農業用トラクター

農業用トラクターとは

農業用トラクター

農業用トラクターとは、農作業を効率的に行うために最も使用される農業機械です。

大型のタイヤと強力なトルクで、畑の耕作や草刈り、種まき、収穫などの作業に使用されています。複数のアタッチメントを取り付けることが可能で、さまざまな農作業に対応できます。

農業の効率化や働き手不足の解消など、農業用トラクターは農業において不可欠な機械です。なお、牽引車としてのトラクターもありますが、ここでは農業用トラクターについて説明します。

農業用トラクターの使用用途

農業用トラクターは、さまざまな農作業で使用されています。アタッチメントを替えることで、さまざまな農作業に対応可能です。

1. 耕起 

耕起 (こうき) とは、植え付けの前に行う作業で、土をほぐす、混ぜる、雑草の引き抜きなどを行う作業です。ロータリー、またはプラウを取り付けて作業を行います。

2.代掻き

代掻き (しろかき) とは、稲の水没や田んぼ全体に水が行き届かないなどの不具合を防ぐために、水の入っている田んぼを平にする作業です。代掻きハロー、またはロータリーを取り付けて作業を行います。

3.施肥 

施肥 (せひ) とは、農作物の育成に必要な栄養分となる肥料を、畑の土壌に撒く作業です。肥料散布機、またはブロードキャスターを取り付けて作業を行います。

4.畝立て 

畝立て (うねたて) とは、畑の撥水性と通気性を良くするために行う作業です。農作物の根張りも良くなるため、畑作に不可欠です。培土機を取り付けて作業を行います。

5. マルチ張り

マルチ張りとは、土の乾燥や病気の伝染を防ぐため、畝をビニールやポリエチレンフィルムで覆うことです。マルチロータリーを取り付けて作業を行います。

6. 除雪

降雪のある地域では、農業用トラクターに除雪ブレードやスノーラッセルなどを取り付けて除雪作業も行います。

7. その他

種まきや草刈り作業、土壌改良剤や除草剤などの散布作業などにも使用されます。

農業用トラクターの特徴

長所

農業用トラクターの長所は、アタッチメントの多さです。アタッチメントを付け替えることで、複数の作業を行えます。効率良くさまざまな作業を行える多様性が最大の魅力です。

多少であれば、軟弱な地盤でも走行して作業ができる点も農業用トラクターの長所です。

短所

農業用トラクターの短所は、アタッチメントを複数用意するため、コストが高くなることです。農業用トラクターは、単体では作業を行うことができず、それぞれの作業に合うアタッチメントを用意しなければなりません。

農業用トラクターの種類

農業用トラクターの駆動方式は、ホイール式が一般的に知られていますが、そのほかにも2種類存在します。前輪がホイールで後輪部分がクローラの 「ハーフクローラ」 と、クローラのみの 「フルクローラ」です。

1. ホイール式

路上の走行性能が良く、長距離の移動が可能です。また、小回りが効く点もホイール式のメリットで、狭い場所での作業や、切り返しも簡単に行えます。

2. ハーフクローラ

ホイール式とフルクローラのメリットを合わせたタイプになります。ホイール式と比べて、路上の走行性は低くなりますが、水田など湿地での作業は効率良く行えます。

3. フルクローラ

フルクローラは接地面積が広いため、特に水田での作業で力を発揮します。また、雨上がり後の作業、雪の上での牽引作業も可能です。

農業用トラクターの選び方

農業用トラクターを選ぶ際は、作業を行う場所の大きさや土地の地形、使用目的などを考慮する必要があります。作業によって機体の大きさや必要な馬力、駆動方式を選ぶことも重要です。

維持管理費用についても、燃料費や修理費用を見積もり、経済的に持続可能な農業用トラクターを選ぶと良いです。

農業用トラクターのその他情報

農業用トラクターの運転免許

農業用のトラクターは、自分の農場や私道などで使用する場合は、運転免許が無くても使用できます。しかし、公道を走行して移動する際は、運転免許が必要です。

1. 小型特殊免許 ・ 普通免許 
小型特殊自動車とは「全長4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下、最高速度15km/h以下の条件を満たしたものを言います。普通自動車免許を持っていれば、小型特殊自動車の運転ができます。

2. 大型特殊免許
小型特殊自動車の規定を1つでも超えるものがあれば、大型特殊免許が必要です。大型特殊免許の取得で、農業用のトラクター以外の一部の建設用機械も運転もできます。

また、農耕車以外の大型車両を運転しない方であれば、大型特殊免許  (農耕者限定)  の取得をおすすめします。

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