。
さらに、二段焼き戻しを実施すると、機械的特性の大幅な向上が可能となった事から、軍事車両・船舶の防弾用装甲板の他、船舶の駆動軸など、日本だけでなく世界中で使用されました。
浸炭技術の発展により、高価なニッケルクロム鋼の代替として、低価格のクロモリ鋼が多く用いられるようになりました。
インコネルやハステロイなど、数多くの種類があり、電気抵抗合金や耐熱合金、耐蝕合金としていろいろな用途に使用されています。
インコネルは、耐熱性、耐蝕性、耐酸化性といった高温化での特性に優れている超耐熱合金です。優れた耐熱性能から、各種プラント設備、ごみ焼却炉、航空機のエンジンなどに使用されています。強度が高く、切削加工が難しい難切削材の一つです。電気抵抗合金は、電気抵抗体などに使用され、耐熱合金は、ロケットエンジン部品や航空機・原子炉部品などに使用されています。耐蝕合金の主な使用用途は、公害防止・排煙脱硫装置などです。
ハステロイは、ニッケルを主体とし、クロムやモリブデンなど、さまざまな合金成分を添加することにより、耐食性および耐熱性を高めたニッケル合金です。高温度下の機械的強度が高く、また耐食性に優れるだけでなく、硫酸や硝酸、塩素などの酸化性雰囲気でも優れた耐久性を誇ります。インコネルと同様に、加工が難しい難切削材です。
Cr-Ni系ステンレス鋼もニッケルやクロムを利用した合金鋼ですが、ステンレス鋼の場合は、これらの元素をより多く含んでいます
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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