ポストプロセッサ

ポストプロセッサとは

ポストプロセッサ (英: Postprocessor) とは、CAMによって生成された切削経路を制御装置・工作機械の構成に適したNCプログラムへと変換するものです。

ラテン語でPostは「後」、プロセッサ (英: Processor) は「処理をするもの」 を意味し、ポストプロセッサはメインプロセッサの後処理を意味します。

一般的に会社ごとのNC装置CAMシステムは対応した変換ライブラリを備えています。通常のポストプロセッサは制御装置またはNC工作機械ごとに必要です。ただし制御装置またはNC工作機械固有の仕様をパラメーター形式で登録し、簡易的な操作で各機械に対応するNCデータへ切り替えられるものも存在します。

ポストプロセッサの使用用途

モノづくりの現場では上流工程での部門をまたぐ製品データ連携や事前検証を促進するために、3D-CADデータの普及が進んでいます。しかし部品加工では多様化する工程集約や部品形状等の生産形態に対応するため、複合加工機が普及しており、3D-CAMによる容易なNCプログラムへの変換が求められています。その変換を正確に行うために、ポストプロセッサが必要です。

ポストプロセッサの原理

ポストプロセッサは各種CAMシステムに適したポスト処理専用アプリケーションを用いてポスト処理を行い、対象であるNCデータにリバース処理を施して、過去のNCデータ資産を活用して他機種用のNCデータへ変換します。

ポストプロセッサは各種APTソースのいずれかの入力に対応しているほか、CLデータの入力にも対応しています。NC工作機械・制御装置の仕様を設定すると、各機械に対応可能です。

加工時間・加工開始座標・加工終了座標などの加工情報やNC変換結果を出力できます。なお、一般的にポストプロセッサの内容は公開されていません。

ポストプロセッサの種類

ポストプロセッサが使われる主な工作機械は、3軸~5軸マシニング・NC旋盤・パンチカット・ワイヤカット・レーザーカット・複合旋盤などです。

コントローラーのメーカーとして、ヤマザキマザック・オーエム・オークマ・ファナックなどが挙げられます。CAMシステムの具体例には、AUTON・CATIA V4/V5・DELCAM・CIMATRON・Pro-E・I-DEAS・MasterCAM・SURFCAM・Unigraphics・VX・WorkNCなどがあります。

ポストプロセッサの選び方

一般的なポストプロセッサは、出荷時に標準搭載されたシステムによって使用可能ですが、加工内容次第では標準搭載のシステムでは十分動作しない場合もあります。目的の加工にも対応できるように、ポストプロセッサのカスタマイズが必要です。

ただしポストプロセッサのカスタマイズには、言語や制御盤に関する高度な知識が必要であり、難易度が高いです。カスタマイズする場合には注意する必要があります。

ポストプロセッサの構造

一般的なCAMソフトウェアは、CADなどのモデル座標系上で工具経路データを計算するメインプロセッサ (英: Mainprocessor) とCLデータを適切なNCプログラムへ変えるポストプロセッサ (英: Postprocessor) の2種類で構成されています。

主なCAMのポストプロセッサは、使用する工作機械の構造やNC装置の仕様を考えて、モデル座標系上で計算されたCLデータを機械座標系に変換します。そして送り速度、主軸回転数、マクロのような指令コードを付加し、適切なNCデータを出力可能です。

市販のCAMソフトウェアは、明確にメインプロセッサとポストプロセッサが区別されています。ユーザが所有する工作機械とCAMソフトウェアの組み合わせの数だけ、ポストプロセッサを準備する必要がありました。現在ではパラメータを設定すると、どの組み合わせでも対応可能な汎用ポストプロセッサもあります。

参考文献
https://www.okuma.co.jp/product/3dcam/
http://www.zissen-mw.jp/product/ims/01post.html
https://www.fasotec.co.jp/product/soft/

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