教育用タブレット

監修:株式会社LIMNO

教育用タブレットとは教育用タブレット

教育用タブレットとは、学校での授業や、自宅での学習、復習、宿題の回答などに使用するタブレット端末です。

文部科学省では、世界的なICT (英: Information and Communication Technology) の広がりに対して、日本の子供たちも世界に通用するICTを習得させようと、教育現場での情報機器の活用を推進してきました。10年以上前から、全国各地にモデル校を設定して、パソコンなどのIT機器を使った授業を試験的に行ってきました。

そして2019年6月25日に公表された「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」の中でICT教育の全体像が示されました。この報告を受けて、2019年12月13日に閣議決定された令和元年度補正予算案において、児童生徒向けの一人に一台の情報端末を持たせて高速大容量の通信ネットワークを活用したICT教育のための予算が盛り込まれました。

この予算措置によって、2023年末までに、全国の全ての小中学生に情報端末を提供することになりました。さらに、2020年には新型コロナウイルスの蔓延による休校と家庭での自習期間があり、学校と自宅をネットワークで結んだ事業も可能な、この目標は3年前倒しされました。

子供たちにどのような情報端末を持たせるかは、各自治体で決めることになっています。ノートパソコンを選択した自治体もありますが、軽くて持ち運びがしやすく、ユーザーインタフェースが多岐にわたるタブレット端末を選択する自治体も多くあります。なお、教育用タブレットは、学校教育以外にも、自宅での通信教育や塾などにおいても広く導入されています。

教育用タブレットの使用用途

教育用タブレットは学校での授業や、自宅での予習、復習、宿題の回答などに使われます。基本的に小中学校の全ての学年と学科で使用し、それぞれの学びの中からICTに慣れ親しみ、使いこなせる人材の育成を目指しています。

従って、プログラムの学習のように、IT教育そのものに使われる場合もありますが、基本は、国語、算数、理科、社会のような、従来からの学科の授業の中で使われます。各授業の中で具体的にどのように使用するかは、各自治体や学校の創意工夫にゆだねられている割合が大きくなっています。

教室での授業では、生徒の持つ各タブレット端末は一つのネットワークでつながっています。生徒は他の生徒のタブレット端末の内容をネットワーク経由で入手し、他の人が何を考えているかを知ったり、自分の意見を送信してネットワーク上でのコミュニケーション術を習得します。

殆どの教室には大型のディスプレイも設置されています。先生の一つの問いかけに、全ての生徒たちが、自分の考えをタブレット端末を使ってディスプレイに返答することで、意見の多様性を学びます。

個々の科目に注目すると、タブレット端末ならではの機能を活用することで、より効果的な学習が可能になります。理科の授業では、タブレット端末のカメラ機能を使って、魚や植物を観察して、写真や動画で記録を作ります。社会科の授業では、世界で起きていることをネットワークを通じて入手します。美術の授業では絵画や彫刻などを、タブレット端末の高詳細ディスプレイに表示して鑑賞します。音楽の授業では生徒たちの合唱や演奏を録音して、それを聞いてさらにうまく歌えるよう、演奏できるように練習します。

授業の進め方の面から見ると、テストの回答をタブレット端末で行うことで、先生がテスト用紙の回収に歩いて廻る時間的ロスがなくなります。教科書や資料をソフトウエア化することで、ペーパーレス化を実現できます。

教育用タブレットの原理

教育用タブレットの多くは、基本的には一般の市販タブレットと同じです。12インチ程度のタッチディスプレイを中心に据えた薄い板状の筐体にCPU、メモリー、通信機器、各種接続インターフェース、カメラ、スピーカーなどが備わっています。ただし、中には、手書き性能や落下耐久性などに優れた、教育用途にカスタマイズされたタブレットも、特に通信教育分野などで広く使われています。

なお、教育用タブレットが一般の市販タブレットと異なる点の1つに、アダルトサイトなどの有害サイトへアクセスできなくなっていることが挙げられます。また、子どもたちが、どこの外部サイトにアクセスしたか、どのようなソフトをどれくらい使用したかなどのログが収集され、今後の改善や活用方法の検討に使用されます。

そして、それぞれの教育現場で使用するソフトや機能が、プレインストールされています。教育現場には教育用タブレットの初期設定や、使い方を技術面からサポートする技術支援員が配置されています。

教育用タブレットの種類

教育用タブレットには、市販のタブレットと同じように複数のOSが存在します。iPadをベースにした教育用タブレットは、アップル社のiOSを使用しています。Microsoft社のWindows、また、Google社のChrome OSも使われています。なお、通信教育や塾用途のタブレットにおいては、Android OSも広く使用されています。 

ハードウエアの面では、教室の狭い机の上での使用を考えて、机の前端に画面を垂直に立てておくスタンドが付属しているものや、小学校低学年向けに、画面の周囲に大きめのプロテクタが付いているものもあります。 

本記事は教育用タブレットを製造・販売する株式会社LIMNO様に監修を頂きました。

株式会社LIMNOの会社概要はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です