ターボジェットエンジン

ターボジェットエンジンとは

ターボジェットエンジン

ターボジェットエンジンとは、燃焼ガスの排気流によって推進力を得るエンジンです。

最も基本的なジェットエンジンの形式であり、最初期に開発されました。ターボジェットエンジンは航空機用ガスタービンエンジンの1種で、エンジンでつくりだした高温・高圧のガスのエネルギーで、高速なジェット噴射を実現します。

その反動を利用し、航空機は大きな推力を得られ高速で飛行できる仕組みです。

ターボジェットエンジンの使用用途

ターボジェットエンジンは、主に高速で飛行する航空機に使用されています。特に、戦闘機などの軍用機では、このエンジンが多く採用されています。また、宇宙開発やミサイルの分野でも、ターボジェットエンジンの技術が応用されています。

亜音速以下の飛行では排気騒音が大きく、推進効率が悪いうえ、燃料消費率がよくないのがデメリットです。そのため、現在ではほとんどが軍用機や使い捨ての誘導ミサイル用のエンジン、垂直離着陸機の補助エンジンとして垂直飛行用に用いられています。

ターボジェットエンジンの原理

ターボジェットエンジンの原理は、空気を取り込み、圧縮し、燃料と混ぜて燃焼させることで高温高圧のガスを生成し、それを排気タービンを通して高速で噴射して推力を得るものです。まず、エンジンの前部にあるインテークで空気が取り込まれます。その後、圧縮機で空気は圧縮され、燃焼室に送られます。

燃焼室では、燃料噴射装置から噴射された燃料と圧縮された空気が混ぜられ、点火装置により燃焼させられます。燃焼によって生じた高温高圧のガスは、排気タービンを通過し、エンジンの後方へと噴射されます。

排気タービンは、この高温高圧のガスのエネルギーを回転エネルギーに変換し、圧縮機を駆動するために使用されます。排気タービンを通過したガスは、ノズルから高速で噴射され、その反作用によって航空機に推力が生じます。これがターボジェットエンジンの基本的な原理です。

エンジン後部から噴出するガスが非常に強力なため、より高度の推力が得られます。アフターバーナ (高温排気ガス中に燃料噴射して再燃焼させる) があるため、超音速旅客機や、音速で移動を必要とするジェット戦闘機のエンジンとして利用されています。

ターボジェットエンジンのその他情報

1. ガスタービンエンジンの種類

ガスタービンエンジンにはターボジェットエンジンの他に、ターボファンエンジン、ターボプロップエンジン、ターボシャフトエンジンがあります。その中でもジェットエンジンと呼ばれる噴流 (ジェット) を発生させて、その反作用を推力に利用するエンジンは、ターボジェットエンジンとターボファンエンジンです。

ターボプロップエンジンはタービンの回転によりプロペラを回転させ、プロペラにより推力を得るエンジンで、プロペラ機などのエンジンになります。ターボシャフトエンジンはタービンの回転をシャフトの回転に変え、シャフトの回転を別の動力に用いるエンジンで主にヘリコプターの主翼の動力として用いられています。

2. ターボファンエンジン

ターボファンエンジンは、ターボジェットエンジンの圧縮機の前部にファンを圧縮機と同軸で追加した構造になっています。ターボプロップエンジンのプロペラの直径を小さくし、ジェットエンジンの内部に組み込んだような構造がターボファンエンジンになります。

ターボプロップエンジンでは、プロペラの回転によって得られる空気の流れは純粋な推進力となります。これに対して、ターボファンエンジンでは、圧縮機の直径に相当する部分の空気は圧縮機を通りますが、圧縮機の直径よりも大きな外周部分の空気は圧縮機を通過しません。

圧縮機を通った空気の流れは、コアエンジンとなるターボジェットエンジンを通じて高温で高速な噴流となりますが、圧縮機を通らなかった空気の流れは低温で低速な噴流となります。最終的にこれらの流れが混ざり合い、噴流の速度が平均化されます。これにより、航空機にとって最適な速度の噴流が得られます。ターボファンエンジンでは、ターボジェットエンジンと比べて噴流の量も増え、出力が向上します。

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