簡易無線機

簡易無線機とは簡易無線機

簡易無線機とは、簡易な業務や個人的なレジャーなどでの利用を目的に、簡易無線局で使用される無線端末です。

無線従事者資格が不要な無線局なので、誰でも使用できます。無線機の形態により固定型・車載型・携帯型に分かれており、携帯型は一般的にトランシーバーと呼ばれます。

簡易無線機は携帯電話とは異なり、事前にチャンネルを共有して一度に複数人へ送信が行えます。電話番号の入力が不要で送信のボタンを押すとすぐに送信が行えます。

また、携帯電話の圏外エリアとなるような山奥などでも使用可能です。よって、事前に決められたメンバーと密に連絡を取りたい場合は、簡易無線機がとても優れています。

簡易無線機の使用用途

簡易無線機は、携帯電話の電波が届きにくい場所での連絡や一斉通話が必要な業務や個人的なレジャーで使用されています。

1. 警備業務

大型の商業施設やプラント、工場などの警備業務に適しています。

2. イベント

イベントを運営する際に、一度の送信でスタッフ全員と連絡が取れるため、ホウ・レン・ソウがスムーズに行えます。そのほか、コミケや音楽フェスなどのイベントの規模が大きく、スタッフ同士の距離が離れてしまっても送受信が可能な点がメリットとして挙げられます。

また、マラソンや競歩などの選手やスタッフの移動が広範囲になるスポーツイベントにも好適です。

3. 大型物流倉庫

ネット通販の普及で物流倉庫も各地に建設され大型化しています。ピッキングなどを行う作業者と管理者との連絡に役立ちます。

4. アウトドア活動

山登りやキャンプなどで、家族や友人と連絡を取ることができます。登録局は業務専用ではなくレジャー使用も認められています。

簡易無線機の原理

簡易無線機は、電波を使って簡易無線機同士が通信を行う無線局です。周波数はUHF帯域を使用し、最大出力5Wで通信を行います。簡易無線にはアナログ通信方式とデジタル通信方式がありますが、アナログ通信方式は廃止される予定なので、ここではデジタル通信方式で説明します。

デジタル簡易無線機は、音声をデジタル化して電波を介して通信を行います。暗号化により秘話機能を提供可能です。

また、デジタル化によりアナログと比較してクリアーな音質を維持しつつ、狭い電波帯域で通話できる特性があり、電波の有効活用も図れています。

簡易無線機の選び方

1. 免許局と登録局

簡易無線には免許局と登録局の2種類があり、無線機も異なります。利用目的や利用者の範囲などで判断することが重要です。

免許局
免許局は、法人や団体が業務での使用を目的にした無線局です。免許局は154.44375~154.61254MHzで19ch +9ch (音声除く) 、467~467.4MHzで65chあり、登録局よりもチャンネルが多く混信しにくいです。

免許は無線機1台ごとに必要で使用できるのも、組織に属する人だけです。したがって、免許局の簡易無線機はレンタルを禁じられています。

登録局
登録局は業務だけではなく個人のレジャーなどでも使用できる無線局です。登録局は351.2~351.38125MHzで30ch、351.16875~351.19375MHzで5chあり、免許局よりもチャネル数は少ないです。

事前に登録申請と開設届けを出すことで、形式的な要件審査で認められます。登録局は登録人以外でも使用が認められているため、レンタルも可能です。

2. 形状

簡易無線機には持ち運び可能なハンディタイプと車両に取り付ける車載器タイプがあります。使用形態によって選択します。

3. 機能

簡易無線機には通話機能以外にGPSや秘話機能、録音、防水防塵などの機能を持つものもあります。業務で必要な機能があるかを確認します。

簡易無線機のその他情報

簡易無線機の制限

簡易無線機が使える業務には制限があります。以下の業務には使えないため、注意が必要です。詳細は「簡易無線局 (デジタル簡易無線局) の免許申請について」のページを参照してください。

電気通信業務、船舶や航空機などの安全航行を確保する目的、人命及び財産保全又は治安の維持確保などのような安心安全にかかわるもの、社会インフラになるようなものには利用できません。

参考文献
https://www.jenix.co.jp/best15/
https://www.icom.co.jp/lineup/result/?type=1&class=1&genre=3

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