ターボシャフトエンジン

ターボシャフトエンジンとは

ターボシャフトエンジンとは、航空機や陸上車両に使用されるガスタービンエンジンの1種です。

燃焼ガスのエネルギーをシャフトの回転に変換して動力を得られる特徴があります。そのため、ターボジェットエンジンやターボファンエンジン、ターボプロップエンジンなどとは異なり、推力ではなく、シャフトの回転によって生じる出力を利用する用途に適しています。

特にヘリコプター向けとして用いられる場合が多いです。ターボシャフトエンジンは、出力当たりの重量、体積が小さい、エンジン自体の振動が少ない、オーバーホール周期が長い、エンジン自体の冷却装置が必要ないなどの特性があります。

ターボシャフトエンジンの使用用途

ターボシャフトエンジンは、主に以下のような用途で使用されています。

1. ヘリコプター

ヘリコプターでは、ターボシャフトエンジンが主回転翼 (メインローター) を駆動するために用いられます。噴流のほとんどをタービンに吸収させて、軸出力をシャフトの先に回転翼を接続すればヘリコプター用のエンジンとなります。

高い出力と効率性が求められるヘリコプターでは、ターボシャフトエンジンは非常に重要な役割を果たしています。

2. 陸上車両

ターボシャフトエンジンは、陸上車両、特に軍用車両や大型建設機械にも使用されます。車両に高い動力を供給できるため、重量物の運搬や移動に適しています。

3. パワージェネレーター

ターボシャフトエンジンは、電力や圧縮空気の供給源となる発電機・圧縮機に接続すれば補助動力装置となります。この方式は、発電用ガスタービン、スクリューの駆動に使う船舶用、鉄道、戦車、石油プラントなどさまざまな産業分野で活用されています。

ターボシャフトエンジンは、発電機を駆動して電力を生成するためにも利用されます。緊急時や遠隔地での電力供給に用いられることが多いです。

ターボシャフトエンジンの原理

ターボシャフトエンジンの原理は、ターボジェットエンジンと同様に、空気を取り込み、圧縮し、燃料と混ぜて燃焼させることで高温高圧のガスを生成し、それを排気タービンを通してエネルギーを回収するものです。

ただし、ターボシャフトエンジンの場合、排気タービンで回収されたエネルギーは、推力を生み出すのではなく、シャフトを駆動するために使用されます。このシャフトは、ヘリコプターではメインローターを回転させたり、陸上車両では車輪を駆動させたり、そして発電機では電力を生成したりするために利用されます。

ターボシャフトエンジンのエンジンの構造は、燃焼部と出力部に分けられます。

1. 燃焼部

圧縮機、燃焼室、タービンと吸排気口など燃焼部は外気を取り入れ圧縮して燃やすためのコンプレッサータービンがあり、ターボジェットエンジンと同等の構造となっています。

2. 出力部

出力部は、排気からトルクを得るためのパワータービンによりシャフトの回転軸出力として取り出され、クラッチや変速機を介してメインローターなどを回転させます。

ターボシャフトエンジンのその他情報

1. ターボシャフトエンジンのメリット

ターボシャフトエンジンは、他のガスタービンエンジンと比較して、出力あたりの重量や体積を小さくできます。また、静音性に優れ、エンジン自身の振動が小さいです。

また、低燃費で信頼性が高く、オーバーホール周期を長くできるため、メンテナンスコストが低いなどのメリットがあります。ヘリコプターや小型の固定翼機に適しています。

2. ターボシャフトエンジンのデメリット

推力重量比が低いため、高速飛行には不向きです。また、加速性能も低く、離陸や着陸に時間がかかります。複雑な構造により、他のエンジンに比べて、出力あたりの価格が高くなる場合があります。

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